人事の方が転職時に書いた実際の履歴書をもとに、注意点を解説していきます。
印刷会社の管理部(就業中)から人事への転職を希望するAさん(男性)
大学卒業後に、同年4月に都内の印刷会社に入社し、管理部に配属される。印刷部門の労務管理、営業や企画部署などの仕入れ管理、パソコンなど機材設備の設定やメンテナンス、個人情報の管理担当、求人広告の手配や求職者の受付など、企業のバックヤードとして約10年活躍。人事の専門職を求めて転職活動中の例文です。
①免許・資格
平成15年11月 普通自動車第一種免許 取得
平成16年3月 衛生管理者 取得
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「釣りやロードバイクを楽しむこと。自然の中で過ごすことで、心身ともにリフレッシュでき、ストレスを解消し、仕事への英気を養います。」
特技や趣味の欄を、積極的に活用しない人も多くいます。仕事とは関係のないこととして記入をためらうこともありますが、趣味や特技は、人間性を豊かにし、またコニュニケーション力を高める活動としてアピールできます。また趣味を持つ人かどうかで、その人となりを判断する採用担当者や面接官も多くいます。例に挙げた「釣り」「ロードバイク」は、ひとりで取り組みイメージが強いですが、同好会やサークルに属していることや、大会に参加して人々と交流を図る活動などをアピールしてみてもいいかもしれません。また、成績や技術の向上のために、どのような情報収集や訓練をしているかなども、その人の人間性や堅実性を推し量る上でプラスになりますし、何事にも向上心と努力を惜しまない人材として、好印象を与えるでしょう。
人事はコミュニケーション力が不可欠で、また個人情報や会社の機密事項を扱うための緻密さや責任感も求められます。日常の活動を通じて、社会や組織とどのような関わりを持っているのか、また健康管理やセルフコントロールに日頃から気を配っているなど、趣味や特技の欄を最大限に活用して、人事に適した資質であることを積極的に伝えていきたいところです。
③志望動機
実際の文章
「現職での管理部での業務を通じて、企業における人材の重要性を大変強く感じています。私自身の将来の目標は、働く人の役に立ち、組織をより強くし、企業の成長に貢献できることです。そのために人事のプロとして活躍できる機会を目指し、この度の貴社を志望いたしました。事業の拡大に伴う増員として、益々発展される貴社様の新たな組織作りに貢献できるように、またその事業を通じて私自身も成長できるように努力する所存です。何卒よろしくお願いいたします。」
現職の中で、人事としての具体的な業務や成果をアピールできるようにしておきたいところです。それぞれの人事の求人によって、求める人材やスキルは異なってきます。これまで自分が経験してきた、または成し遂げてきた人事の仕事を、数少ない経験でも結構なので、しっかりとアピールすることが必要です。また、労働法の知識や労務士の資格などを持っていない場合は、まだ資格はなくとも実務経験や知識があることや、資格の取得を目指して勉強中であることなどを伝えるようにしましょう。
また、なぜ人事のプロを目指すために転職が必要なのか、現職でそれが実現しない理由は何か、さらに異業種へチャレンジすることなど、採用担当者は、転職への志望と同時に、退職の理由も注意を払ってきます。今回は初めての転職のため大きな懸念材料にはなりにくいですが、転職理由についても明確に伝えられるようにしておきましょう。現職や前職の会社を悪く言うことは論外です。自分のキャリアアップや将来の夢のための前向きな挑戦であることを熱意を持って伝えます。
④本人希望記入欄
実際の文章
「特にありません。」
基本的にこの欄は「特になし」でも大丈夫です。
本記事は2016/03/03の情報で、内容は人事としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。