司法書士
司法書士の転職市場、都市部では良好
司法書士は、裁判所・検察局・法務局などに提出する書類の作成や、登記・供託に関する審査請求手続きを代理する仕事です。また、様々な法律相談やコンサルタントとしても活躍し“街の法律家”とも呼ばれます。2003年の法改正によって簡易裁判所での訴訟代理業も行えるようになり、活躍の場は広がっています。
司法書士になるためには、国家資格である司法書士の試験に合格すること、または裁判所書記官、法務事務次官等の職務に一定期間年以上従事した者で法務大臣の認可を受ける必要があります。平成30年度の司法書士試験は、受験者数14,387名、合格者数621名、合格率4.3%という結果でした(参考:法務省「平成30年度司法書士試験の最終結果」)。合格率は3~4%ほどで推移しており、難易度の高い資格です。
全国の司法書士会員数は2018年4月の時点で22,488人、男性18,619人(83%)、女性3,869人(17%)です。
(出典:日本司法書士会連合会「会員数他データ集」)
実力があれば性別関係なくキャリアアップできるだけでなく、資格があることでブランクがあっても再就職しやすく、独立開業も可能であることから女性が活躍しやすい資格です。
司法書士は司法書士試験に合格後、司法書士事務所で経験を積み独立するのが一般的です。また、企業の法務部門へ就職する人もいます。有資格者が約2万人程度と少なく、年齢構成では60代が21.8%と比較的高齢化していますが、30代が22%、40代が24.7%と若手~中堅の有資格者も同程度おり、今後若者の司法書士資格者の需要は拡大していくでしょう。(参考:日本司法書士会連合会「司法書士白書 2017年版-資料編-」)
都市部では司法書士事務所や企業の法務部門の求人が多く、就職先の選択肢が多い状況はしばらく続くと予測されます。都市部の転職市場は良好でしょう。
司法書士の将来性
司法書士の会員数は毎年増加しており、今後も増加していくと予想されます。
(出典:日本司法書士会連合会「会員数他データ集」)
司法書士の増加に反して、不動産登記や商業登記件数は減少しています。司法書士の業務は不動産登記の割合が大きいため、登記件数の減少は仕事の減少に繋がります。
しかし、2003年の法改正により、簡易裁判所での訴訟代理業など、新しい分野での仕事が増加しているのも事実です。弁護士が不足している地域でも法的サービスを受けやすくなり、司法書士はますます“街の法律家”として活躍することが期待されています。
また、不動産に強い司法書士として働くために「宅地建物取引士」や「土地家屋調査士」の資格を取得し差別化を図るなど、自ら新しい分野へ挑戦しキャリアアップしていくことができる司法書士は、将来的にも活躍していくことができるでしょう。