管理栄養士の就職先ランキングと高給・高年収の職場

職業:管理栄養士

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管理栄養士の就職先ランキング

 管理栄養士は、栄養管理などで健康づくりをサポートし、食に携わるどの分野においても専門家になれる食のスペシャリストです。近年、管理栄養士の活躍の場が増えており、就職先も幅広くあります

 

 数ある管理栄養士の就職先の中でも、給食施設、病院や介護施設、保育園、食品メーカーなどが一般的ではありますが、その中で需要があるのはどんな就職先なのでしょうか。

 

 女子栄養大学発表の「2017年3月卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)」と、東京聖栄大学発表の「平成28年度卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)」を参考に、管理栄養士の就職先について詳しく見ていきましょう。これらのデータは管理栄養士・栄養士の就職先データではありますが、管理栄養士の就職先の目安になるでしょう。

 

女子栄養大学:2017年3月卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)

 管理栄養士・栄養士の就職先内訳割合
1位給食会社(受託)36.3%
2位病院・クリニック23%
3位保育園・福祉施設19.5%
4位公務員8.8%
5位調剤薬局・ドラッグストア9.7%
6位その他2.7%

※出典:女子栄養大学「2017年3月卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)」データを加工して作成

 

東京聖栄大学:平成28年度卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)

 管理栄養士・栄養士の就職先内訳割合
1位給食会社(受託)61.9%
2位病院8.0%
3位保育園7.9%
3位福祉施設7.9%
4位その他6.3%
5位薬局4.8%
6位公務員

3.2%

※出典:東京聖栄大学「平成28年度卒業生の就職先データ(管理栄養士・栄養士)」データを加工して作成

 

 両者ともに管理栄養士・栄養士の就職先の1位はもっともポピュラーで需要のある「給食会社(受託)」です。受託の給食会社は、病院や高齢者施設、学校や保育園、企業などから給食委託される会社で、管理栄養士はクライアント先の給食施設や食堂へ配属される形となります。献立作成から調理、食材の選定や購入、衛生管理など管理栄養士・栄養士としてバランスよく経験を積めるので管理栄養士・栄養士の就職先として人気があります

 

 同じく両者2位にランクインしている「病院・クリニック」も需要があり、医療に携わりたいと考える管理栄養士におすすめの就職先です。医療と専門知識はもちろん、医療スタッフと連携して仕事をするため、コミュニケーション能力やチームワークが求められます。

 

 

 両者3位にランクインしている「保育園・福祉施設」も需要があり人気が伺えます。まず、「保育園」は、子ども好きであったり、食育に興味を持つ管理栄養士の就職先として適しています。細やかな食物アレルギーをはじめ、栄養バランスを考えた献立作成から調理、衛生管理などが中心となり、子どもたちの健康づくりをサポートする現場に携われます。

 

 「福祉施設」は、一人一人の暮らしに寄り添いたい、食で健康にできることに魅力を感じる管理栄養士におすすめの就職先です。病院・クリニックと同様に、コミュニケーション能力やチームワークが求められる就職先です。

 

 

 その他でランクインしている「調剤薬局・ドラッグストア」でも管理栄養士・栄養士の需要があります。調剤薬局・ドラッグストアの管理栄養士・栄養士は、お客さまから栄養や児童相談などを受け、食事や生活習慣のアドバイスなどを行います。さらには、管理栄養士としての役割だけではなく、一スタッフとして、レジや商品陳列なども担当することもあります。直接、お客さまからの栄養相談などを受ける機会が多いので、人と向き合う仕事がしたいと思う管理栄養士に適している就職先でしょう。

 

 「公務員」は、狭き門ではありつつも管理栄養士に人気がある就職先です。公務員としての管理栄養士の配属先には、学校、病院、保健所や保健センター、刑務所、自衛隊などが挙げられ職場によって仕事内容も大きく異なります。また、異動や転勤も考えられますので、管理栄養士として広範な知識が求められます。募集が少ない上、採用は不定期となることも多いです。

 

参考公務員の管理栄養士のコメント

クリニック勤務から公務員栄養士になるには

クリニックで管理栄養士をしている24歳です。今の仕事は外来の栄養指導です。大学時代から、仕事が安定して結婚後も続けやすいということで公務員栄養士を目指していましたが、新卒での採用には不合格でし...

 「その他」の就職先には、健康食品メーカーやサプリメント専門店、高齢者専門の配食サービス会社などが見られ、近年の高齢化や健康志向について管理栄養士・栄養士にも、ニーズがあることがわかります。

 

どんな職場・就職先かによって仕事内容や適性はもちろん、収入も大きく変わってきますので、上記を参考にまずは管理栄養士としてどのような分野で、どのような仕事をしていきたいかということをしっかりと考えるのがよいでしょう。

 

 

参考管理栄養士にはどういう就職先があるのか?

管理栄養士の採用先と仕事内容

管理栄養士の採用先と仕事内容病院 管理栄養士と聞いて、まず始めに思い浮かべるのがこの分野ではないでしょうか。病棟巡回、外来患者の栄養相談、給食献立管理、労務管理、患...

 

管理栄養士の高給・高年収の職場

管理栄養士の年収相場はどれくらい?

 管理栄養士の給料・年収は、属する企業や職場でかなりの差があります。「リクナビNEXT」で実際の管理栄養士の求人票を調査したところ、年収相場は300万円~400万円程度となり、ごく一般的な年収ではあるのですが、スキルアップするごとに手当や昇給が望める業種でもあります。またアルバイトの場合は、時給は1500円前後という企業が多い傾向にあります。

 

 

 一例ですが、以下は「管理栄養士のリアルな給与明細調査」に掲載のある管理栄養士の方の実際の給与明細です。病院と福祉施設の厨房業務(受託)の正社員を4年程されていて、380万円程度の年収を得ています。正社員でも、アルバイト・パートでも雇用形態に関わらず、職場や仕事内容によって当然年収や時給は大きく変動します。

 

参考残業手当が13万を超えるもやや年収には不満のコメント

管理栄養士のリアルな給与明細調査!手取りや初任給は?

管理栄養士の職場は、病院、給食会社、学校、老人ホームなど様々です。年収面も職場やその企業の制度によって異なります。ここでは管理栄養士のリアルな給与明細調査の内容を公開します。

 また下記の投稿は管理栄養士の年収について質問したものですが、回答者は複数名いて「病院管理栄養士で手当込で500万程度」「保育園管理栄養士で2年目で300万程度」「給食委託会社で350万程度」などのコメントがされています。

 

参考様々な就職先の管理栄養士が実際の年収を回答

管理栄養士の年収を教えてください。一般的な企業より低いですか?

管理栄養士の職場は給料が低いと良く聞きます。今は一般企業で働いているので、400万くらいの年収ですが、転職するとやはりお給料はさがりますか?その分のやりがいがありますか?...

 

管理栄養士で高給・高年収を得るためには?

 管理栄養士は高年収ではない!と言われても、それでもやはり高給・高年収を目指したいものです。

 

 管理栄養士で高給・高年収を得られるとされる職場は、公務員をはじめ、大きな病院や介護施設、大手食品メーカーなどが挙げられます。大きな病院や介護施設などの管理栄養士の場合、勤続年数が長くなれば基本給が高くなりますし、管理職に昇給すれば役職手当が付くなど、高給・高年収を目指せますが、やはり時間がかかります。

 

 

 若いうちから管理栄養士として高給・高年収を狙えるのは、大手食品メーカーです。商品の企画開発などで、栄養や健康の専門知識を持った管理栄養士が求められています。管理栄養士は研究職、商品開発職、生産技術職など技術系で採用されるケースが多い傾向にあります。

 

 食品メーカーの管理栄養士の年収は400万円~600万円程とも言われています。もちろん、大手から中小企業などの会社の規模や、役職などの待遇や福利厚生などによっても差はあり、大手企業の方が高給・高年収となります。決算データを公開している食品メーカーをまとめた「食品メーカーの平均年収ランキング」によると、管理栄養士だけの年収ではもちろんないですが、これを見ると食品メーカーでは大手企業の方が高給・高年収の傾向があるのがわかります。

 

 このような食品メーカーなどの職場では勤続年数よりも実力によって収入が査定される傾向にあります。商品開発部門であれば、いかに会社の売り上げに貢献する商品を生み出せたか、業務を効率化できたか、などが評価の対象となります。これは基本給だけでなく、ボーナスの査定でもいえる事です。逆に言えば、管理栄養士としてせっかく転職をしたのに、これといった成果を上げられずにいると年収が上がらないことも多いです。

 

 また、食品メーカーに就職・転職するには、大卒以上の学歴が求められることが大半となり、多くの企業で導入されている採用試験に合格する必要があります。食品メーカーの技術系は競争率も高い傾向にありますので、求められる知識水準も当然高くなります。

 

参考管理栄養士Q&A「管理栄養士の資格取得者で食品メーカーへの転職は可能?」

管理栄養士の資格取得者で、食品メーカーへの転職は可能?

栄養課の短大を卒業して、2年間の実務経験を積んでから管理栄養士の試験を受けて合格しました。実験や観察などが好きな方なので、商品や食品の開発に携わりたいといつも思っていましたが、栄養士の資格のみでは就職...

 

 

 また、フリーの管理栄養士として成功している人々は、もちろんそれに見合った対価を得ています。レシピの提供、本の出版、コラムの執筆、講演会、テレビ出演など、活躍の場は様々です。ただしこれも、実力主義の世界です。この管理栄養士さんを先生として招きたい、本を書いてほしい、と思われるような実績が必要で、そこに至るまでは人並みの知識や実力では届きません。

 

 うまくいかなかった場合、高年収であるどころか、全く収入を得られない可能性もあるのです。そのリスクを覚悟してでもフリーの管理栄養士として活動していく事が出来、そして活躍の場を広げていけるのであれば、高給・高年収を目指すことが出来るでしょう。

 

 フリーの場合実際どのくらいの収入が得られるのかに関しては、依頼の内容によってケースバイケースの為一般的な金額というものがありません。案件ごとの交渉の場合もありますし、提示された金額で仕事を受けてもらえるかどうか、などという形で依頼が来ます。当然メディア露出などで稼げれば年収1000万以上の人もいます。

 

参考管理栄養士Q&A「フリーランスの管理栄養士として独立したい

フリーランスの管理栄養士として独立したい

25歳の管理栄養士です。今は保育園の栄養士として働いています。勤務体系に不満はないのですが、フリーランスの管理栄養士として独立してみたいなぁと最近考えています。けれどフリーランスになるにはどんなスキル...

 

(補足)年収以上の魅力・やりがいを感じる人も多い

 

 上述の通り、管理栄養士は、比較的高給・高年収ではないと言われていますが、それでも毎年国家試験を受験する人が後を絶たないのは、それだけではない魅力と可能性、やりがいを感じるからでしょう。

 

 管理栄養士の仕事の魅力の1つはもちろん資格職ゆえの安定性は挙げられるでしょう。給料の単価が低いとしても長期で雇用が安定するということは大きな魅力の1つです。また食に携わる仕事ということで将来いきなり資格がなくなったりしにくいというのも魅力の1つです。

 

 一方で、どんなに安定した仕事でも興味のわかない仕事をすることは苦痛を感じますし、逆に楽しいと思える仕事は給料以上の喜びを得ることが出来ます。管理栄養士は、向上心を持ち、新旧の知識を学び、経験値を積んでいくことでスキルアップできる世界です。その世界に楽しみを見出せたり、食を楽しむことが出来る人、関わる人々の「ありがとう」や「ごちそうさまでした」の言葉に喜びを感じられる人には、給料以上のやりがいを感じることができるでしょう。

 

 働き方の柔軟性も管理栄養士にはあります。例えば管理栄養士の資格を持っていれば、出産・育児後の復帰にも役立ちます。元の職場に復帰する場合もパートを見つけるという場合にも管理栄養士としての経験は重視されますし、一般的なパート給与よりも高給の仕事が得られるでしょう。こういった点も管理栄養士の仕事の魅力の1つでしょう。

 

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本記事は2018/04/16の情報で、内容は管理栄養士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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