面接と模擬授業が一般的
日本語教師の採用試験は、書類選考の後、面接と模擬授業、と進んでいくのが一般的です。面接の合格者のみに模擬授業を行う場合もありますし、1回で面接と模擬授業を終えてしまう場合もあります。他の業界のように、1次面接、2次面接、と何度も面接をすることはあまりなく、1回の面接と模擬授業で合否が決まります。面接官は、人事担当者や同僚となる日本語教師、日本語学校の場合は校長や教務主任などが務めます。
面接では内容より話し方を見られている
面接でまず聞かれるのが志望動機です。他業種からの転職の場合は、なぜ日本語教師になろうと思ったのかを詳しく聞かれます。そのほかには、どのように日本語教師の資格を取ったのかや、海外経験の有無、どのような日本語教師になりたいか、等も聞かれることが多いです。前職の仕事内容は、あまり聞かれません。
しかし、こういったやりとりより重要視されているのが、受け答えの様子です。明るく親しみやすい雰囲気を持っているか、大きな声で話すことができるか、正しい日本語を使っているか、人の話を最後まで聞けるか、等、日本語教師として必須となる能力をチェックしています。
- 明るく親しみやい雰囲気で、正しい日本語を使って受け答えができるか、日本語教師としての資質をチェックされている。
模擬授業とは
模擬授業は、面接では分からない、その人の教える能力を判断するために行います。面接官を生徒に見立てて授業を行わせることで、その教師の知識、授業の運用力、対応力等々をチェックしていきます。
模擬授業が行われる際、予め、教える内容や授業時間が指定されます。志望者は模擬授業の日までに授業の準備をして、模擬授業に臨みます。生徒役は面接官が行うことが多く、日本人の場合もあります。実際の授業をするように、説明をしたり、黒板にまとめたり、生徒を指名して答えさせたりします。面接官によっては、わざと答えを間違えたり、質問をしたりして、反応を見る場合もあります。
- 面接官が生徒役になって模擬授業を行い、教え方や知識、対応力を判断。
新人教師は真摯な取り組みが評価される
日本語教師は、学歴や職歴よりも実力が求められる職業です。どれほど経験のある日本語教師でも、模擬授業の結果が悪ければ採用されません。未経験者は不利に思われがちですが、不安に感じる必要はありません。未経験の場合は、面接官も相手が新人教師であることを考慮して判断してくれます。ポイントは「教える内容を正しく理解しているか」「きちんと準備をしているか」、そして「人柄」です。
緊張して、少々模擬授業がうまくいかなくても、きちんと準備をして臨み、一生懸命教えようとする気持ちがあれば、必ず評価してもらえます。いかに授業に真摯に取り組むことができるか、経験で劣る新人教師がアピールしたいのは、その部分です。
- 未経験者でも、きちんと事前準備を行い熱意を持って臨めば評価される。
本記事は2015/05/21の情報で、内容は日本語教師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。