CADオペレーターの転職で重要になるのが履歴書、その中でも志望動機の書き方です。ここでは実際のCADオペレーターの方が書いた履歴書の例文「事務職からCADオペレーターへの未経験転職をした際の履歴書」「ブランクを経てCADオペレーターに再就職した際の履歴書」を2つご紹介し、その中で志望動機の書き方についても紹介します。今後CADオペレーターとして転職予定の方はご参考下さい。
目次
事務職からCADオペレーターへの転職を希望する28歳のAさん(男性)
まずは一人目の履歴書の例文です。この方は、建築の専門学校で建築設計やCADオペレーションを学び、平成24年に卒業を迎え就職活動を行いましたが、当時の建築業界は就職氷河期で、建築関係での就職先が見つからず、仕方なく一般企業の事務職として就職。
現在は総務部で人事関係の事務を行っていますが、仕事へのやりがいを持てず、もう一度専門学校で学んだ技術を活かしたいと考え転職を希望。学生時代から時間があき、設計業務にはブランクがあるので、まずは得意だったCADオペレーション業務からの復職を考え、就業しながら応募。未経験転職ながら学生時代にCADオペレーションを学んだ経験がある事例です。
①免許・資格
平成24年4月 2次元CAD利用技術者試験2級取得
- 異業種からCADオペレーター業務に応募する際は、持っている関連の資格は必ずアピールしましょう。複数名の応募があった際には実務経験者と比較されると不利になりますので、保有資格を記載して少しでも採用率を上げることが大切です。
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「特技は、いろいろな建築物の写真を撮ることで、学生時代はオートバイで建築物の撮影ツーリングに出かけていました。学生時代の友人達と写真サークルを立ち上げ、展覧会などへの出品活動も行っています。またパソコンで、自身の撮影した写真の加工を行ったり、イラストを作成したりすることも好きで、毎年の季節の絵葉書や年賀状を自作しています。」
- CADオペレーターの採用で重要視されるのが、オペレーション業務に難なく取り組めるかです。パソコンの基礎知識とCADソフトウェアだけでなく、その他のソフトウェアに対しても知識があり、使いこなしているというアピールは有利になるので記載しましょう。
- 対人関係作りやコミュニケーション力もあるというアピールも、グループ作業で業務を進めるという上で重要視されます。
③志望動機(例文)
実際の文章
「建築の専門学校卒業時に就職活動を行いましたが、建築関係での就業先が見つからず、一般企業の事務職として就職しました。現在は総務部に在籍し就業中ですが、専門学校で学んでいた時の建築業務への興味を捨てきれず、再び建築関係の仕事に就きたいと就職活動を行うことを決意しました。在学中、建築設計事務所でのアルバイトの際に行っていたCADでの図面作成業務に特に関心が強かったこともあり、今回のCADオペレーター業務の求人に応募しました。建築業務についてはアルバイトしか実務経験がありませんので、まずはCAD業務に就き、自身でも一から建築知識を勉強しながら業務に取り組んでいきたいと思っています。」
- 異業種からの転職で、社会人になってからの実務経験がない場合は、正直にその経緯を志望動機の中に書くことも大切なことです。ここで自身が過大評価して記入してしまうと、就業後に「この人は使いものにならない」と思われてしまい、結果的に業務に対する意欲ややりがいを持てなくなってしまいます。ただこの人のように学生時代の就学やバイトの経験などがある場合は、その点は志望動機の中でアピールしましょう。経験は少ないが真剣さや真面目さは伝わるでしょう。
④本人希望記入欄
実際の文章
「CADオペレーター業務を希望します。残業・休日出勤等などにも対応可能です。」
- 異業種からの転職で、実務経験もない場合、複数名の応募があった際には大変不利な状況です。それを真摯に受け止め、勤務体制を就業先に合わせることが出来る点、残業や休日出勤などについて調整が可能な点をアピールすると採用率を上げることにつながります。
参考全くのCAD未経験で採用された方の体験談(1)
未経験でCADオペレーターで採用された人の就職体験談を聞きたいです。やはり予備知識がないと厳しいものですか?...
参考全くのCAD未経験で採用された方の体験談(2)
未経験でCADオペレーターに転職した人はいますか?どんな職業や業界から、どうやって転職を成功させたのか、教えてください!...
ブランクを経て再就職を希望する30歳のBさん(女性)
続いて2人目の方の履歴書の例文です。文系の4年制大学を卒業し事務職として働いてきたBさんは、結婚や出産した後も仕事に就くことを希望し、OL生活を送りながら手に職をつけるべく、夜間のCADスクールに通いオペレーションを習得。後に派遣社員として建築系のCADオペレーターとして就業しましたが、2年後に結婚し退職。出産後に家族の育児への協力が得られることになり、CADオペレーターとして再就職を希望しています。こちらは経験者の復職の事例になります。
①免許・資格
平成22年4月 2次元CAD利用技術者試験2級取得
平成23年4月 Microsoft Office Specialist Word 2010
平成23年4月 Microsoft Office Specialist Excel 2010
- CADオペレーターとして働く際に、CAD利用技術者資格だけでなく、マイクロソフト・スペシャリスト資格取得にも挑戦しているのは高評価です。ブランクがある分、CADソフトだけでなく、他のパソコンソフトに対しても知識がある点をアピールしましょう。
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参考初めての転職で資格がないことを不安に感じる人の相談
建築設備関係の会社のリフォーム部門で働いています。設計とCADオペと合わせて数名いますが、仕事内容は似たような感じなのに、お給料が全然違います。転職サイトなどを見ていると、今の時給よりももっといい会社...
②特技・趣味・得意科目など
実際の文章
「特技はパソコンでいろいろなお手紙や資料を作ることです。町内会の会議資料や会計報告書、育児サークルでは会のお便りなどを作成しています。また休職中の時間を活かして何か資格取得をしたいと考え、現在はインテリアコーディネーターの資格取得のため勉強中です。」
- CADオペレーター業務として重要視されるのが、就業後にオペレーション業務に難なく取り組めるかということ。就業に対してブランクがあっても、パソコンについてはブランクが無いということをアピールしましょう。また、就業後も新たな資格取得に挑戦しているなど、仕事に対して前向きに取り組んでいきたい気持ちを記載しましょう。
③志望動機(例文)
実際の文章
「前回の転職で事務系の仕事からCADオペレーターに転職し、建築部品メーカーでマンション用の施工図を中心に描いていました。その後、結婚退職後に出産をしブランクがありますが、家族の協力を得てこのたび再就職できることになり、再度CADオペレーターとしての就業を希望しています。与えられた仕事では、正確なデータを作成し、作業進行において確認作業を確実に行い、コツコツと真摯に取り組みたいと思います。」
- 離職・ブランクからの再就職の場合、経験の感を取り戻すのには少し時間はかかりますが、CADオペレーターとしては経験者ですので、以前就業していたスキルを活かしての就業が可能です。この点は志望動機の中でアピールしましょう。もし手元に作図データがあるようでしたら、面接時に印刷して持参しましょう。その際には個人情報等の流出に関する規定に違反しないよう、会社名や物件名、固有の商品名等は伏せてプリントアウトしたものにしましょう。また複数のプロジェクトなどに携わった経験がある場合などは、職務経歴書を作成し履歴書と一緒に提出するといいでしょう。
④本人希望記入欄
実際の文章
「CADオペレーター業務を希望します。勤務条件ですが、子供を保育園に預けて就業するため、募集要項に記載のありました、土日祝休み・残業なしという条件の範囲でしか就業が出来ません。」
- 育児しながらの就業となる場合、あらかじめ家庭の事情は担当者に説明し、理解を求めましょう。急な休みなどの可能性もあることから、周囲の理解を得られない職場の場合、長く就業することが出来ません。いいにくいことや聞きにくいことも面接時にきちんと話し合い、こちらの希望する条件を伝え、その上で採用選考を受けましょう。
本記事は2018/03/29の情報で、内容はCADオペレーターとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。