看護師の転職と年齢・ブランクからの復職

職業:看護師

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 看護師は年齢を重ねても長く働くことができる資格職ですが、いざ転職となると年齢を気にする人も多いです。ここでは、看護師の転職における年齢の影響と、年齢を重ねた看護師が重宝される転職先、結婚出産などでブランクがある看護師の転職ノウハウなどを説明していきます。また、年齢別の看護師の転職例も紹介していますので、ご自身の年齢やライフステージにあわせてより良い転職先を検討してみて下さい。

 

看護師の転職は年齢が若い方が有利?

 年齢を30代半ば以降とそれより若い年齢に分類した場合に両者を比較すると、前者のほうが転職しづらい状況であると言えます。その理由の一つは、年齢上ある程度技術や知識が身についている分先輩看護師が教育しづらいという点があります。自分より上の年齢の人に教えるのは中々難しい…ということです。一番上の師長さんが自分より下ということになるとアンバランスです(実際にはたまにあるケースです)。

 

 もう一つは体力的に仕事がハードな所は若い看護師を求める傾向があるということです。若いほうが体力があるし、一から教えられるので使いやすいということです。採用側からすると若い看護師のほうが給与面も安い傾向があるのも関係しているでしょう。

 

 看護師の求人サイトの一つである「医療ワーカー」を実際に見てみると、公開・非公開求人を含めた総求人数は7万件以上ありますが、「年齢不問」でキーワード検索をすると200件程に留まります(※2018年5月14日時点の調査情報)。

 

(出典:「医療ワーカー」※2018年5月14日時点の検索結果より)

 

 もちろん年齢の記載をせず幅広く受け入れている職場も多数あるでしょう。しかし、当サイトの看護師の悩み相談掲示板を見てみると、「看護師の転職は何年目くらいか良いのか」という質問に対して「4、5年程度が丁度良い」と回答している人が多く、看護師の転職は30歳前後くらいが旬である様子がうかがえます。

 

参考ICU4年目、一般病棟への転職を考え中。看護師の転職は何年目がいい?

看護師の転職は何年目が良いのでしょうか?

4年目ナースです。今はICUで働いています。ICU勤務は楽しいのですが、一般病棟への転職を考えています。ICUで学んだことはたくさんあります。そして、まだまだ超急性期の看護を学びたい気持ちはありま...

 また、「クリニック勤務15年で次の転職先をどうすべきか。市民病院か、クリニックか?」という悩みに対しては「年齢を考えると市民病院は難しいのでは?」という回答が寄せられており、特に未経験や異分野への転職の場合、看護師といえども年齢を重ねると難しくなる傾向がありそうです。

 

参考看護師歴20年、クリニック勤務15年、転職先に関する相談

クリニック勤務15年、転職先に悩んでいます

私は看護師として働いて今年で20年目になります。現在、家の近所の消化器クリニックで働いており、現在の消化器クリニックは15年目です。今度、主人の転勤が決まりました。私も主人について引っ越しを行...

  • 30代半ばくらいまでが看護師転職マーケットでは有利。

 

年齢を重ねた看護師が転職するには?

 では年を重ねると転職できないかというとそうではないです。臨床経験や人生経験が豊富な分、求められる所もあるのです。

 

 ここで、厚生労働省による看護職員の就業状況の調査結果を確認してみましょう。「看護師の年齢別の就業場所」のデータによると、年齢が上がるにつれて病院での勤務者数が減少し、一方で診療所、介護老人保健施設の就業者数は年齢とともに増加していることが分かります。

 

(出典:厚生労働省「看護職員の需給に関する基礎資料」)

 

 また、先ほども挙げた看護師求人サイトの「医療ワーカー」で、「年齢不問」のキーワードで検索した結果を見てみると、クリニック・診療所、訪問看護ステーション、介護老人保健施設…などが多くみられます。(※2018年5月14日時点の調査情報)

 

 これらのことから、年齢を重ねた看護師に適した職場は、自身の経験や生活環境、体力などに応じて変化しており、転職の場合もそれに準ずる傾向が読み取れます。年齢を重ねた看護師の転職先や働き方として、幾つか例を挙げます。

 

訪問看護師

 ひとつは例えば訪問看護師です。患者さんの自宅を訪問し看護を行うものですが、患者さんの状態は様々なので色々な分野での臨床経験が多ければ多いほど優遇されます。技術的にもそうですが、知識的にもある程度の経験がなければ務まらないからです。

 

 

介護施設(老人ホームなど)

 老人ホームなどの介護施設でも経験者を求めています。介護職員に比較して看護師の数は少ないので何かあった時に柔軟に対応できるベテランを優遇している所が多いです。

 

夜勤専従看護師

 夜勤が大丈夫という方は夜勤専従看護師もいいかもしれません。夜勤だけとなるので生活リズムを作るのが大変かもしれませんが、給与は高いですし何より経験が役立つ勤務体系です。特に急性期病院などの病棟勤務や救急外来の看護師経験があれば尚良いでしょう。夜勤は人数が少ないですし、急変時は適切な対応をとらなければならないので病棟経験者には高待遇の所が多いです。

 

 もちろん上記以外でも、年齢を重ねた看護師の方が転職に成功した例はたくさんあります。当サイトの看護師悩み相談掲示板には、50代で転職した看護師や、30~40代で他職種から学校に通い直して看護師になった人の体験談が投稿されています。また、後述の「40代の看護師の転職例」でも事例をご紹介しています。

>>「看護師」に関するQ&A一覧はこちら

 

  • 訪問介護や老人ホーム、急性期病院の夜勤専従など、ベテラン看護師を重宝する職場も。

 

看護師の転職年齢とブランク

 

 看護師は女性が多い職業です。転職活動をする年齢によっては結婚や子育ても転職に絡んできます。例えば子育てが一段落して働きに出ようと考えたけれどブランクが長すぎて不安だ、という方も多いです。20代後半から30代の年齢の看護師さんに多い例です。

 

看護師復職支援セミナーを活用

 そんな時は看護師の復職支援セミナーを受講してみるのも1つの方法です。復職支援セミナーとは、ブランクのある方のために病院や自治体の看護協会が行っているセミナーのことです。最新の医療状況や技術の説明会だけでなく、注射やポンプの使用方法など手技の実技まで受けることができます。東京都を例にとると、1日~7日までのコースがあり、座学から医療機器を使用した実地研修、病棟実習までがプログラムとして組まれています。

 

(出典:「東京都ナースプラザ・復職支援研修のご案内」)

 

 また、横浜市では、市が助成する形で病院や施設とともに復職セミナーを実施し、1日~5日程度の日程で講義や演習、実技研修、病院見学などの内容を組んでいます。(「横浜市医療局・看護師復職支援研修情報」(※2018年5月14日時点では、参考として平成29年度の実施研修一覧が掲載)

 

 長く現場を離れているとやはり手技的な面や色々不安が出てきますが、このセミナーを受けることで自分の自信に繋がり、実際に転職活動をする際に「こういうセミナーを受けており、ブランクはありますが大丈夫です」とアピールすることもできるのです。

 

 看護師のQ&A掲示板にも、ブランク明けの復職の相談に対して「復職支援プログラムを活用するのが良い」という回答が寄せられています。

 

参考ブランク明けの看護師には復職支援プログラムの参加が有効

ブランクのある看護師でも働ける施設はどこ?

ブランクのある看護師です。看護師経験は2年しかありません。子育て中で子供が大きくなったので、8年のブランクを経て復職しようと考えています。しかし、現場から離れてかなり立っているので私の経験や知識は...

 病院でこのセミナーを開催している所は、たいてい各病院のホームページに情報が掲載されています。復職支援でもブランクの年数によって研修内容を分けていたり、未就業の就職支援セミナーも行っていたり、看護師・助産師などに分けて実施しているケースもあります。内容としては、現在の看護動向や感染対策、安全管理などの講習と、採血や吸引などの実技、病院見学などを1日で行うところが多いです。

 

 施設によってはセミナー終了後に個人面談や就職相談をしてくれる所もあるので、自分の希望する病院がセミナーを開催しているかどうか事前に調べ、積極的に参加すると良いでしょう。

 

 40代・50代などの看護師さんでも様々な理由でブランクがあいてしまった方もいるはずです。その場合も上記のようなセミナーを活かして復職を目指しましょう。

 

看護師の転職サイトで「ブランク・復職歓迎」の求人を探す

 また、看護師の転職サイトは「復職・ブランク可」の条件で求人を探せるところも多いです。「マイナビ看護師」ではブランク可の求人が6,000件以上該当しますし(※2018年5月14日時点の調査情報)、「ナース人材バンク」では、ブランクがある看護師の復職に向けた特集コンテンツが用意されています。

 

(出典:「マイナビ看護師」検索結果 ※2018年5月14日時点の調査情報)

 

 

(出典:「ナース人材バンク」)

 

 年齢を問わず、ブランクがあって復職に不安を抱えている場合は、転職サイトに登録すると、セミナー実施や手厚い研修など、ブランクを考慮してくれる施設をピックアップして紹介してもらえることもあるので、幾つか利用してみるのもお勧めです。

 

 

  • ブランク明けの場合は年齢問わず復職セミナーなども有効。

 

20代の看護師の転職例

 

大手病院から特別養護老人ホームへ (25歳 東京都在住)

女性(20代)

 大学卒業後準公務員扱いの病院へ就職。呼吸器内科の病棟へ配属されました。とにかく新人の頃から日勤帯で10時、11時の残業は当たり前。早く帰れても8時など。仕事以外にも研修や勉強会の資料作りなど、とにかくすることが多く頭がパンクしそうな状態でした。

 

 給与だけは良かったので2年勤めましたが、このままでは身体を壊すと思い退職を決意。その後特別養護老人ホームへ転職。病院と違って一人一人と向き合えますし、何より残業がないため自分の時間を作りやすく毎日が充実しています。

 

内科から美容皮膚科へ (26歳 熊本県在住)

女性(20代)

 大学卒業と同時に県の大手病院に就職。内科に配属され、全てが初めての経験の中で日々勉強する毎日を送っていました。プリセプターの方はとても気が合う人で色々相談に乗ってくれたりすることもあり、とても厳しい方でしたが不満はありませんでした。病棟内で同期の子は1人しかいませんでしたが、2人で頑張っていこうと毎日愚痴を言い合ったり一緒に勉強したりととても仲が良かったです。

 

 私の勤めていた内科は色々な疾患の方が多く、脳神経外科の患者さんなどもいたため、対応に困る事が多々ありました。急性期病棟なのに慢性期の方がほとんどで長期入院の方ばかり。認知症を患っている方も多かったため、介護をしているという感覚も強かったです。急性期でバリバリ働きたいと思っていた私にとってはそれが苦痛でたまりませんでした。

 

 そんな時に父が癌で亡くなり、病棟で同じような患者さんを看るということが耐えられなくなりました。今思えば一時的な感情だったのでしょうが、その時は本当に苦しくてたまりませんでした。そして1年半程で退職。その後全く職種の違う飲食店でのアルバイトをしていましたが、やはり看護の仕事がしたいと思い、元々美容に興味があったのもあり美容皮膚科に再就職しました。ゆったりとした環境で、病院のような忙しさがないので物足りなく感じることもありますが、日々美容のことを勉強でき、自分磨きにもなるので満足しています。

 

准看護師から正看護師へ (29歳 福岡県在住)

女性(20代)

 高校卒業後地元の准看護師の専門学校に入学。卒業後地元県内の一般病院で准看護師として働きましたが、仕事がきついわりに給与は低く、正看護師と同じ仕事をしているのに正看護師からは色々雑務を押し付けられ、病院側からも長時間の残業を強いられるという環境に耐えられず1年で退職しました。

 

 同じような一般病院に就職したもののやはり准看護師では自分の目指す看護や仕事は行えないと思い1年をまたずに退職。

 

 その後県外の病院系列にある正看護師の専門学校に入学・卒業を経て現在大学病院で勤務していますが、とてもやりがいがあり、准看護師の時より任せられることも雑務をすることも嫌と感じなくなりました。

 

30代の看護師の転職例

 

病院から高度救命救急センターへ (30歳 東京都在住)

女性(30代)

 大学卒業後、地元病院の内科病棟に5年勤務。病院自体に特に不満もありませんでしたが、救急救命の分野に以前から興味があり、3年働いたら自分の臨床経験として認めてもらえるだろうと思い、就職当初から上京を考えていました。

 

 実際に3年働きましたが、3年経つと今度はプリセプターや病院の委員会を任されたりとすべきことも多く、まだまだ経験できることがあると思い、結果として5年働くこととなりました。

 

 その後高度救急救命センターのある病院に転職し、病棟経験を経て2年後に念願の高度救急救命センターに異動となりました。搬送されてくる患者さんの状態や症状も様々であり、今までの経験や知識だけでは到底やっていけませんでした。その場で亡くなってしまう方も多く、やりきれない思いになることも多々ありますが、今はとても毎日が充実しています。ただ日々勉強の毎日で新人時代に戻ったような気持ちです。

 

外科から循環器科へ (33歳 熊本県在住)

女性(30代)

 専門学校卒業後、地元病院に就職し外科病棟配属。とにかくベッドの回転数が早く、手術が毎日何件も行われるため、忙しい日々を送っていました。急変も多く中々帰れないといった日も多かったです。

 

 外科で勤務していく内に循環器の分野に興味を持ち、循環器科で働きたいと思いましたが、その時勤務していた病院は循環器科の病棟というものがなかったため、転職を決意しました。しかし、その時は就職してわずか2年。看護師ではだいたい3年以上の臨床経験が必要と思い3年間病院に勤めました。

 

 そして循環器科が有名とされている病院へ転職。循環器科は難しいとされているだけあって、毎日勉強しながら仕事に行っては怒られ、の繰り返しでした。最初の病院よりはるかにレベルが高い病院だったために看護の質も高く、患者さんの人数も比べものになりませんでした。初めはレベルの違いに投げ出したくなることも多かったですが、きちんとした教育制度があったため相談できる方がいたというのが心強かったです。今では仕事もある程度熟せるようになり毎日楽しいけれど、日々勉強というのは変わりません。

 

様々な病院を経て精神科看護師に (36歳 福岡県在住)

女性(30代)

 大学時代から手術室にとても興味があり、私は手術室以外では働かないと思っていました。何度か転職をして、いざ卒業後手術室に配属されると人間関係のいざこざにより入職から半年足らずでうつ病を発症。その後しばらくは休職扱いとして自宅療養していましたが復帰は叶わず3か月後に退職。

 

 その次に一般病院に転職しましたが、またしても人間関係に悩みわずか半年で退職。その後大学病院の中途採用を受け小児科病棟に勤務しましたが、1年後の本採用試験で採用されず退職。

 

 一時看護の職から離れアルバイトなどをしていましたが、再度看護師として働きたいと思い精神科病院に転職。現在3年目となります。自分も精神疾患を患ったことから患者さんの気持ちに寄り添えるのではないかと思ったのがきっかけで、今はリーダーも任されるようになって毎日やりがいを感じています。

 

40代の看護師の転職例

 

病院からクリニックへ (41歳 埼玉県在住)

女性(40代)

 結婚し、子供が欲しいと考えていましたが恵まれず、36歳の時に不妊治療に専念するため、15年近く勤めていた病院を退職。その後治療に成功し、無事妊娠・出産することができました。しかし、不妊治療に今までの貯金のほとんどを使ってしまったため、出産後は1歳になる頃から保育園に預けて働かなければと思っていました。その時選んだのがクリニックです。

 

 長年大手の病院で勤めていて確かに給与は良かったけれど、それは主人と二人だったからです。子供が出来たことは私たちにとって本当に喜ばしいことだから、働かなくてはいけないけれど出来るだけ一緒にいたいという思いで夜勤・残業なしのクリニックを選びました。

 

飲食業から看護師へ (42歳 東京都在住)

女性(40代)

 高校卒業後、飲食店に就職。チーフマネージャーになるまで勤めていましたが、今の主人と結婚し寿退職。子供が小さい内は家事・育児に専念できるよう家にいて欲しいという主人の要望もあって出産後もしばらく専業主婦をしていました。2人の子供にも恵まれ、下の子供が小学校に通う頃にはだんだん手もかからなくなってきました。これから子供にもお金がかかるし、何か資格を取りたいと思い主人に相談した所、看護師はどうかと言われたのがきっかけです。

 

 主人の家系は医療関係者が多く、お姉さんも看護師をしていたため、看護師を目指そうと思ったのも理由の一つです。自分は大学に行っていないからせっかく行くなら大学に行きたいと思い、子供が寝てから猛勉強しました。その時すでに37歳。初めは自分だけ歳が上でやっていけないのではという不安もありましたが、実際に入学してみると歳の離れているのは自分だけではないし、大学は人数も多く科目も自分で選択できるため、とても過ごしやすく家事との両立もできました。

 

 その後無事国家試験にも合格し、今は子供も大きくなったため大手の病院でバリバリ働いています。

 

産婦人科から眼科へ (43歳 神奈川県在住)

女性(40代)

 専門学校を卒業し、病院に勤め始めてわずか1年で妊娠が発覚し結婚と同時に退職。その後家事・育児のために専業主婦になりました。子供が小学校に上がる頃主人がうつ病を発症。仕事が出来なくなったため会社から退職を余儀なくされました。

 

 経験もほとんどなかったため再び看護師として働けるかどうかとても不安でしたが、主人と子供のためにも自分が頑張らなければと看護師として再就職することを決意しました。

 

しかし、大手の病院で働く自信がなかったため、出産の経験があることから産婦人科を選択しました。産婦人科は出産がいつくるかわからないこともあり、かなりきつい職場ではありましたが、元々子供が好きなので頑張れました。

 

 働き始めてからしばらくして主人の体調は戻り、再び他の会社に就職することができましたが、いつ何時またうつ病を発症するかわからないというのもあって働き続けることにしました。そうしていく内にだんだんと夜勤をするのも体力的にきつくなったのもあり、子供が高校を卒業したのを期に、夜勤のない眼科へ転職しました。現在は働きやすい職場で時間通りに帰ることができ、体力的にも負担なく仕事が出来ているためとても充実しています。

 

 

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本記事は2018/05/15の情報で、内容は看護師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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