電気工事士
電気工事士の転職市場は良好状態が続く
電気工事士とは、電気の配線や電気を利用する機械設備の工事を行う職業です。図面を読み、それに基づいて材料や工具、作業手順を進めていきます。電気工事士は、工場や病院、ホテルやビル、住宅や空港、鉄道や発電所などのあらゆる建設現場で働きます。電気工事士は業務独占資格であり、電気工事士の資格がないと業務に就くことはできません。資格には第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があり、それぞれ従事できる工事の範囲が異なります。
電気工事士は、人間の生活に必要不可欠な電気工事を担当するという重要な仕事であるだけでなく、昨今の東京オリンピック開催に向けての建築バブルの影響、電気工事士の高齢化、住宅建築の省エネ化などにより需要は拡大し人手不足状態が続いています。経済産業省の調査によると、第一種電気工事士は2020年に数万人規模の人材不足、2045年には第二種電気工事士が数千人の不足に陥るという予測を立てています。
(出典:経済産業省「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」)
求職者よりも求人数が上回る状態で、今後しばらく電気工事士の転職市場は良好状態が続くと予測されます。
電気工事士の資格と転職
前述の通り電気工事士には第一種と第二種があります。第一種の合格率は30~40%で毎年1万~1万5千人ほどが合格しており、第二種の合格率は40~50%ほどで毎年の合格者は5~6万人ほどです。(参考:一般財団法人電気技術者試験センター「試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)(第二種電気工事士試験)」)第一種電気工事士は試験合格後、3~5年(学歴により相違あり)の実務経験が必要となることから、第二種電気工事士を取得した後、働きながら第一種電気工事士の資格を取得する方法が一般的です。
電気工事士の人材不足はこれから中長期的に拡大していくため、第一種でも第二種でも電気工事士の資格を保有していると就職に困ることはなく、将来性は間違いないと言えるでしょう。転職市場では、資格を取った上で現場経験を積んでいる人は価値が高まり、引く手多数の状態となっています。また、現場で電気工事士を束ねる現場管理や施工管理の仕事をした経験があれば有利に転職活動を行うことができ、好条件で転職を成功させる可能性が高くなります。
電気工事士の人材不足から、電気工事士を目指す人材さえも貴重に扱う傾向が広がっており、「未経験者歓迎」や「電気工事士の仕事に興味があり、資格を取得したい方」を募集する会社も増えてきています。仕事をしながら第二種電気工事士資格取得をサポートする体制の整った企業もあります。電気工事士試験は年齢や学歴などの制限はなく、誰でも受験することができます。未経験者でも、30代40代からの挑戦でも可能です。異業種未経験からの転職も可能にしてくれるのは、電気工事士の仕事だと言えるでしょう。