災害拠点病院での看護師の役割
災害拠点病院とは、地震や台風、火山噴火などの災害発生時に率先して災害医療を行う病院のことを指します。また、受傷者の受け入れだけでなく、医療救護班(DMAT)の派遣も災害拠点病院の役割となります。
災害発生時にはトリアージが第一選択となりますが、一般の病院で行う機会はほぼないに等しいです。しかし、災害拠点病院では災害発生時、多くの重症患者を率先して受け入れていくため、適切な判断能力と迅速な行動力が必要とされます。そのため、災害拠点病院ではDMATの育成についても力を入れている所が多く、専門の研修を行っています。救急・災害看護の分野に興味がある人は幅広い知識を学ぶことができるので最適だと言えます。
しかし、災害が起きていない時は至って普通の急性期病院と変わりありません。「よし、これから頑張るぞ」と意気込んできたのに拍子抜けしてしまった。ということもあるようです。あくまで災害が起きた時の第一選択病院であり、災害が起きた時のために知識を取り入れておくということなのです。
- 災害拠点病院は看護師としての専門性を高められる職場の1つ。
DMATの役割
DMATの主な任務は、トリアージ、応急処置、受傷者や疾病者の搬送となります。また、被災地域内における病院への支援や、災害時に一時的に設置される医療搬送拠点施設での医療行為も大きな役割となります。記憶に新しい東日本大震災では津波の被害や地震による家屋倒壊の被害があり、とれに伴い死傷者・負傷者も多く出ました。災害拠点病院の医療スタッフは避難所に入り現地での医療環境の準備を行うわけですが当然迅速な対応が求められます。一刻を争う中での看護を行うのもここで働く看護師ならではと言えるでしょう。
DMATは1チームにつき医師と看護師、業務調整員(医師・看護師以外の職種)で構成されており、DMAT隊員になるためには特別な研修を受け、試験を受けなければなりません。試験合格後も5年更新となり、5年間で2回以上研修に参加する必要があります。いわば災害看護のスペシャリストです。近年地震や台風などの被害が日本でも多くなってきているので、そういう時のためにも災害専門の看護師が多くいると心強いです。
- 災害拠点病院は看護師としての専門性を高められる職場の1つ。
本記事は2015/02/12の情報で、内容は看護師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。