工務店などで需要が多い木造建築士資格
建築士資格を持つ人は非常に多くいます。建築士制度が始まってから現在まで、建築士合格数は約110万人と言われています。この中には、木造建築士もいますが、試験開始以来、合格者は17,000人ほどと少ないことが特徴です。木造建築士は、伝統的な建築文化を残す目的で作られました。本来、工務店や大工のために作った資格は二級建築士でしたが、時代が変り、二級建築士資格の性格が変わるようになったため、取得が容易な木造建築士資格が登場したと言ってよいでしょう。
木造住宅なら建築士でなくても100㎡まで設計ができますが、100㎡を超える木造住宅を建設する場合には、木造建築士などの資格が必要です。木造建築士の資格では、木造建築について300㎡まで設計や工事監理ができるので、主に工務店が扱っている建物の範囲では十分対応できる資格とされています。
木造建築士は、まだ受験者が少なく知名度についてもあまり高くはないですが、近年は、住宅を中心に仕事をする人の中では木造建築士を受験する人が目立つようになってきています。実際に受験者は年々多くなっており、業者などからは木造建築士に対するニーズが高まるようになっています。
この資格は工務店や大工にとって必要不可欠な資格として需要が高まっています。中には木造建築士を取得してから、設計事務所や工務店、住宅メーカーなどに転職を行なうという人も見られるようになっています。
リフォーム業界でも求められている
最近では、リフォーム業界でも構造を変えるような大掛かりなリフォーム工事が多くなっていることから、このような業界でも建築士資格が必要とされるようになっています。木造建築士は、リフォーム業界でも活躍できる資格として認知されるようになりつつあります。
木造建築士の平均年収について
木造建築士の場合、職種によって勤務時間や収入が異なっていることが特徴です。
例えば、設計事務所では、木造住宅を担当することになりますが、住宅を設計する設計事務所は地方に多く、担当する業務も工務店から依頼を受けて建築申請書類を作成したり、住宅を設計することが多くなります。そのことから、小規模の事務所では、意匠設計から設備設計まで総合的な設計を行なう大手の設計事務所に比べると、決して高い給与ではありません。
また、木造建築士の活躍の場として工務店などがありますが、工務店では大工が木造建築士資格を持つと比較的高い給与が期待できるようになります。このように木造建築士の場合、業務内容や職務によって給与が大きく異なることが特徴となっています。
本記事は2015/10/28の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。