幼稚園教諭の志望動機としては「子どもが好きだから」というものが多いですが、転職の志望動機がそれで説得力がありません。子どもが好きなことは大前提として、どのような理由で現在の幼稚園を離れ、新しい幼稚園で働きたいと思ったのかをきちんと伝える必要があります。
幼稚園教諭の志望動機の事例
- (事例1)キャリアアップのための転職
幼稚園教諭は同じ幼稚園でキャリアアップをしようと思うと、時間がかかってしまうことが多いです。というのも、年功序列で決まることが多いからです。
幼稚園の体系としては各クラスに担任がいて、その各クラスを学年でまとめる学年主任がいて、その学年主任をまとめる主任がいます。そして副園長、園長がいるというものが一般的です。園長や副園長は血縁関係であったり、大きな学園では横移動だったりするので一概には言えませんが、それ以下の学年主任、主任は経験年数の順にその役職に就くことが多いです。例えば3年目が学年主任の学年に5年目の担任がいるなどという体系はあまり考えられません。
ですから、経験年数が長い職員が多い幼稚園ほど、学年主任や主任などにキャリアアップすることは難しくなります。しかし、例えば5年経験したものの担任しかしたことない人が、他の幼稚園に転職してみると、自分より経験が浅い職員ばかりだったので、新しい幼稚園での2年目からは学年主任を任されたなどということもあります。つまり転職がキャリアアップにつながることもあるのです。
- (事例2)教育方針の相違の転職
子どもとたくさん遊びたい、このような保育をしたいといろいろな希望や夢をもって幼稚園教諭になっても、実際就職してみると思い通りに仕事ができないということがあります。
その理由としては、1つは幼稚園教諭という仕事の良い面しか知らなかったため、予想以上に大変で辛い仕事だったと感じ、上手くいかないという人がいます。毎日毎日子どもと保護者と職員と精一杯向き合い、身体を動かす仕事でなく事務的な仕事もたくさんあり、製作物もあるので持ち帰りの仕事もあるためです。ただ実はこの点は仕事に慣れていくうちに解決していくことが多いです。
しかしもう1つの理由は、同じ幼稚園で働き続けても解決することができず、転職を考えることにつながります。その理由とは「教育方針の相違」です。自分がやりたい保育は園の方針とは違うからできないもしくは止められるということがあり得るのです。この場合は仕事に慣れていくうちに解決できるものではないケースが多いので転職のきっかけになることがあります。
幼稚園にはたくさんの子どもが通園していて、その子どもを預ける保護者がいます。その保護者にとっては、どのクラスになったとしても、どの担任の先生だったとしても平等な保育をしてもらいたいという思いがやはりあります。ですから、学年でそして幼稚園で保育内容は統一する必要が出てきます。一方でこれは幼稚園教諭からすれば自分のやりたい保育ができなくなるということにつながってくるケースがあるので、転職市場で自分の共感できる教育方針の幼稚園を見つけ転職することによって、思い通り仕事ができることもあるのです。教育方針の違いは転職の理由としてはとても説得力があるということになります。
本記事は2015/05/08の情報で、内容は幼稚園教諭としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。