アジャスター
アジャスターの転職事情
アジャスターには技術アジャスター、特殊車アジャスター、医療アジャスターなどがありますが、ここでは「技術アジャスター」をメインに説明します。
アジャスターは車の事故の損害調査業務を行い、損害額や事故の原因・状況を調査する専門職です。転職市場でも、アジャスターの求人は損害保険会社や事故調査会社、レンタカー会社がメインです。また、最近増えてきたカーシェアリングサービス運営会社にも求人が出ることがあります。
アジャスターの場合は、資格を持っていることは転職時の大きなアピールポイントです。特に2級技術アジャスターを持っていると、良い条件で転職することができます。今よりも良い年収や条件で転職するには2級技術アジャスター資格を取得した方がよいでしょう。
未経験可としている会社もありますが、資格を持っていない場合は、入社後実践的な業務に就きながら並行して丁寧な研修を受け、資格取得していくことになります。大手損害保険会社は研修制度が充実している印象です。(ただし整備士資格は必要)
アジャスター試験合格率の推移
アジャスターとして働くには、社団法人日本損害保険協会が実施する技能ランク試験に合格する必要があります。ランクは見習、初級、3級、2級があります(1級は現在のところ実施されていません)。
技術アジャスターの合格率は見習いでも平均32%ほど(参考:日本損害保険協会)と比較的難易度が高く、各社が研修会や勉強会などを開催して試験合格のサポート体制を整えています。
下記は三井住友海上の技術アジャスターの合格率です。全社の合格率は3級で20~30%、2級は10%~15%となり、三井住友海上の合格率は全体よりも高めですが、2級技術アジャスターは実務経験と共にアジャスターとしての詳しい知識が必要な難関資格となっています。
(出典:三井住友海上 アジャスター採用サイト「技術アジャスター」)
アジャスター資格の将来性
自動車は日々進化し、運転アシスト機能の革新や自動車走行データの活用などにより、平成16年をピークに年々自動車の事故件数は減ってきています。
(出典:内閣府「平成28年交通安全白書」)
しかし、事故件数が減少してもアジャスターの仕事が減ることには繋がっていません。なぜなら、自動車の進化によって事故の原因は複雑化し、高度な調査や示談交渉が必要になっているからです。また、海外拠点での調査業務の指導のための指導者としての道もあり、アジャスターの需要は高く活躍の場は広がっています。これからますます、アジャスターの活躍は期待されることが予想されます。