薬剤師の将来性

職業:薬剤師

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薬学部の就職率は高い

 薬学部の大学新卒者の就職率は高いです。薬剤師人口は地域による偏在があり、地方に行けば求人がたくさんあるということ、都市部においても調剤薬局の新規出店が多く、ドラッグストアもOTCだけでなく調剤を併設する店舗が増え、薬剤師の需要が高まったのが要因と言えます。

 

 その頃より、親が子供に付かせたい職業ランキングにおいて薬剤師が上位にランクインするようになりました。以前、薬剤師という職業は女の子だけの人気職でしたが、最近では男女を問わず人気職になりつつあります。

 

ハードルが下がった薬学部

 薬剤師が人気職となった理由は、単に就職率が高いからというわけではありません。15年前であれば、薬学部を設置している大学は国公立大学17校と私立大学に29校の計46校しか無く、単純計算では各都道府県に1つあるかないかという少なさでした。入学するための偏差値も比較的高く、簡単には入学できませんでした。

 

 2003年頃より薬科大学の新設を文部科学省が認め、九州保健福祉大学と就実大学を皮切りに数多くの薬学部が誕生しました。その結果、私立の薬科大学の数は28校増え、結果的には約2倍に膨れ上がったのです。定員も以前の約2倍近くになり、薬学部は以前より入学しやすい学部へと変化しました。

 

 もう一つの大きな変化は、2006年に薬剤師の養成課程が4年制から6年制へ変更となった点です。国公立大学は研究者養成の4年制と薬剤師養成の6年制の2つのコースに分かれ、私立大学においてはそのほとんどが薬剤師養成の6年制を採用しました。学費と修学時間が単純計算で今までの1.5倍かかるようになったことから、私立薬科大学の人気が低下し、偏差値35程度であっても入学できるような薬科大学が増えました。(一方で、国公立大学の薬学部は定員減少の要因により偏差値が維持され、大学間の格差も増加したと言われています。)

 

  • 薬学部の増加や6年制の導入により薬学部の入学のハードルは相対的に下がった。

 

ハードルが上がった薬剤師の仕事

 一方で薬剤師の業務においては、以前よりも難易度が上がり複雑化しています。特に病院の薬剤師においては、外来における抗がん剤治療の支援やフィジカルアセスメント、病棟薬剤業務といった臨床的業務を行うようになり、保険薬局の薬剤師においては患者さんのお宅に出向いて在宅における服薬管理や薬学的指導を行うようになりました。以前のように調剤や服薬指導だけを行っていた時代と比較してハードルが上がったように見えます。

 

 このような背景もあったのか、2013年度の薬剤師国家試験においては異例の状況となりました。臨床的で考察が必要とされる難問が多数設けられ、合格率が60.8%という過去に例を見ない低い結果となったのです。この原因は受験生の質の低下にもあったと言われています。つまり、薬学部への入学のハードルは低下しているのにも関わらず、薬剤師国家試験のハードルは上昇しているため、合格できる能力を持った薬学生が減ってしまったということです。

 

  • 大学の薬学部には入りやすくなったものの、学生の質の低下などもり国家試験の合格率は下がっている。

 

薬剤師の未来は明るいか?

 薬学部には入学できても薬剤師になれないという状況は、子供を薬剤師に就かせたいと考えている親にとって再考せざるを得なくなります。それにより、さらなる薬学部の人気低下を招き、さらに薬剤師の輩出が減少するという悪循環も考えられます。この流れを断ち切るには、単に就職率が高いから人気であるという現在の構図から、魅力のある仕事であるために志望者が増えるという状況に変えなくてはなりません。そのためには、薬剤師の仕事自体がさらに質が高く専門的な業務に変化していく必要があるのです。

 

 そして、一類医薬品が薬剤師による指導が実施されないまま販売されている問題や、保険薬局における薬歴未記載問題、さらには国会で医薬分業の再検討が討論されるなど、ここ数年はメディアや世論から薬剤師へのバッシングが増加しています。これは、ただ薬剤師は国民のために専門性を今以上に発揮するべきであるという批判だけではなく、本当に薬剤師にこんなに調剤報酬などの税金を投入する価値があるのかという疑問を示唆しているとも考えることができます。いずれにしても、薬剤師は国民の声に対して真摯に向き合う必要があります。

 

 「薬剤師の未来」について現状で考察するのであれば、「人材不足により転職マーケットで重宝されている」という現状はあります。しばらくはこの状況が続くと考えると、職がなくならないということになるので、未来は明るいと言えるのかもしれません。ただ上記のように薬剤師の未来が明るいと言えない要素も多く含んでいます。未来を明るくできるかどうかは、薬剤師業界のこれからの努力やに懸かっているのかもしれません。

 

本記事は2015/05/07の情報で、内容は薬剤師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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