土木施工管理技士の採用先の分類と求人事情

職業:土木施工管理技士

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 1級土木施工管理技士の採用先としては、「① 土木工事会社」「② 地方自治体(県、市町村)」「③ 設計コンサルタント会社」のように分類できます。

 

① 土木工事会社

 例えば、東京や大阪に本社を置く中堅~大手ゼネコンで大規模な工事の経験を積み、30代でU・Iターンして地方の中小規模の工事会社に就職するといった同業他社への転職パターンは多いです。建設業界の人材不足はこれから一層深刻になっていきます。特に人材不足が深刻な地方部では、経験が豊富で30~40代の若い現場監督は需要が高く、完全な売り手市場です。

 

 また、工事書類の電子納品制度が一般的になってから10年以上が経ち、現在の公共工事は、ほとんどの工事書類をデータとして工事完成時に納品する仕組みになっています。そのため、日々使用する図面(CAD図面)だけでなく、工事写真、全ての管理書類をパソコンで作成するスキルも求められます。その上、デジタル化により提出する書類の質・量ともに要求レベルが高くなってしまい、50代以上のベテラン現場監督はほとんど対応できていないのが実情です。これが公共工事の現場監督不足を一層深刻にしている原因です。

 

 したがって、これから現場監督を目指す人は、電子納品基準が最も厳しい国土交通省の工事を、最初から最後まで1人でこなせるようになっておくことがキーポイントです。これができれば、電子納品スキルはどの発注者(地方自治体等)に対しても通用するレベルになっており、採用条件は格段に上がります。

 

 大手ゼネコンと地方建設会社では、扱う工事規模がかなり違うイメージがありがちです。しかし、地方の有力工事会社となると、一定の工種に特化して大手ゼネコンと競争するほどの技術力を持っています。専門工種で特化したいという動機があれば、地方有力企業に移ることでより多くのチャンスを狙うという方法もあります。

 

  • 土木工事会社間の同業他社への転職は多い。人材不足と工事書類のデジタル化によって、特に地方では30~40代の経験者の需要が顕著。

 

② 地方自治体(県、市町村)

 地方自治体の技官は上述のように現場経験が不足している上に、長年の採用定数減の影響が出てマンパワーも不足しています。そこで、土木技官の中途採用を募集している自治体が多くなっていますが、自治体も即戦力が欲しいため、1級土木施工管理技士の資格を持っていることは、実質的に必須の応募条件です。

 

 土木技官の仕事は、事業計画(予算)に始まり、測量、設計、用地買収、工事発注、工事担当という流れで事業の全てに関わります。現場経験の豊富な1級土木施工管理技士が即戦力として一番活躍を求められる分野が、設計、工事発注、工事担当の3つです。

 

 ただし、設計と工事発注については、現場監督時代から意識的な訓練をしておかなければ、その能力は養われません。設計は、担当現場の設計図書(設計計画書、設計計算書)を完全に理解するようにして、簡単な設計計算は自分でできるレベルになっておく必要があります。工事発注では積算の能力が必要で、発注者の工事積算基準に従って、工事価格を正確に算出するスキルが求められます。いずれのスキルも長年の訓練が必要です。日頃から意識的に取り組み、自分のスキルレベルを把握しておけば、土木技官としての能力をアピールしやすくなります。

 

 ただし、安定した公務員なので、地方都市の公務員であれば競争倍率も非常に高く、確実に10倍を超えます。より過疎が深刻な地方市町村を狙えば、採用競争率がかなり下がり、5倍以下のケースも見つかります。

 

  • 地方自治体の土木技官の中途採用では、現場経験が豊富な即戦力が求められる。工程の中でも設計と工事発注は日頃からの意識的なスキルアップが必要。

 

③ 設計コンサルタント会社

 現在、工事の施工計画や、現地状況に合わせた計画変更といった現場経験を持つ土木技官が、発注者に少なくなってきたため、発注者サイドで分からないことがあると、その問い合わせが「設計者」に回ってくる傾向が強くなっています。特に設計段階では、これから発注する工事内容について工事会社に聞くことはできません。(官民談合につながるためです)

 

 しかし、土木設計を行う設計コンサルタント会社は設計技術者の集まりですので、施工計画や現地状況に応じた計画変更については詳しくありません。したがって、現場監督経験の豊富な1級土木施工管理技士が設計コンサルタント会社に入り、設計技術者へ転職するというパターンは、確実に需要が増えてきています。

 

 ただし、この場合には「施工」と「設計」という職務の違いがあり、求められる能力もかなり違うことに注意しなければなりません。「施工」は、図面に書かれたモノをどのように作るかを計画して完成させるという仕事です。一方、「設計」は、何もないところに、何が求められていて、何に重点を置いたモノを作ればよいのか考えるという仕事です。

 

 作るモノが最初から明確になっている「施工」より、作らなければならないモノを調査・検討・計算する「設計」の方が、より高い学力的な資質(論理的思考力、計算力)が求められます。端的に学歴で示せば、最低でも土木専門学校の授業内容を完璧に理解しているレベルが求められます。

 

 そのため、現場監督を目指しながらも、将来は「設計」に関わってみたいという思いがあれば、早い段階から専門学力の習得に注力し、特に机上で身に付けられる分野はマスターしておく必要があります。それでも、設計技術者として実務を始めなければ分からないことは多いです。設計について学ぶ時間的・能力的な余地の多い30代での転職が一つの目安となります。

 

  • 現場監督経験が豊富な1級土木施工管理技士は、設計コンサルタント会社では重宝される傾向にあるが、設計はより高レベルな知識と学力が必要。

 

本記事は2016/03/03の情報で、内容は土木施工管理技士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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