会計・監査のスキルは必要最低限
多くの公認会計士は、試験に受かるための会計の知識や監査業務を行う過程で得た経験を有しています。当然、世間の人から見れば、会計・監査のスキルは、どの公認会計士も持っていると考えています。
また、公認会計士には、会計のプロフェッショナルとしての存在価値が求められます。この会計という分野は、会社の経営状況を決算書に正しく表すことが大きな目的になる分野になります。決算書が正しいか否かを判断するだけでなく、その経営が正しいか否かまで考えることが必要となります。そのため、公認会計士には、学者のような知識だけでなく、ビジネスの実態も踏まえた知見が求められます。
最低限の会計や監査の知識や経験だけでなく、公認会計士には、ビジネスを正しく理解するだけの幅広い知識・経験も求められているのです。
- 会計・監査の知識や経験だけでなく、ビジネスを理解する能力も求められる。
自分の知識・経験を伝える技術
公認会計士の仕事は、何か目に見える商品を販売するようなものではありません。これまで得た自分の知識や経験を活かして、クライアントにサービスを提供するということが公認会計士の仕事です。
商品は、目に見えない自分の知識や経験であるとも言えます。そのため、公認会計士としてクライアントから認められるためには、自分の知識や経験をクライアントに伝える必要があります。つまり、コミュニケーション能力は、かなり高い水準が求められます。
例えば、複雑な会計基準を説明する際にも、難解な専門用語をそのまま説明するのではなく、より簡単な言葉に置き換えて説明できるようにならないといけません。また、公認会計士の活躍の場は、日本に限らず世界中に広がっていますので、語学力という点も強く求められます。
公認会計士がクライアントに伝えなければいけないことの中には、耳が痛くなるような情報もあるかもしれませんし、強い反対の意思などを受ける場合もあります。しかし、そのような中でも、毅然とした態度取り、自分の意見を論理立てて説明し、自分の知識や経験で導き出した答えはクライアントにとって、プラスになるものだということを納得させなければいけません。それがプロフェッショナルの仕事です。
- プロフェッショナルの仕事を成し遂げるためには、高いコミュニケーション能力が必須。
「人と違う」という武器
公認会計士の転職では、他の公認会計士と比較されることも多いので、最低限の会計や監査の知識・経験以外に、特殊な経験を持っていることが求められます。
大規模なM&Aに関わった経験や、日本で初めて〇○したクライアントを担当した経験など、他の公認会計士が中々持っていない知識や経験が、他の公認会計士より高い評価を得るための武器となります。まだ、誰も経験したことがないような案件が目の前にあれば、自分だけしかない知識や経験という武器を得ることができるチャンスと言えます。
- 自分だけしかない知識や経験が、他の公認会計士と戦うための武器になる。
本記事は2016/02/02の情報で、内容は公認会計士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。