習得しておきたい基礎知識
労働環境を整える上で、労働者を守る法律である「労働法」は基本的な知識として必要です。終身雇用制度が見直されて以来、働き方の多様性が広がる中で、雇われる側もこれら法律の知識が浸透しています。一方で、労働法に対する意識が低い企業もあり、トラブルの原因にもなります。現場の管理責任者が知識不足のケースも多々あるので、人事の責任としてしっかり管理することが重要です。
保険法も同様に、雇用や退職の手続きに不備がないように基本的な知識と確実な対応が求められます。会社や労働者をまもるために、人事は法令順守を徹底しなければいけません。
また、法律以外に知識や情報として、その会社以外の組織について学ぶことも大切です。他企業や他業界での人事や評価制度など、日々変化する企業経営と人事の業務について、積極的に情報を取り入れること。異業種での交流を通して、新たな気づきや発見があります。
- 労働法や保険法、知識や情報としてその会社以外の組織について学ぶことも大切。
基本となるスキル・能力
人事の基本的なスキル・能力として最も求められるのは、やはりコミュニケーション力です。
社会人でコミュニケーション力に自信を持つ人は意外と多いものです。人事におけるコミュニケーションは複雑で、人間関係のトラブルや制度や法律、また昇級や評価などと、切っても切り離せません。大変深刻な事象を扱うセクションです。その中で、相手に共感を持ちながらも冷静且つ客観性を持って、法律や会社の規則に則って、物事を解決していかなければなりません。
法律や規律に詳しくなるほどに、人には非情な印象を与えてしまうものです。コミュニケーション力に優れた人事は、強いメンタルの持ち主でもあります。さらに、事務処理には緻密さと正確さが求められます。決算前後の繁忙期では大量の情報処理・事務処理があります。企業機密や個人情報を扱うため、間違いは許されません。
- 最も求められるのはコミュニケーション力。
実践で発揮する応用力
さらにキャリアを積むと、人事としての器が求められます。採用にしろ、組織作りにしろ、瞬時に人の特性を見極め、適切なコミュニケーションやアドバイスを行います。
「人」に精通することこそ、人事の大きな目標となります。これは、幾度となく人と関わる経験を積み重ねた中で得られる能力です。会社経営、組織作りに長年に渡って真剣に取り組んできたからこそ身につくものです。
また、組織や人の課題と向き合うのが人事です。トラブル対応や問題解決力はとても重要な能力です。しかし、さらに必要なのはトラブルを未然に防ぐ力です。危機管理能力または問題発見力がそれにあたります。目には見えないものを未然に発見する洞察力は、これも豊富な経験に培われる能力と言えます。
- 「人」に精通することこそ、人事の大きな目標。
本記事は2016/03/04の情報で、内容は人事としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。