バーテンダーの労働環境の悩み
バーテンダーは、とても特殊な勤務形態で、あまり一般的でない労働環境に悩みはつきものです。
バーテンダーであれば誰もが1度は感じたであろう悩みの一つが、夜型で不規則な勤務時間です。バーは夜の17時~翌朝5時頃に営業しているものなので、基本が夜勤で夜型の生活を強いられることになります。ホテルのラウンジバーのように昼間から営業している店舗であれば、朝まで働いて2~3時間仮眠を摂り、また朝番として勤務することもザラにあります。この不規則な勤務時間に体調を崩してしまう人も少なくありません。
また、バーテンダー1人で切り盛りするような店舗では、営業前の仕込みからクローズ作業まで全てをこなすので1日14時間勤務というケースもあります。スタッフがシフト交代する店舗でも、深夜に仕事を上がってから始発までの時間を潰したり、帰宅はできずに店で仮眠をして翌勤務をこなしたりと拘束時間が長いです。
さらに、立ちっぱなしの仕事で、ビア樽や飲料ケースなど重いものを持ち運んだりと重労働なので、足や腰を悪くしてしまいヘルニアを患う人もいます。
それでも、バーテンダーの誇りをもって続けられるのは、これらの勝る魅力があるからです。
- 夜型・不規則・重労働だが、好きであれば苦にならない。常に健康管理を意識し、体力をつけておくことが大切。
バーテンダーのライフスタイルの悩み
昼夜逆転の生活を送っているとライフスタイルにも支障をきたすことがあります。
朝方に帰宅をして日中に睡眠を摂っても、人間本来のホルモンサイクルに反しているので質の悪い眠りになり、常に睡眠不足のような感覚に悩まされます。ホルモンバランスの乱れから、心の病に陥ることもあるほどです。
そして、一般人が働いていない時間に仕事をしているので、なかなか友人たちともスケジュールが合わなくなります。仕事後に仮眠を摂って友人たちと過ごし、そのまま夕方から勤務をしたり、プライベートを充実させるのも一苦労です。
また、家族がいる人にとってはすれ違いの生活になってしまいます。平日は子供たちの帰りを待たずして出勤することになり、ホテル・レストラン勤務であれば土日も出勤のなることが多く、家族との団欒の時間を確保するのが容易ではなくなるのです。
代わりに平日に休めたり、日中に時間を使えるので、外出の際も空いていますし、役所や病院をまわったり、子供の習い事や送迎などの日常でのコミュニケーションを図ることができます。
- 割り切って平日を有効に活用しよう。
バーテンダーの結婚・出産についての悩み
バーテンダーという職種は、認定資格や大会が増え対外的の好印象を与える機会が多くなった今でこそ、クリエイティビティ溢れる専門技術職という認識をもたれるようになりましたが、ほんの少し前までは「バーテン」という呼び名で軽んじられていました。
今でも年配に方には「水商売」「不安定な仕事」というイメージが強く、結婚の際に相手の両親・親族に懸念を抱かせることもあるのが現実です。人様に堂々と紹介できないような店舗では、誠意を示せません。信頼のある店舗の正社員として勤務したり、自分の仕事が誇れるということをアピールすることが大切です。
女性バーテンダーにとっての最大の悩みは、出産です。社会への女性進出が著しい昨今ですが、勤務時間の問題や重労働であるバーテンダー業においては、産後の復職率は未だにかなり低いです。育児・母親業とバーテンダーとを両立させるには、日中に営業しているホテルやレストランで時短勤務や日勤のみ等の便宜をはかってもらったり、家族の多大な協力が必要となります。
- 家族に自分の仕事が誇れるということをアピールすることが大切。
本記事は2015/12/11の情報で、内容はバーテンダーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。