地域に根差した身近な存在である「工務店」
地域に貢献する工務店は、住宅を建てるだけでなく、メンテナンスやリフォームも気軽に頼めることから今でも人気となっています。また、伝統的な日本の技術を伝える役割を果たしてきたのも工務店であり、今後も地域にとって必要不可欠な存在となっていくでしょう。
たとえば、住宅メーカーが扱わない伝統的な様式や工法によって住宅をつくるもの工務店であり、工務店ならではの役割を果たすものとなっています。このように、工務店では、何代にもわたって日本の伝統的な住宅や在来工法による注文住宅づくりを継承しています。
最近は建築や建築士に関する法改正がたびたび行われるようになり、法で定めた設計や工事監理、確認申請などを自社で行なうために建築士を募集する工務店が多くなっています。また、工務店を続けるために後継者を求めているところが増えていることからも、建築士のニーズが高まるようになっています。
工務店で働く建築士について
法改正によって、建物の規模に応じて設計、工事監理の仕事を行なう一級建築士、二級建築士、木造建築士のほか、構造設計一級建築士や設備設計一級建築士、管理建築士といった建築士資格が増えました。このうち、住宅の設計や工事監理を行なう建築士は、主に二級建築士、木造建築士とされています。もちろん、一級建築士でもできますが、住宅になじみない人が多いことから、住宅設計を目的につくった二級建築士、木造建築士が主流といってよいでしょう。工務店で必要としている建築士は、これらの資格者で、建築士がいる工務店では、自社で設計から施工まで行えるようになります。
工務店で働く建築士は、住宅の設計や工事監理に従事することが多く、工務店が苦手としている確認申請などを担当することが多くなります。また、直接現場に出て施工管理や現場監督も行うようにもなります。このように工務店で働く建築士は設計から施工まで一通りの仕事をこなすようになることが多くなっています。そこで、工務店で求められる建築士についても、技術者としていろいろな経験のある人が求められていることが特徴となっています。
工務店勤務の建築士の勤務時間と平均収入
工務店で働く建築士は主に木造住宅を扱い、現場での業務が多くなります。平日の出勤ということが多く、残業を行なうということは少ないようです。ただし、建築士として設計に携わる場合には残業が多くなることもあります。
建築士が工務店で働く場合の給料は、建築士の平均年収に近く、500万円前後と言われています。これは小規模の設計事務所に勤務するよりも高いことが特徴となっています。一般的には、工務店で働く建築士の収入についてはやや満足できるものとなっているようです。そのため、工務店勤務に関心をもつ建築士も増えてきているようです。
本記事は2015/10/23の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。