中小企業診断士
中小企業診断士の推移
中小企業診断士は企業診断の専門家として活躍する経営コンサルタントの国家資格です。資格取得には中小企業診断士試験に合格する必要があります。中小企業診断士の登録者数は平成29年度4月1日時点で約26,000人、5年毎の更新が必要な資格です。(参考:経済産業省「中小企業診断士」)
2017年の1次試験の受験者数は14,343人、合格者数は3,106人、合格率は21.7%です。
2次試験の受験者数は4,279人、合格者数は828人、合格率は19.4%です。
2017年度の合格率から、1次試験と2次試験共に1度で合格する可能性は4%ほどと非常に低く、受験生のほとんどが2年以上の期間をかけて合格しています。毎年13,000~14,000人程が受験して、合格者は800~1,000人と難易度の高い国家資格です。ここ数年の合格率は大きな変動がないため、試験制度の変更などが無ければ今後もこの水準で推移していくと予想されます。
中小企業基盤整備機構の平成27年度のアンケートによると、中小企業診断士の年齢構成は50歳代が最も多く(29.1%)、次いで60歳代(25.6%)、40歳代(22.9%)と続いており、50代と60代で半分以上を占めています。20代はわずか0.6%と最も低く、資格取得には豊富な知識と経験、そして学習期間が必要だということがわかります。資格保有者の職業は、プロコン診断士(プロコン経営・コンサルティング会社勤務)が47.0%、企業内診断士(民間企業勤務、公務員等)は47.4%とほぼ同等の比率になっています。
中小企業診断士は転職に有利
中小企業診断士資格を取得すると、転職する際に有利になります。経営コンサルティング唯一の国家資格は、コンサルティング業界への転職時に大きなアピールになります。また、コンサルティング業界だけでなく、消費者のニーズに敏感でマーケティング知識がある中小企業診断士は幅広い業界への転職でも有利になります。新しいサービスやマーケティングを提案できるため、新しい商品が次々と登場し流行する現在求められる人材として重宝されます。
コンサルティング業界もその他の業界でも、中小企業診断士資格があると転職に有利に働くことは確かですが、資格を持っているだけで有利になる訳ではありません。コンサルタントとしての実績や実力があった上で中小企業診断士の資格があると更に評価がアップするということです。資格を保有しているだけではなかなか転職は難しいため、資格を活かせるような履歴書・職務経歴書を記入できるようにしましょう。コンサルタントとしての経験と中小企業診断士の資格の2点が揃うことで転職活動を大いに有利にすることができます。
また、中小企業診断士は独立開業できる資格です。既出のアンケートによると、4割ほどの人が「将来的に診断士として独立を予定している」と回答しています。