業種や職種によって建築士としての求められる適性は異なる
建築士の資格を持つ人は、働きながら建築士を取得したという人がほとんどです。これは、建築士が一定の実務経験を経てから受験資格が得られる資格であることが関係しています。そのことから、新たに建築士資格の取得後は、今の職場よりももっと条件の良い職場に転職できる機会が得られるようになることから、転職を考えるという人が多くなっています。
例えば、建設会社などに勤めている場合、建築士資格を取得したことから、設計業務が行えるようになったので設計事務所などに転職を希望する人が多く見られます。設計事務所は法で定めた建築士として仕事ができる場所であることから人気がありますが、建築士としては業界ではややハードルが高い職種とされています。その理由は、設計事務所では、建築士としての知識でなく、設計者としての素質やセンスなどが求められているからとされています。そのことから、建築士なら誰でも採用されるというわけではないのです。
多くの設計事務所では中途採用も行なっていますが、設計事務所に転職を考える人の場合、建設会社などの勤めてきた感覚とはやや違うということに注意しなければなりません。逆に設計を行ってきた人の場合、現場経験が少ないだけでなく、設計業務とは違った独特の職場環境になかなかなれないということがよく見られます。
このように建築士の転職では求める業種や職種の違いによって、適正があることが事実となっています。中途採用探しでは、建築士の仕事であっても適正があることを理解しておくことが必要です。
職場によって必要な建築士資格も異なる
また、中途採用探しでは、転職を希望する会社が扱っている業務についても確認する必要があります。基本的には、意匠設計、設備設計、構造設計、インテリア設計など、扱うものによって必要となる建築士資格が異なっています。
一級建築士や二級建築士なら意匠設計やインテリア設計を行なうことができるので、このような会社に転職はできますが、構造設計や設備設計を行う業務であると、設備設計一級建築士、構造設計一級建築士の資格が必要となります。
自分の実務経験にあった職場を探す
中途採用での職探しでは、建築士としてどのような実務経験があるのかについて求められるようになります。建築業界は資格をもつだけでなく、どのようなところで、どのような経験を行なってきたのかということが重要となります。そのことから、転職先で求められている技術やスキルについて確認する必要があるでしょう。
建築士の実務は一定ではありません。例えば、設計・施工管理・住宅メーカーなどで働いてきた建築士はさまざまな実務経験をもっています。建築士の中途採用探しでは、求人の内容が自分の経験や実務に合うかどうかについて気をつける必要があります。
本記事は2015/10/16の情報で、内容は建築士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。