飲めなくてもバーテンダーはできる
バーテンダーといえば、自身も呑兵衛であるイメージは強いですが、お酒の飲めないバーテンダーは意外といます。お酒が飲めない、もしくは弱いからといって、バーテンダーへの道を諦めることはありません。お酒が飲めることと、良いバーテンダーであることとは全く関係ないのです。
ホテルのバーでは大抵、勤務中の飲酒はできませんし、ゲストから頂戴するようなお店であっても、アルコールのさじ加減を握っているのはバーテンダー自身なので、いくらでも調節ができます。
カクテルメイクの際にも、味見をするのはほんの1滴舐める程度で、熟練のバーテンダーに至っては味見などはしません。ウイスキーやワインについても、テイスティングは口に含むだけで行いますし、こちらも熟練になれば香りだけで味の善し悪しが分かるので、飲む必要はなくなります。
アルコールのアレルギーを持っていたり、舐めたり口に含んだだけでも具合が悪くなる場合は、体のことを考えて辞めた方が良いと言えます。
- お酒の飲めないバーテンダーは意外といる。
飲まないが故に優れた味覚をもつ
日頃、お酒を飲まない人の方が、味覚や嗅覚が優れていると言われています。
カクテルは、ほんの1mlの分量が違っても味のバランスが崩れてしまうとても繊細なものです。その繊細なバランスを、お酒を飲まない人の方が敏感に感じ取ることができるのです。
また、お酒が好きでよく飲む人はどうしても好き嫌いが生じます。すると味覚も自分の趣向に偏ってしまう傾向にあるのです。客観的に判断しなくてはならない場でも自分の好みが反映されてしまい、オリジナルカクテルを作成してもいつも同じような方向性のカクテルばかりできてしまいます。
ゲストの要望に合った味わいのお酒を提供するには、優れた味覚と公平な判断が必要といえます。
- ゲストの要望に合わせるためには、優れた味覚と公平な判断が必要。
お酒を飲まないバーテンダー
お酒が「飲めない」のではなく、あえて「飲まない」バーテンダーもいます。
営業中に飲んで酔ってしまっては、繊細なカクテルを作る手元も狂います。酔ったゲストを制さなくてはならない立場のバーテンダーが酔っていては、話になりません。
また、敏感で優れた味覚を保つためにも飲酒を自制している場合もあります。煙草に関しても舌を麻痺させ味覚と嗅覚を狂わせてしまうので、一流のバーテンダーは吸いません。
- お酒を飲めないのではなく、あえて飲まないバーテンダーもいる。
本記事は2015/12/11の情報で、内容はバーテンダーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。