測量士
測量士の難易度と需要
測量士は住宅から大型施設まですべての建築物の建設工事において、土木測量、地図測量、地籍測量の3つの専門分野に分かれて、地形や道路などの位置関係を細かく把握していく仕事です。測量をしなければ図面を作成できないのはもちろん、測定値に誤りがあると安全性に問題が生じるため、正確な仕事が求められ社会的にも重要な仕事となっています。
測量士になるには幾つかのルートがありますが、国土交通省国土地理院が実施する測量士試験に合格するのが一般的です。学歴や年齢の制限はなく、誰でも受験できる国家資格です。平成30年の測量士補の合格率は33.6%、測量士の合格率は8.3%の難易度の高い資格です。男女の合格率はほぼ同じですが、受験者数・合格者数共に女性は男性の1割程度となっており、測量士は男性が多い職業であることが分かります。
(出典:国土地理院「平成30年測量士・測量士補試験の実施状況等について」)
測量士は屋外の作業もあるため、体力に自信がありどんな条件下でも実力を発揮できる人材、チームで行動するためコミュニケーション能力がありチームワークを大事にする人材が求められます。
難関の試験に合格するか、所定の学習を修めたうえで実務経験を積む、測量士補を経て測量士になるなど、ハードルの高い資格であることから、既に測量士資格を取得している人材は転職しやすい環境にあります。転職先の企業は人材を育てる費用を抑えられるため、即戦力として活躍できる測量士は良い条件で転職できる確率が高まります。
また、建設業がなくならない限り測量士の仕事はなくならないため、将来的にも安定した職業であるといえます。スキルを磨き経験を積んだ測量士は転職時のアピール材料になり、有利に転職することができるでしょう。
測量士の転職先と今後の活躍について
測量士の就職場所は測量会社や建設コンサルタント会社がメインとなります。測量会社には各営業所単位で1人の測量士、もしくは測量士補を配置しなければならないため、測量士の資格を持っていると就職・転職する際に有利になります。
測量に使用する測量機器は時代と共に新しい機器が開発されており、レーザーを使った測量や衛星を使ったデジタル処理など最新の光学機器やソフトを使いこなせる人材は測量士としての幅が広がり、より大きな仕事を任されるようになります。都市部の再開発や公共施設の建設など大きな事業に関わることができるので、常に最新技術を学びスキルアップしておくことで転職時に有利に働きます。
また、土地家屋調査士や行政書士の資格もあわせて取得して不動産登記もできる測量士になると、独立開業の道も開けてくることでしょう。