経営診断(コンサルティング業務)
経営診断は、クライアントが属する業界の調査や、競合他社の調査、対象顧客の調査や分析などのクライアントを取り巻く環境や対象への分析(外部環境分析)と、決算書の経営分析や、従業員へのヒアリングや業務に同行する従業員意識・業務調査などの組織内部の分析(内部環境分析)をして、クライアントの現状を把握することで浮かび上がってきた問題点を特定し、問題解決のための具体的な施策をアクションプランとして提案します。
診断士は経営に関する広い知識(経営・法務・労務・財務・IT・マーケティングなど)を求められるのでゼネラリストだと言われますが、診断士として活動している人の多くは専門性を持っています。例えば、人事・労務や、販路拡大・販売支援やシステム開発、または、製造関係だと品質管理や工程管理など、診断士になる前の職業で得た経験や知識、ノウハウを専門性としており、その専門性によりプロジェクトを組んで、クライアントに対するのが一般的です。
クライアントの現状を把握した上で、浮かび上がってきた問題点を解決していく。
講師(資格受験校やセミナー、教育研修など)
資格の受験校での講師や、商工会などが主催するセミナーに呼ばれて講演をするケースもあります。また、自分の専門性を活かして教育研修を企業に提案し、認めてもらうことで継続的なクライアントとするケースもあります。しかし講師といっても、コンサルティングの現場を経験していないと、どうしても話す内容が浅くなってしまい、継続的な依頼を獲得するのは難しくなります。
また、資格受験校での講師であっても、キーワードや概念を説明する際に、コンサルティングを経験していない人は、具体例がどうしても不十分となり、結果的に受講生からの満足度を得ることは出来ません。講師の仕事を単体で捕らえるのではなく、インプットしたコンサルティングの経験をアウトプットする場として捉えると、知識が体系化されて定着し、コンサルティングの現場でも役に立ちます。
インプットされたコンサルティングでの経験を、セミナーや研修でアウトプットする。
その他(中小企業診断協会などからの仕事の紹介)
診断士は年会費を払えば、各都道府県にある中小企業診断協会に入会することができ、その協会から仕事を斡旋してもらえるケースがあります。
仕事内容は、商工会での窓口相談やコラムの執筆依頼、小規模プロジェクトなどのスポット業務が主です。駆け出しの診断士はこれらの仕事を少しずつこなし、実績と信頼を積み上げていき、より難易度の高い仕事を斡旋してもらえるようになって行きます。
どの仕事でもそうですが、信頼関係が築けていない相手に難易度の高い仕事は振りません。そのため、このようなスポット業務を丁寧にこなすことが、即ち自分の業務の幅を広げることになります。
スポット業務では、窓口相談や執筆活動などがあり、それら業務をこなすことで実績と信頼を積み重ねられる。
本記事は2016/01/29の情報で、内容は中小企業診断士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。