転職No | case89 |
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名前・性別 | 三沢裕子(仮名)・女性 |
転職時の年齢 | 27歳 |
転職時期 | 2017年7月 |
転職前の仕事 | 中小建設会社 一般事務(東京都) |
転職後の仕事 | 大手建築・不動産会社 営業サポート事務(東京都) |
書類提出 | 4社 |
面接 | 3社 |
転職回数 | 1回目 |
転職活動期間 | 1ヶ月(働きながらの転職活動) |
卒業大学 | 東洋大学 社会学部 |
ポイント | 女性として結婚後の生活と働きやすい環境を重視し、転職活動! |
リーマンショック後の就職難の中、内定の出た中小建築会社一般職に
-前職に就職するに至った経緯を教えてください。
(三沢)新卒採用で最初に入社した企業です。リーマンショック後正社員になれるだけマシという就職難の世代なので、職種や職務内容には一切こだわりませんでした。その中でご縁があった2つ企業のうち、家から通える方の会社を選びました。会社は社員数100人越の中小企業の中ではそこそこ大きいほうでしたが、新卒採用が初めての会社で私が1号でした。そのため研修制度は整っておらず、現場にいって習うより慣れろを地でいく会社でした。
-前職の業務内容と、担当していた仕事について教えてください。
(三沢)業務は完全自社施工をうたっている建築会社で契約から建物完成、アフターフォローまで一貫してこなす建築会社だったので、事務といえど業務は多岐にわたりました。現場方の仕事で下請け業者さんからの請求書のとりまとめや現場の工程管理、営業方の仕事では来客の対応や引渡書類の作成などを行いました。
-職場の雰囲気はどうでしたか?不満はありましたか?
(三沢)営業さんと現場監督が同じ場所におり、分業制というよりはお互い助け合いながら仕事をこなす雰囲気の会社でした。そのため効率的ではなかったですが、融通が利いて温かみのある、人間臭い職場だったと思います。やはり下職さんたちと距離が近いので言葉遣いが乱暴な方も多く、男の職場っていう感じが強かったです。男尊女卑とまではいきませんが、女性はいささか軽んじられてると思うことも幾度かあり、少し寂しかった覚えがあります。近隣からの現場クレームの連絡を一番に受けるのも電話番である事務の仕事で、建物の完成は4~6ヶ月掛かるためその間ずっと電話が鳴りっぱなしということも少なくなく、それが辛い面でした。
-転職しようと決意した出来事や具体的な理由はありますか?
(三沢)事務職だからある程度は仕方がないと思いますが、3年ほど経ち、もうこれ以上ここでは新しい刺激はないなと感じて行き詰った感がありました。1年間もやもやしましたが、段々と心が腐っていくように無気力になっている自分に気づきました。以前は手が空いたら何か仕事を見つけていたのですが、3年を過ぎた辺りからこなさなきゃいけない仕事だけこなして後は適当に時間を潰しているばかりになりました。このままではいけないなと資格の勉強などもしたのですが、やりたいことがあるわけではないので長続きもせず。既にやる気の出ない環境に前向きに何かを始められる気がしませんでした。考えをただせないなら環境を変えて、強制的に前を向かせようと思い、転職する決意をしました。
-前職には何年勤務されましたか?転職した時期は?
(三沢)4年目で転職しました。27歳の時です。初めての転職でした。
20代専用転職サイト’20マイナビに登録!働きながら転職活動
-転職活動ではどのように情報収集しましたか?
(三沢)’20マイナビを登録しました。20代専用の転職サイトで、職務経歴書をチェックしてもらうのが目的で最初は登録しました。初めての転職でどのような書類を書けばいいのかわからなかったので、アドバイスもらえるのはとても魅力的でした。結果としては一文字も直されることなく、大丈夫ですと言ってもらえ、書類選考も落ちることはなかったので内容よりも20代という年齢の強さかなと感じました。私に向いてなかったのは都心部の求人しかなかったことです。別に東京に憧れもなく、わざわざ満員電車にのって東京のど真ん中で働きたいわけでもなかったので、結局転職サイトからは手を引きました。近場でも給料が変わらない求人があったので、その辺は恵まれた地域に住んでいたんだと思います。
-書類選考や面接ではどんなことをアピールしましたか?
(三沢)結構異動が多く、多様な部に所属し経験を積んでいることと、中小企業に勤めていたので役付けの傍で急な案件にも対応してきたことなど、対応力と迅速さをアピールしました。
また、クレームになりやすい事案、起こさないためにとるべき行動など、肌で感じたどこの職種でも役立つであろう経験も話しました。
-面接官にはどんな質問をされましたか?
(三沢)企業からは当たり障りのない職務経歴書に沿った内容の説明を今一度求められました。あとは、企業のことをちゃんと下調べしているのか、業務内容などにどれだけの理解があるのかを確かめるための質問をいくつか受けました。回数を増やすうちに業務内容の理解から企業とのマッチング度合い、企業で働く心意気や覚悟の確認へとシフトしていったと思います。「うちは残業が多いけど大丈夫?」など具体的にデメリットを押し出してくれるところもありました。
-転職活動では内定までどのくらいかかりましたか?
(三沢)1ヶ月ほどで内定がでました。働きながらの活動だったので、毎週休みのたびに面接しました。
-転職活動期間1カ月とはすごいですね!新しい会社を選んだ理由とは何ですか?
(三沢)転職活動をするうちに私が一番大切にしたいのは、ワークライフバランスであることに気づきました。最初はバリバリと一度は働いてみたいとか、単調な事務に飽きたので刺激のある職につきたいとか要求は多々ありましたが、結局休みがちゃんとしていて、仕事帰りに友達と遊べるくらいの余裕がある生活がいいなと思いました。お金を稼ぐために残業三昧するよりは、お金は生活に困らないで貯金ができる程度稼げればいいやと思いました。今の職場は結構自由に休みの選択ができ、結婚後の生活も想像しやすかったので決めました。産休がとれて休みの融通も利くため、女性として子どもが欲しい身としては長く働けそうでいいなと思いました。結婚願望が強かったので、キャリアウーマンへの憧れよりも結婚後の生活を優先させました。
-転職活動中、一番辛かったことは?
(三沢)辛いことが重なったときに面接に行かなくてはならず、エージェントを通しての予約だったのでキャンセルもできなかったときがありました。その時は身体を引きずる思いでいきましたが、結局面接途中で涙が流れてしまいました。面接は最後までこなせましたが、案の定エージェントにも報告され転職活動に負けた気がして心が折れました。
ワークライフバランスが充実し、結婚後も働きやすい職場に
-新しい職場の業務内容と、担当されているお仕事について教えてください。
(三沢)土地仕入れから建築までグループ会社で完結させている会社です。土地仕入れの会社が子会社となる建築会社と仲介会社にそれぞれ卸して、住宅を建てて売ったり、土地のまま売ったりしています。グループ会社といえど大きな一つの会社のような形態で子会社・親会社に相互に当たり前のように異動があり、社内イベントも合同にやっているので、税制上別会社としているといった感じです。私は前職の建築会社での事務経験をかわれ、建築担当の会社で営業サポートとして働いています。お客様への引渡書類や受付など前職とかわらない基本業務の他に、商品の詳細や見積の請求やお客様へ提示する自社の見積作成、お店に置くフリーペーパの作成や全社へ配信するお客様アンケートのとりまとめなどをしています。
-新しい職場は前職と比べてどうですか?よかった点、悪かった点はありますか?
(三沢)良かった面は大きい会社なのでやることが多く、自分で考える仕事が多いことです。常に新しいことを求められ、いままでやったことのないことも積極的にやらせてもらえます。同じ事務職でも刺激が多く、転職して1年経ちますが今のところ退屈はしていません。また、評価制度も整っていています。前の職場では年功序列で評価もイマイチ不透明だったのですが、今回は人事評価面談があり、自分の希望を直接つたえる機会も与えられてて良かったです。
前職の方がよかったのは給与面です。額面で20万下がり、事務なので今後大幅に上がることは期待できないので年収が下がった分を埋めるのは難しいと思います。前の職場は小さい会社だったこともあり、臨時賞与など経営者の人柄がよく、還元してくれる機会が多かったですが今の職場は規則どおりといった感じで希望が薄いです。
これから転職をしようと考えている方に向けてアドバイスを!
(三沢)迷っているならまずは行動に移してみるといいと思います。行動する前は希望がたくさんで、自分が結局何をしたいのかわからないですが、動いていくうちに自分が結局どんな働き方をしたいのかが見えてくると思いました。その結果、転職せず今のまま働くのがいいのか、転職して違うところに行くのがいいのか、判ってくると思います。身も心もぼろぼろになるという会社ならすぐに辞めたほうがいいと思いますが、そうじゃないなら仕事を続けながら転職活動するのをおススメします。働きながらだと時間的には辛いですが、お金の心配をすることなく面接に落ちても働く場所があるという心のゆとりになります。転職活動を始めるからには新しい仕事に就くことが最終目標と思わずに、視野を広げて他の会社を見聞きし、自分の置かれている環境を再確認する機会にするといいと思います。その上で別のところにいくか、いまのままでいいのか、決めるための要素にすればと思います。