設備の専門家として活躍できる「設備設計一級建築士」
設備設計一級建築士の資格は、一級建築士資格保有者が設備設計に関して5年以上の経験がないと資格を取得することができません。一級建築士なら、誰でも設備設計ができるようなことではなくなったことから、マンションの耐震偽装事件を原因とした新資格の登場は、設備設計においてより専門性が高まった証と言えるでしょう。
建築物の設備には、給排水、電気、空調、消防設備など、様々なものがあります。設備設計一級建築士は、建築設備の専門家として設備の設計を確認する建築士として活躍しています。日本の建築物は昔に比べて規模の大きなものが増えてきており、高層マンションや大規模で複雑な建築物を扱うようになっています。
そのことから、設備においてもより専門的な知識を必要とするようになっています。階数3以上で5000㎡を超える建築物では、設備設計一級建築士でないと設計できないことから、設備設計一級建築士の必要性が高まっています。
設備設計一級建築士のニーズは高まっている
設備設計一級建築士は、設計を行なったり、設備関係規定に適合するのかどうかといった事についての確認を業務とします。この点においてが、従来からあった建築設備士との大きな違いです。建築設備士は建築士から求めがあった場合にアドバイスができるといった規定にあるものですが、設備設計一級建築士の場合は、一定規模以上の建築物の設計を行うことにおいて関与しなければならない資格として位置付けられています。そのため、今後規模の大きな建築物の設計が多くなると予想される日本において、設備設計一級建築士はさらに必要になってくると言えます。
このように法整備によってできた設備設計一級建築士は、比較的に複雑で規模の大きな建物を設計する設計事務所やコンサルタント会社などからのニーズが高まるようになっています。特に公共建築物の設計では、専門知識を持つ設備設計一級建築士の必要性は高く、建築設計における意匠設計などに合った設備計画が行えることから、実務経験が豊富な設備設計一級建築士が求められているといった現状となっています。
一級建築士よりも高い収入が期待できる
一級建築士として実務を積んで設備設計一級建築士となった場合、設備設計のニーズの高い設計事務所やコンサルタントに勤めることが多くなっています。
設備設計一級建築士の年収は技術面において個人差があり、400万円~800万円ほどと言われていますが一級建築士として勤務した場合よりも100万円以上の年収増加が見られます。
本記事は2015/10/28の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。