不動産鑑定士
不動産鑑定士の受験者数の推移
不動産鑑定士として国土交通省に登録されている人は平成28年1月1日時点で8,207名です。
不動産鑑定士になるには、短答式に合格した後、論文式試験を突破する必要があります。合格後は実務研修機関(社団法人日本不動産鑑定協会)で1年~3年の研修を受けなければなりません。資格を取得するためには、最低でも試験出願から合格まで2年程度は必要となります。
平成18年度に試験制度が変更された関係で申込者は激減しています。それに伴い毎年の合格者数も100人前後と少なく、論文式試験の合格率は11~14%前後で推移しており、依然として難易度の高い資格には違いありません。
不動産鑑定士は、不動産資格の最高峰の資格でありながら登録者が約8千名と少ないため希少価値が高い資格です。また、土地の価格や不動産売買の有無は景気に直接影響されないため仕事が激減することがなく、一定の需要が見込めます。受験者数は減少する一方でニーズは多様化しているため、試験の難易度を下げる方向での見直しも検討されています。
不動産鑑定士の活躍のフィールドは拡大
「適正な地価」等を判断する「不動産鑑定評価業務」は不動産鑑定士の唯一行うことができる資格であり独占業務です。また、不動産活用のコンサルティング業務を行い、投資信託分野での関連業務など様々な場所で活躍でき、年々業務の幅が広がっています。
不動産鑑定士の所属業種は不動産鑑定業・不動産業がメインとなっており、この2業種で7割以上を占めるという調査結果もありますが、信託銀行や生命保険・損害保険会社などの金融機関や建設・土木会社にも所属しています(参考:国土交通省「不動産鑑定評価の現状(更新)」)。不動産鑑定士の資格は、不動産業界や金融機関などで不動産を取り扱う部署に所属している人にとってはキャリアアップになり、不動産業界へ転職する人にとっては良いアピールポイントとなります。転職の切り札として有効に活用しましょう。
企業内鑑定士として働くのはもちろん、不動産鑑定士の資格を活かして独立開業し、自分の力量を発揮することもできます。全国各地で需要があることから、IターンやUターン開業も可能です。その他、弁護士、公認会計士、税理士などの他分野の専門家と一緒に共同事務所を開くと仕事の幅も広がり、多くのクライアントの多種多様なニーズに応えることができるようになるでしょう。