外国人生徒に傷つけられて自信喪失
人間関係の問題はどこの職場でもあることですが、日本語教師の場合は相手が外国人ですので、予想もしていないことで問題が起きたり、相手に傷つけられたりしてしまいます。一般的に外国人は日本人より率直だと言われています。ですから、授業がつまらないときや教師の対応に不満があるときは、あからさまに態度に出したり、ひどい場合には授業をボイコットしたりして来ます。
その主張が正論ならよいのですが、中には「寝ているのを起こされた」「宿題が多くて大変」など非常に理不尽なものもあり、日本語教師自身が戸惑ったり傷ついたりすることもあります。対応に慣れない新人教師や、問題行動を起こす生徒が集まったクラスを担当しているときは、こういったことの1つ1つに神経をすり減らしてしまい、精神的に疲れて辞めたくなってしまいます。
- 生徒の理不尽な言葉や態度で、精神的に疲れてしまうことも。
精神的にも肉体的にも節制が求められる
日本語教師は一般的な事務作業とは違い、1回の授業を自らが引っ張っていかなければなりません。どんなに体調が悪くても、何か心配事を抱えていても、笑顔を作って生徒の前に立たなければなりませんから、気持ちの切り替えが非常に重要になります。
また、生徒にとって授業の1回1回が非常に大切なものですから、日本語教師の事情で簡単に穴を開けるわけにはいきません。どうしてもの場合は授業の日程を変更したり、他の先生が代行したりして対応しますが、生徒にとってこういったことは望ましいことではありません。
日本語教師は少々の体調不良で休むことはできませんので、体調管理には非常に気を使います。このように精神的にも肉体的にも強さが求められるので、もう少しプレッシャーの少ない仕事をしたいと転職を考える人もいます。
- 心身の不調を一切表に出さずに授業をしなければならず、プレッシャーの重さに苦しむ人も。
日本語教師を救ってくれるのも、また、外国人生徒
このように精神的にも肉体的にも厳しい日本語教師の仕事ですが、こういった状況でも「やっていてよかった」「これからもがんばろう」と思わせてくれるのは、やはり外国人生徒です。生徒の「先生、ありがとう」の言葉を聞けば、それだけでそれまでの苦労が報われたと感じます。日本語教師を苦しめるのが外国人生徒なら、救ってくれるのも、また、外国人生徒なのです。
本記事は2015/05/22の情報で、内容は日本語教師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。