大工に人気の二級建築士と木造建築士
建築士の資格ができたのは戦後間もない頃です。日本の資格の多くは戦後にできたものばかりなので、建築士だけが特別なものではないのですが、医師や弁護士資格は戦前からあることに比べたら、建築士の資格制度は遅かったようです。
昔は多くの建物が木造であったために、建築士資格が制度化されるまでは、設計から施工まで大工が行ってきていました。今でも戸建住宅などは工務店や大工が作ることが多く、大工の中には建築士資格を持つ人もたくさんいます。
今では一定規模以上の建物の設計を行なう場合、建築士資格が必要になりますが、二級建築士と木造建築士の資格は大工に人気となっています。
今では木造建築士の資格取得が多い
建築士資格の中でも二級建築士や木造建築士の資格は大工が取得することが多く、今では後からできた木造建築士を取得することが多くなっています。元々大工が取る資格は二級建築士が多かったのですが、時代のニーズに合わせて木造建築士が登場するようになってからは、大工の間では木造建築士の取得がメインとなっています。
工務店などで働く大工においては、大工工事において主任技術者を置く必要があります。この場合、技能士や施工管理技術者が主任技術者として置かれることが多くありますが、これらの資格では、一定規模以上の設計ができないので、大工でも設計ができて現場の主任技術者となることができる建築士を必要としています。
そのことから、建築士資格を持つ大工は工務店や住宅メーカーでも求められるようになっており、需要が高まっています。
比較的高い大工の収入について
建築士資格を持つ大工は多くいますが、建築士としての業務ではなく、大工工事を行なう人がほとんどです。大工は工務店や住宅メーカーに勤務しているケースの他にも、個人で大工を行なう人も多くなっています。
大工の1日の報酬は、地域や会社、扱うものによって異なるようですが、安いところでは12,000円ぐらいで、高いところでは20,000円というケースもあります。
大工の報酬額は、経験や能力はもちろんのこと、需用と供給によっても差が出てきます。仕事が少ないところでは賃金は安く、逆に人材不足のところでは報酬が高めです。大工の場合、ニーズの高い所では転職しやすく、建築士資格を持つ大工では、さらに高い給料が期待できます。
本記事は2015/10/30の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。