添乗員専門の派遣会社の立上げ
旅行会社はツアーの添乗業務を派遣会社に依頼するケースが多いです。派遣会社は複数ありますので、金額や添乗員の質でどの会社に依頼するかを決めます。もし、旅行会社から仕事をもらえる確約があるのであれば、直ぐにでも独立することが可能です。しかし、その確約をもらえるようになるまでには、幾つかのプロセスを経なければなりません。
まず、添乗員としての十分な経験がなければなりません。添乗員を育てることも派遣会社の大切な仕事ですので、もし自分自身に十分な経験がなければ、人も育てられませんし、旅行会社から信頼されることもありません。
添乗員として経験を積んだら、色々な旅行会社に人脈を構築する必要があります。特に、独立する前に所属する派遣会社で営業活動をさせてもらうことがお勧めです。派遣会社の営業を経験することで、旅行会社のキーパーソンとの人脈ができるからです。添乗業務と営業の2つの仕事をこなすので、とても忙しくなることは覚悟しなければなりません。
添乗員としても、派遣会社の営業としても十分に経験ができたら、いよいよ独立を考えます。少なくても1社の旅行会社からは仕事がもらえる確約をえた上で独立します。中には、仕事をもらえるだろうと安易に考えて独立してしまう人もいます。結局は自分の仕事だけしかもらえず、添乗員をしているのと何もかわらないという人もいますので、安易な考えは禁物です。
- 結局は人間関係が独立の成否を分ける。
旅行会社の立上げ
添乗員の仕事をしていく中で様々な思いが膨らんできます。心の底からこの仕事を楽しいと思える人の中には、自分で旅行会社を立ち上げたいと考える人もいます。国内には1万近くの旅行会社がありますので、簡単に成功できる業界ではありませんが、それでも果敢にチャレンジする人がいます。
旅行会社を立ち上げるには、いくつかクリアしなければならない壁があります。
- 弁済業務保証金
何年かに一度、旅行会社が倒産してツアーが中止になり、そのお客様や関係者が誰もいなくなったオフィスの前で呆然としている光景のニュースが流れます。旅行業界ではこのような事態に対処するため、旅行会社から保証金を集めており、集めた保証金から被害にあった人たちへ弁済する仕組みがあります。
海外ツアーを扱う会社を立ち上げるには、7000万円の保証金を日本旅行業協会へ納めなければなりません。国内ツアーを扱う会社は1100万円、代理店は300万円となります。保証金は旅行会社を解散すれば戻ってくるお金ですが、資金に余裕のない創業時には高いハードルになります。
- 資格
旅行会社は、店舗に国家資格を持つ者を最低一人は置かなければなりません。海外ツアーを扱う旅行会社には、総合旅行業務取扱管理者の資格保有者が必要ですし、国内ツアーを扱う旅行会社には、総合か国内旅行業務取扱管理者の資格保有者が必要です。いずれも国家試験となり、合格率は30%程度の比較的難しい資格です。会社を立ち上げるのであれば、自分自身で資格くらいは取っておかなければなりません。
資金と資格をクリアしたら、はれて旅行会社を立ち上げることができます。後は、沢山のお客様を集めることができるかどうかが勝負の分かれ道になります。
- 旅行会社は1万社あるので、特徴のある旅行会社でなければ埋もれてしまう。
本記事は2015/12/03の情報で、内容は旅行添乗員としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。