緊張の挨拶
添乗員としてデビューした日は、数週間の研修を終えてようやくデビューできる喜びが半分、無事に終えられるかどうか不安な気持ちが半分あります。
当日は、集合時間の40分前には到着しなければいけませんが、初日ということもあり1時間前には到着して、近くのカフェなどでバスの座席表の確認と、スケジュールの確認をします。
バスが到着すると、初めてバスのドライバーとガイドとの打ち合わせをします。そしてお客様が徐々に集まります。慣れないことばかりですが、事前に研修したことや会社の人から教えられていた通りにことが進むので大きな混乱はありません。そしてバスが出発して、いよいよマイクを持って挨拶する時間です。
バスが出発すると、添乗員は通路の真ん中に立ちマイクを持って挨拶をします。ちなみに、真ん中の通路に背もたれを出すことができるので、そこに寄りかかってバスが移動中でも挨拶できます。どの添乗員も最初の挨拶だけは緊張したと言います。面白いことに、その緊張は全てお客様にも伝わっているようで、バスの通路には興味津々なお客様の顔がならびます。
- 最初の挨拶が終われば大きな不安は和らぐ。
バスガイドの協力
添乗員が慣れていないことはバスガイドも当然分かりますので、最初から伝えておくのも1つの手です。そうすればバスガイドは色々とサポートしてくれます。
高速道路のサービスエリアに寄る際には、何分休憩して何時何分に出発するのかを添乗員が決めなければなりません。慣れていないと、予定通りの休憩時間で出発しようとしてしまいますが、サービスエリアが混んでいて、特に女性用トイレが大渋滞していると、短い休憩時間では足りません。
何も知らずに通常通りの10分ほどの休憩時間にしてしまうと、バスに戻ってこれないかトイレを諦めなければならないお客様が続出してしまいます。そのような失敗をしないよう、バスガイドがアドバイスしてくれることもあります。
- バスガイドのアドバイスは添乗員のノウハウになる。
お客様からの拍手
1日のツアーが間もなく終えようとしています。夢中になっていると時間が経つのは早いものです。バスが解散場所に近づく10分ほど前になったら添乗員は最後の挨拶をします。出発の時と同じ様に、通路の真ん中に立って挨拶をします。
お客様は年配の方が多いので、自分の子供や孫と照らし合わせて見守ってくれる方もいらっしゃって、最後の挨拶が終わると大きな拍手をいただけます。毎回最後は拍手をいただいて終わるのですが、デビューの日の拍手だけは、その後のどの拍手よりも大きく聞こえるものです。
- 一所懸命に働く姿がお客様の心を揺さぶる。
本記事は2015/12/03の情報で、内容は旅行添乗員としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。