酔ったゲストからのクレーム
飲食店の代表的なクレームに「オーダーしたものが遅い」「味が悪い・異物混入」「料金が高い」「サービスが悪い」等があります。バーでは、上記のクレームはもちろん、酒場ならではのクレームが起こります。
それは、酔ったゲストに絡まれることです。自分が何杯飲んだかも忘れてしまい「こんなに飲んでいない!」と会計を拒否するケースや、訳もわからずいきなり怒りだすケース、酔いとともにどんどんクレームがヒートアップするケース、などがあります。バーテンダーに対する怒りならまだしも、それがカウンターの隣のゲストに飛び火してしまうこともあります。
もちろんこちらに非があるときは、真摯な態度で謝罪をすべきですが、言われのないような絡みごとであれば時として毅然とした対応も必要になります。どうしても手に負えない場合は、ホテルであればデューティーマネージャーやクレーム担当に任せられますが、個人店であれば全てバーテンダーに委ねられるので、その対応には神経を使います。
- 酔ったゲストからの言われのないような絡みであれば、時として毅然とした対応も必要。
バーテンダーの酒場ならではの困ったこと
酒場ならではの困った事態は他にもあります。
手元が狂って粗相をするのは日常茶飯事で、悪酔いして具合が悪くなるゲストや、閉店時間を過ぎても眠りこけたまま起きないゲスト、帰り方が分からなくなってしまったり、転んだり椅子から落ちて負傷するケース、仲間同士や客同士のいざこざ、などバーテンダーに暇はありません。
こうした事態を起こさないために、ゲストに飲ませ過ぎないこともバーテンダーの役割のひとつです。チェイサーを出したり、カクテルのアルコール度数を調整したり、さりげなく諭したりして、未然に防ぐことも大切です。
- ゲストに飲ませ過ぎないこともバーテンダーの役割のひとつ。
人間の本性が垣間見える
一般的な飲食店よりもゲストとの距離が近く親密になりやすいため、バーテンダーの接客の対応を本気にしてしまい、ストーカー化してしまうゲストも稀にいます。
毎日のように来店し手紙やプレゼントを用意したり、勤務が終わるまでずっと店先で待っていたり等、そんな非日常な事態も、酒場では起こり得ます。
時にリアルな人間模様や人々に本性を垣間見ながら、人間としてもひとつ逞しく成長することができるのがバーテンダーなのです。
- ストーカー化してしまうゲストも稀にいる。
本記事は2015/12/11の情報で、内容はバーテンダーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。