薬剤師が研究職へ転職する方法が5分でわかる解説!

職業:薬剤師

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 薬剤師の業務として一般的に想像しやすいのは、調剤薬局勤務、ドラッグストア勤務、病院勤務などですが、実は薬自体の研究を行う「研究職」として働く人もいます。「研究職」として活躍する方法は医薬品関係会社、大学、その他メーカー(化粧品・食品等)などで実現可能ですが、ここでは薬剤師の研究職への転職事情と実際に転職する方法について詳しく解説します。

 

はじめての訪問の方へ!本文を読み進める前に!

 本文を読む前にまず薬剤師転職エージェントの登録はお済でしょうか?本文でも解説しますが薬剤師の研究職の募集はかなり少ない上に激戦です。ドラッグストアや薬局へ転職するのとは求められる情報感度の高さが違います。そこで薬剤師転職エージェントへ登録して研究職の求人情報の提供を依頼しておけば、定期的に連絡をくれるようになり、有利に転職を進められます。そして研究職への転職の場合は中小のエージェントよりも大手の方が情報量が多く有利です。まだ登録していない方は下記の大手エージェントをチェックしましょう。

 

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「研究職」として勤務する薬剤師はかなり少ない

 まずは薬剤師として研究職に就く人がいかに少ないのかというデータをご紹介します。以下は厚生労働省が2016年に実施した「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」という調査で薬剤師がどの職場にどれくらい勤務しているかを表したものです。

 

(出典:「平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況 表 1 5 施設・業務の種別にみた薬剤師数」http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/dl/gaikyo.pdf【厚生労働省】を加工して作成)

 

 上記のデータを見ると薬剤師の数が全部で約30万人いてその多くは薬局や医療施設の勤務になっています。「研究職」として該当する可能性があるのが、大学勤務が約4,500人(1.5%)、医薬品製造販売業が約30,000人(10%)、その他の業務が約6,800人(2.3%)になります。もちろんこの中の全てが「研究職」というわけではなく、例えば医薬品製造販売業(製薬会社など)では人口としては圧倒的に研究職よりもMRの方が多いわけで30,000人のうち実際に研究職に携わっている人はごくわずかと言えます。このように「研究職」として活躍するにはそもそもの雇用が少ないというのが現実です。

 

薬剤師が「研究職」として活躍できる職場

 

 上記のデータから、「研究職」として活躍できる可能性がある雇用先として、(1)「医薬品製造販売業」の中から代表して「製薬会社」、(2)大学、(3)「その他の業務」から代表して「化粧品メーカー」の3つについて詳しく紹介します。「その他の業務」の中に化学メーカーや食品メーカーの研究職などが含まれたり、他にも研究職のケースは考えられますがここでは詳細解説は割愛します。

 

研究職で働く例(1)製薬会社

 製薬会社の研究職は製薬企業の中でも地味な職種ですが、旧4年制時代の薬学部においては、製薬企業の研究職に就職するのが学内の一番のステータスだったかもしれません。現在、6年制の薬学科は創薬ではなく臨床薬剤師教育に重きを置いているため、6年制から直接研究職として就職する例は少ないです。6年制の薬学科を卒業した薬剤師が、その後に薬学系または医学系大学院の博士課程を修了したのち、薬学博士として研究職に就く場合はあります。

 

 製薬企業の研究職においては、理学部や農学部、工学部などの修士課程修了者からも多く採用しており、実際のところ薬剤師という国家資格はそこまで重視されません。つまり、薬局や病院の薬剤師から製薬企業の研究職に転職できる例はかなり少ないと言ってよいかもしれません。ただ、修士課程まで修了している薬剤師や、薬局や病院で働きながら社会人院生として薬学系大学院を修了した場合などにおいては、研究職へ転職することは決して不可能ではありません。しかしながら、大変狭い門となっています。

 

  • 製薬企業の研究職に就職するのは相応のキャリアが求められ、狭き門と言える。

 

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◯製薬会社の研究職はどんな仕事をするのか?

 

 製薬企業の研究職の業務は、前臨床段階におけるリード化合物のスクリーニングや、有機合成の知識を生かした構造の改変、実験動物を用いた薬理試験など以前から行われている一般的なものから、近年ではゲノム創薬やモノクローナル抗体の生産技術、糖鎖工学、バイオインフォマティクスなどの新しい技術を用いた研究開発なども各社で盛んに行われています。大学院時代に行っていた研究テーマの知識を生かした研究内容が与えられる場合もありますが、そうでない場合もあります。例えば、大学院で有機化合物の効率的な合成方法について研究していたとしても、実際に就職したら合成部門ではなく薬理部門に配属されたというケースなどはあります。

 

 どんなテーマに対して仕事をする場合でも研究職に一番必要とされるのは、現状を打破する姿勢でしょう。新薬の創出は今までになかった薬を作り出す作業です。大学院までに習得した技術や知識だけに満足するのではなく、貪欲に新しい技術や知識を取り入れていく柔軟な姿勢が必要とされます。また、研究内容を与えられたあとは、自分でプロトコールを組んで実験を行う必要があり、スケジュール管理がきちんとできることが必須条件とされます。業務時間においては、実験のスケジュール管理を自分で行う場合が多いため、比較的自分のペースを守って仕事ができます。

 

 

 製薬企業の研究職として転職した場合、年収相場は採用先によって割と開きがあります。この理由は企業規模の大小によるということもありますが、年功序列の内資企業と成果主義の外資企業では報酬に対する意識が異なるということも影響しています。

 

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研究職で働く例(2)大学

 大学で勤務する薬剤師資格保有者は約4,500人(薬剤師全体の約1.5%)です。薬剤師資格を活かして大学で研究職として働く人はかなりの少数派であるのが現状です。上述の製薬会社の研究職と大学の研究職で一番大きな違いは民間企業なのかそうでないのかということです。大学は営利団体ではなく、明確な仕事の期限が設定されにくい傾向にあり、未知のジャンルの研究や原理の解明を比較的長期スパンで行うことができます。ただ研究費予算を獲得するためには定期的に成果(論文など)を公表する必要があり、学会などへの参加も必要です。

 

 大学で研究職をするのであれば学生への指導を行うことになります。現在の6年制の薬科大学は臨床薬剤師を育成するという大義名分があるため、臨床現場の薬剤師を教員として迎え入れることは非常に理に適っています。臨床研究に携わり学会発表を積極的に行いながらも、病院や薬局などの現場業務を熟知しており、それを学生に教えることのできる熱意を持った薬剤師であれば大学勤務は適任といえるのかもしれません。修士卒や博士卒が優先的に受け入れられている傾向にありますが、中には学部卒で助手として採用されてから修士課程や博士課程の学位を取る人もいるようです。

 

◯大学勤務の薬剤師への転職チャネルは?

 

 大学の教員の求人は薬剤師の転職サイトのみならず、市中にその情報が出回ることはほぼありません。従って、優秀な卒業生に白羽の矢が立つ場合、学部長や教授などから直接声がかかります。ですが、大学で働きたいと考える薬剤師に自分から採用を申し出るチャンスが全くないわけではありません。例えば、出身大学であれば恩師の伝手という方法も期待できますし、実務実習指導薬剤師の資格があり実務実習で学生の指導を行っているのであれば、薬科大学の教授と連絡を取り合う機会も多いでしょうから、それなりのチャンスはあるはずです。

 

 実は、2003年以降、私立の新設薬科大学が大幅に増加した結果、一部の大学では教員不足に陥りました。実際に、新設薬科大学の教授や准教授は、大学病院や大規模病院の薬剤部長や副薬剤部長の引き抜きを行ったり、既存の国公立大学の准教授や講師などを抜擢したりして充足させてきました。それで、その下に就く助教や助手については、その大学の卒業生や、他の大学の博士課程在籍者や修了者(いわゆるポスドク)を引き抜いて雇用するパターンが一昔前より増えている傾向にはあるので、大学への入りやすさは多少上がっていると言えるかもしれません。

 

 

研究職で働く例(3)化粧品メーカー

 薬剤師がメーカーで研究職を行う場合には、化学メーカーや食品メーカー、化粧品メーカーなどが採用先として挙げられます。これらの職種は薬剤師必須の仕事ではないですし、むしろ薬剤師資格保有者は少なく、理系出身の薬剤師以外の採用者と働くことも多いです。ここではメーカーの一例として化粧品メーカーについて解説します。薬学部出身者のうち、とりわけ女性においては化粧品関係の会社に就職したいという方が結構います。日頃自分で馴染みのある商品ゆえに志望動機になりやすいのかもしれません。

 

 化粧品は医薬品と比べると研究期間が短く、研究にかけられる費用も少ないために、研究職の配置も抑えられている傾向にあります。また、薬科大学で学ぶような薬理学や薬物動態学よりも、工学系や理学系で学ぶような有機化学や物性化学、物理化学などの学問が重視されるために、薬学出身者が占める割合は意外と少ないです。これを言い換えると、化粧品の研究開発においては医薬品以上に狭い門であるにも関わらず、薬剤師であったり薬学出身であるということがそこまでアドバンテージとして働かないということになります。むしろ工学系や理学系、農学系の修士課程卒業者の方が優遇される場合が多いようです。

 

  • 女性薬剤師で化粧品メーカーの研究者希望はある程度多いが非常に狭き門。薬剤師資格も圧倒的に有利にはならない。

 

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◯化粧品関係で薬剤師ができる業務は?

 

 化粧品会社に就職した薬学出身者が任される仕事としては、研究職だけでなく品質管理職、薬事関係職になどがあります。

 

 研究職においては、化粧品などに用いられる界面活性剤などの成分や粒子径などに関わる研究や、皮膚への適応試験を行い、マイクロスコープや血流計などを用いてどのような作用があるかを調べます。場合によっては、皮膚科医と協働で製品評価を行うこともあります。品質管理においては工場における化粧品の製造ラインがGMPなどの標準的な手順に則ったものかどうかをチェックします。最近では、化粧品に遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジー技術や、分子工学を応用したナノテクノロジー技術を活用して製品開発をする企業も多くなっています。薬学だけでなく、これらの応用工学や農学にも精通している必要があります。

 

 薬事においては、化粧品製造販売業は薬事法にのっとって営まなければならないため、化粧品メーカーの薬事担当は広く深く重要な役割を担うことになります。製造販売届やクレームなどの記録、回収などの何か問題が発生した場合は、各都道府県に設置された薬務課とのやり取りが頻繁に発生しますし、広告類の適切不適切のチェックなどと商品そのものだけでなく、取り巻くすべての業務に関わります。適性に関して言えば、製造販売届の作成や医薬部外品の申請など、行政とのやり取りも多く、クレームなどの記録も常にありますので、資料作成、管理などこまめに行えることが必要となってきます。広告物の表現に関するチェックなどに加え、薬事法以外の表示法などの法律にかかわることも多いので、やはり過去の薬事関係の仕事の経験が求められます。

 

 

薬剤師が「研究職」として転職する方法は?

 

 上記の通り、研究職に特化した薬剤師の仕事の解説を行ってきましたが、最後に、薬剤師が「研究職」として転職する方法について解説します。

 

 まず、医薬品会社やメーカーの研究職の経験者が同業他社へ転職したいケース、例えば製薬会社A社の研究職から製薬会社B社の研究職の研究職へ転職したいような事例です。以下の相談のような事例です。

 

参考中堅製薬会社勤務から他社へ転職したい20代男性の相談

中堅製薬会社勤務、他社の研究職に転職希望

製薬会社の研究職に転職希望なのですが、転職自体が初めてなので、ご助言を頂きたいです。現在は中堅製薬会社勤務、大卒20代男。宜しくお願いします。...

参考残業がきつくて他製薬会社の研究職へ転職したい24歳男性の相談

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 このようなケースでは自分のキャリアで採用してくれる同業他社へエントリーを行う、条件のいい求人が出るのを待つ、情報収集を行うなどの行動が必要になります。つまり転職エージェントの利用が有効になるケースです。ですが研究職は求人自体はかなり少ないので長期戦になることも覚悟は必要です。

 

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 そして次に未経験(例えば調剤勤務・ドラッグストア勤務・病院勤務など)から研究職へ転身したい場合です。すでに解説した通り医薬品会社や各種メーカーの研究職の薬剤師の求人は狭き門です。求人が出回ること自体、調剤薬局や病院・ドラッグストアに比べると圧倒的に少ないですし、出回ったとしても相応のキャリアが求められることが多いです。では未経験から研究職へのチャレンジは100%難しいかと言えば、まだ諦めるのは早いかもしれません。昨今薬剤師業界では、臨床薬剤師を育成するという大義名分があり、研究職でも臨床の現場経験の多い人を採用していこうとう流れがあります。そういう意味で一定数の未経験枠が出ることも考えられます。そういう意味では上記のようなエージェントに一度相談するのも手でしょう。

 

 最後に大学の研究職についてです。大学教員の採用でも昨今「実務家教員」という言葉があり、研究だけに没頭してきた薬剤師ではなく、病院や薬局などの現場で仕事してきた人を受け入れようという流れはあります。なので研究職未経験でも100%無理とは言えません。ただこちらに関してはエージェント経由での入職は不可能なので上記で説明した通り、学校時代の伝手などをたどる他ありません。

 

 

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本記事は2018/07/19の情報で、内容は薬剤師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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