外資系航空会社の客室乗務員の学歴
基本的には高卒でも客室乗務員になれますが、アジアを中心に高学歴の人が応募する傾向があります。例えばシンガポールでは、日本の東京大学に相当するシンガポール大学を卒業した人が客室乗務員になることがあります。香港でも同じ傾向があります。面接でも学歴社会に揉まれてきたタフネスを求められることがあります。
中東のエアラインでは、語学力があれば学歴は求められません。何らかの事情で日本での生活を送ってこなかった人や帰国子女が合格するケースが多いです。もちろん日本の大学や専門学校を卒業して採用された人もいますが、面接で自分の意見を英語で発言できない人は不合格になります。
日本の短大、大学、大学院で英語を専攻して学んでいても、ディベートができる会話力がないと落ちてしまいます。結果的には海外の高校、大学を出ている方が有利です。また、外資系企業はM&Aなども多く突然リストラされることもありますので、次の仕事のためにも大学は出ておいた方が無難です。
- アジアでは若干学歴重視の傾向があるが、中東エアラインの場合は語学力があれば学歴は問われない。いずれにせよディベートができるレベルの英語力が必要。
日系航空会社の客室乗務員の学歴
現在、日系の航空会社では大学卒の客室乗務員が80%ほどです。少し前までは、乗客である日本のビジネスマンが女性客室乗務員に若さを求めていたため、少しでも年齢が若い短大卒業者が新卒の50%を超えていました。しかし、筆記試験で判断される知的レベルにおいて、大卒者の方が短大卒者よりも優れているため、最近では高学歴の人が採用されています。
また、主に理系の大学院まで進んだ女性は、客室乗務員のスタート時期としては遅すぎるとされていましたが、最近ではそのような考えは撤廃されています。企業側としても、機内でビジネスマンと高レベルな話題の会話ができることは、他社との差別化の柱になると捉えているためです。また、キャリア構築として、チーフパーサー、マネージャー、そして研修や採用担当と進む場合、地上職員と伍していくためには学歴は必要です。
- 求められる資質として知性の比重が高くなってきており、高学歴の人が増えている。
LCCの客室乗務員の学歴
LCCの場合、通常は高卒でも採用されます。募集要項にはTOEIC600点以上と書かれていることもありますが、それ以下でも書類を出せば通過してしまうこともあります。ただし、競争は非常に厳しいので、素晴らしい学歴が履歴書に書かれていれば、アピールの材料にはなります。
同時に、不必要に高い学歴はチームワークで動くLCCの客室乗務員にはハンデにもなります。オーバー・クオリファイドという理由で不合格になった人も少なくありません。
- 基本的に学歴は不問。高学歴はアピールポイントにもなるが、チームプレイが求められるLCCではマイナスににもなりかねない。
本記事は2015/11/19の情報で、内容は客室乗務員(CA)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。