商社マン
総合商社・専門商社の業界動向
日本の5大総合商社といえば、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅です。総合商社は近年、原油、鉄鉱石など資源価格の下落などによる資源分野の業績不振に苦しんでおり、各商社は食品事業やメディア事業、地熱発電プロジェクト分野など非資源分野への強化を進めている状況です。
しかし、5大総合商社は30代で額面1,000万を超えるなど給与水準が高く、さらに海外赴任などグローバルな仕事に携わることができるため、新卒・中途採用市場どちらでも人気の高い職種です。
一方、特定の分野に特化した商品を扱う専門商社では、近年は化粧品などが好調ですが、資源安の影響で鉄鋼、エネルギー系が苦戦しています。業界全体としては横ばいの業績となっており、今後は専門商社の生き残りをかけ企業再編が進んでいき、独自の価値を発揮する企業が増加すると予想され、ポテンシャルの高い社員を積極的に採用していくと思われます。
商社マンへの転職・求められる人材
5大総合商社をはじめとする総合商社では、年々キャリア採用枠が広がっており、新卒者でなくとも総合商社の商社マンになるチャンスが増えています。
中途採用で総合商社へ転職する場合は、前職で何か専門的な知識を得ているとポイントが高くなります。実際にキャリア採用された方の前職は、コンサルティング・ファームや投資銀行、官公庁や会計事務所・税理士法人で資格取得後実務経験を積んだ方、メーカーやゼネコン、プラント会社勤務者など多種多様です。基本的には総合商社の仕事に活かせる専門性のある仕事に就いていた方が有利となっているようです。
また、海外駐在員になることもあるため、語学力は必要です。英語はもちろんのこと、さらに他の言語も話せると有利になるでしょう。
一方、専門商社でも前職でのキャリアが重視されますが、専門商社の中途採用では、未経験や第二新卒でもポテンシャルが高ければ積極的に採用されています。海外営業部がある会社であれば英語力などの語学力のスキルがあれば有利になるでしょう。専門商社の展開する業務を探求し、突き詰めていけるバイタリティーあふれる人材が求められています。
商社マンは数億円から数千億という大きな仕事に携わり、国内外のクライアントとの交渉には非常に高い調整力や折衝力が必要となります。すなわち、総合商社でも専門商社でも共通して商社マンに求められるのは、コミュニケーション能力が高い人物であるということが第一条件です。