採用先別の着付け師の求人事情

職業:着付け師

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美容院の着付け師の求人

美容院の着付け師の求人・採用事情

 美容院でも着付け師(バイト)を募集していることはありますが、ハイシーズンである11月(七五三、成人式前撮りなど)、1月(成人式、初詣出など)、2月から3月(卒業式)に集中することが多いです。それ以外のシーズンで着付け師が必要な場合は、着付け師を派遣してくれる場所に依頼して、都度着付け師を派遣してもらっています。

 

 美容院専属の着付け師というのもいないわけではありませんが、ハイシーズン以外の時期では着付け師としての仕事はほとんどないため、美容院側としても専属で着付け師を雇っている意味があまりありません。そのため、既にいるヘアスタイリストの中から着付け資格を取ってもらって、専属の着付け師としても勤めてもらっているところが多いのです。着付け資格があれば給料が上がるという理由から、美容師の着付け資格取得率が上がっているのも事実です。

 

美容院の着付け師に応募するのに必要な資格は?

 美容院の求人情報を見ていると、「着付け師」の求人をしているところはほとんどありません。「美容師兼着付け師募集」だったり、「メイクアップと着付けが出来る人募集」だったりというものがほとんどで、「着付け師」だけを募集しているところはまず無いというのが現状です。

 

 そのため、美容院で本採用してもらうためには、美容院の主たる仕事が出来なくてはいけません。それは、美容師、ヘアスタイリストとしての仕事やメイクアップアーティストとしての仕事、ネイリストとしての仕事などになります。こういった仕事には資格が付きものなので、美容師資格、ネイリスト資格、メイクアップアーティストの資格などは取得しておいた方が本採用に繋がります。仮に資格が取得出来ていなかったとしても、勉強中だったり、これから資格を取得する予定であったりということであれば、採用面接の際にも考慮に入れてもらうことが出来ます。

 

 しかし、着付け技術と同様、ヘアスタイリストの仕事やメイクアップアーティストの仕事というのは、得意不得意、向き不向きがあります。着付けに特化した仕事だけを行いたいというのであれば、ハイシーズンに美容院のアルバイト募集広告をチェックしたり、インターネット上の着付け師募集情報に目を光らせ、適宜応募するのが望ましいです。

 

フリーでの活動も視野に入れる

 フリーの着付け師として活動する場合、最初に訪れる場所は美容院が多いです。ハイシーズンには必ずその美容院の着付けを担当するというのを数年続けるうちに、美容院の専属着付け師になれたという人もいます。美容院で着付けの仕事をしたいという人は、フリーでの活動も念頭に置いておくと良いです。

 

結婚式場・ブライダルの着付け師の求人

結婚式場・ブライダル施設の着付け師の求人・採用事情

 着付け師を募集しているところには、結婚式場やブライダル施設、冠婚葬祭施設などがあります。ここでは文字通り「着付け師の仕事」が出来る人を募集しているのですが、最近では、同時にヘアメイクも出来る人を優先的に採用している傾向が見られます。

 

 結婚式場やブライダル施設での着付け仕事は、花嫁着付け以外にも、参列者の着付け(振り袖、留袖、訪問着など)が含まれます。仮に、花嫁着付けが出来なかったとしてもアシスタント業務などもあります。着付けアシスタントとして一流着付け師の下に付きながら実務経験を積んだ後に、その結婚式場やブライダル施設の一人前の着付け師として本格的に仕事をするという人も少なくないので、将来、ブライダル関係の着付け仕事をやっていきたいと考えているのであれば、結婚式場やブライダル施設の着付けアシスタント業務に応募してみるのも手です。

 

資格保有者優遇?未経験者は応募資格なし?

 ブライダル関係のところに着付け師(正社員)として就職するためには、かなりの着付け技術が必要とされます。最難関と言われる花嫁着付けの資格があれば採用にかなり優位になるでしょう。しかし、花嫁着付けの資格を保持していなかったとしても、実務経験の長さ、その他の保有資格で十分対抗出来ます。しかしながら、着付け教室を卒業したての実務未経験者や実務経験も乏しく、かつ資格を何も保持していない人は採用基準を満たさない場合があるので、注意が必要です。

 

 それでも着付けの仕事に携わりたいというのであれば、前述のとおり、着付けアシスタント業務に応募してみましょう。着付けアシスタント業務は、往年の着付け師の仕事の手伝いをしながら、着付け師としての経験を積んでいくものになります。着付け仕事の手助けをする中で様々な知識と技術を身に付け、ゆくゆくは一着付け師として仕事が出来るようになることを目的としたポジションなのです。

 

 着付けアシスタントの仕事は、未経験でも応募可能ですし、着付け技術が乏しくても大丈夫です。先輩着付け師の仕事のアシスタントをする中で、着付け技術を身に付けていきます。時折開催される研修でも着付け勉強をする機会が与えられます。着付け師としてすぐに独立してフリーで頑張りたいというのでなければ、一度着付け師としての修業を現場で先輩着付け師から受けるというのも重要な経験になってきます。着付けアシスタント業務は、十分な経験を積みたい人、まだまだ勉強不足と感じる人、正社員の着付け師として働きたいという人に向いた職業です。

 

写真館・呉服店の着付け師の求人

写真館の着付け師の求人・採用事情

 写真館での着付け師の求人は、「着付け師」だけの求人はありません。必ず、「ヘアメイク」とセットの仕事となっています。仮に着付けが出来なかったとしても、研修の中で教わることが出来るため、写真館で働く着付け師の多くは資格未保持の人が多いです。

 

 写真館で貸し出されるレンタル着物は、普通の着物とはやや異なり、着せやすく工夫がされた簡易着物になっている場合も多いのです。もちろん、中には本着物を持参される方もいらっしゃるので、そうした時には着付け師の出番ということになりますが、その機会が多いかどうかは、面接時に質問し、確認しておく必要があります。しっかりとした着付けの仕事を写真館でしたいというのであれば、老舗の写真館や超有名写真館の採用情報を確認しましょう。チェーンの写真館では簡易着物の着付けがほとんどであるということは念頭に入れた上で求人情報を見るようにして下さい。

 

呉服店の着付け師の求人・採用事情

 呉服店では、着付けスキルが求められますが、最初から求められるものではありません。大手呉服店で仕事をするには、正社員、もしくは契約社員として採用される必要があります。つまり、「着付け師」として採用されるのではなく、「スタッフ」として採用されることになります。

 

 仕事も着付け仕事だけをすれば良いわけではなく、接客、営業、販売、事務といった、呉服店スタッフの要の仕事をこなさくてはなりません。むしろ着付けのスキルは問われず、研修の中で着付け技術も身に付けてもらえれば良いというのが採用側のスタンスです。着付け技術よりも、接客スキルや営業スキルが高い人物を採用します。バイトにしろ正社員にしろ、営業や販売、接客業に携わったことのある人物であれば、採用される可能性が高いです。更に着物の知識を持っているというのであれば、尚採用される可能性が高まります。

 

未経験でも大丈夫、資格保有者は仕事内容の確認を

 先にも述べたように、チェーンの写真館や呉服店では、着付けの資格、実務経験は無くても採用に繋がります。着付け未経験者でも大丈夫な仕事になっているのです。そのため、今まで必死に勉強して着付け資格を取ってきたような人には、物足りない仕事になってしまう可能性もあります。着付け技術をどこまで活かして仕事をしたいかということを明白にした上で、着付けの求人を見るようにしましょう。

 

ホテルの着付け師の求人

ホテルの着付け師の求人が掛かった時の注意点

 ホテルで「着付け師募集」という求人が出た時には、大抵の場合が「他人に(着物を)着付ける着付け師の募集」ではありません。自分で着物が着られる人の募集になります。ホテルや旅館では、着物を着て接客することがあるため、着物を既に着ることが出来る人物を募集していることが多いのです。もちろん、研修の段階で着物の着方は教えてもらえますが、最初から着物を着こなせる人が応募してきてくれた方がホテル側としても助かるのです。

 

 仕事は基本がホテル業務になるため、着物を着せる仕事というのはやらせてもらえません。もし、他人に着物を着せる着付け師の仕事をしたいのであれば、ホテル求人への応募は見送りましょう。代わりに美容院や結婚式場の着付けスタッフ求人に応募することをお勧めします。

 

ホテル内の美容室での着付け師になりたい場合

 ホテル内にも美容院はあり、そこで婚礼の着付けや成人式の着付けなどが行われています。こうした業務に携わるためには、そのホテルに応募しても意味がありません。そのホテルに入っている美容院の本家本元の求人に応募をしなくてはならないのです。

 

 ホテル内の美容院は、ホテルのもののように見えますが、実際は○○美容院の○○ホテル店なのです。ですので、ホテルの美容院で着付け師として仕事をしたい場合は、美容院の方に応募をしましょう。採用情報は、美容院のホームページに掲載されていることが多いので、情報を得る際にはホームページを確認しましょう。

 

ホテル内の料亭での求人

 ホテル内には沢山のレストランや料亭が入っており、着物を着て接客しているところも沢山あります。そうしたお店では、着物が着られる人、着物を着付けられる人を募集することがあります。仕事内容は接客業及び事務ですが、着物が上手く着られていない同僚の手伝いが出来る人、すなわち着付けの資格を持っている人も時には必要なため、「着付けの出来る人歓迎」とうたった募集が散見されるのです。

 

 こちらもホテルの着付け師求人と同様、他人に着物を着せる着付け師の仕事をしたいという人には不向きな仕事になりますので、応募する際にはよく吟味するようにしましょう。

 

着付け教室の着付け師の求人

着付け教室での働き方

 着付け教室の着付け師の仕事には、二種類あります。それは、他人にお着付けする仕事、いわゆる着付け仕事と、着付けを教える着付け講師としての仕事になります。

 

 着付け教室に通ったことがある人なら誰でも知っていることですが、着付け教室には様々なコースと資格が用意されています。講師になるためのコース、一流の着付け師を目指したコースなどです。それぞれのコースの最終目的というのは明確にされているので、自分の目指す姿が目的となったコースで学べば、自ずと講師になれたり、着付け師として派遣されるという仕組みになっています。

 

 コースが上がり、上級の勉強が出来るようになると、先生の方から着付け師として○○美容院に行って訪問着の着付けをしてくれないかなどの依頼もくるようになります。それが定期的な着付け師派遣の仕事に繋がり、着付け師としての下地を築くことが出来ます。十分な経験と知識を身に付けることが出来たという人は、その後独立してフリーで活躍することもあります。また、現場での経験を踏まえて、後進の指導に当たりたいということで講師として活躍する人もいます。

 

 着付け教室に所属することの良さは、常に勉強できること、最先端の着付け事情をいち早く知ることが出来ること、着付けの派遣仕事が頻繁に入ってくること、着付け師の非公開求人情報も知ることが出来るといったことが挙げられます。情報には弱いという人、最新の情報を手元に置いておきたいという人は、フリーで活動する前に、数年間は着付け教室に所属して情報網を構築することをお勧めします。

 

着付け教室の求人・採用事情

 着付け師の求人情報が公にされることはありませんが、上級コースに所属していれば、自ずと着付け師の仕事を依頼されるようになります。中には、非公開の仕事や超有名人の着付け仕事など、他では経験出来ないような着付け仕事をやらせてもらえることもあります。もし、上級コースにいてもあまり声が掛からずにもどかしい思いをしているというのであれば、担当の先生やトップの先生に相談し、自分を売り込んでみるのも手です。

 

 成人式の着付けには、教室全員を総動員するということもあるので、成人式の着付けには必ず参加するように心掛けるのも、着付け仕事が依頼されやすくなる方法の一つです。また、着付け教室によっては、七五三特訓や成人式特訓などを実施しており、そういった特訓に参加することで仕事の依頼率をぐっと高めることも出来ます。着付け教室の掲示板には常に注意を向け、気になることがあれば担当の先生に相談するようにすると良いです。というのも、生徒の熱意を感じた先生が仕事を与えてくれることもあるからです。

 

外部の人間が着付け教室の仕事をするには

 着付け教室に所属していない人が着付け教室で仕事をするのは、簡単なことではありません。その教室ごとで流派も違えば、着方も若干異なる場合があるからです。事務のような簡単な仕事であれば雇ってもらえる可能性もあるかもしれませんが、着付け師として、講師としての仕事を求めているのであれば、一度教室に入学しなくてはいけません。ある程度のコースを修了したのち、講師の面接を受けることは可能です。

 

 また、過去に一度でもその教室に在籍した経験がある方ならば、講師面接を受けることが許可される場合もあります。いずれにしても、相当な着付け技術、教える技術が問われるので、自信が無いようであれば一度コースに入り直すのが得策です。

 

観光地の着付け師の求人

観光地の着物レンタルショップで着付け師として働く

 最近、京都や鎌倉などの観光地を着物姿で楽しむという趣向が流行っています。着物姿の観光客がいるということは、その観光地に観光客向けの着付け師もいるということです。どこで観光客に着付けをしているのかというと、美容院でも着物屋さんでもありません。着物レンタルショップというところになります。最近できたばかりということもあって、着物レンタルショップでは、着付け師の求人募集が盛んです。特に観光客が多くなる夏のシーズンや紅葉のシーズンにかけては、着付け師の求人募集がより盛んになる傾向にあります。

 

着物レンタルショップでの着付けの仕事とは

 着物レンタルショップでの仕事というのは、「おもてなしの仕事」と呼ばれるものです。役割ははっきりと区別されており、ヘアメイク担当者は主にヘアメイクの仕事をこなし、時折受付も手伝い、着付け担当者は、着付け師として主に着付けの仕事をこなしながら受付も手伝うと言った具合になっています。ですので、着物レンタルショップの着付け師の仕事は、ヘアメイクの仕事との掛け持ちではなく、着付け仕事だけをしたいという人向きの仕事になります。

 

 観光客への着付けというのは、正式な装い―例えば、訪問着に二重太鼓―の着付けというのではありません。おしゃれ心を刺激するカジュアルな装いを目指した小紋と半幅帯の組み合わせを着付けます。ですので、基本的には小紋の着付け、半幅帯の着付けが出来れば問題ありません。仮に着付けに自信が無かったとしても研修の時間が設けられているので、心配する必要はありません。

 

着物レンタルショップの応募に資格や経験は必要?

 着付けの資格を持っているに越したことはありませんが、資格未保持の場合でもパートやアルバイトとして雇ってもらいやすいのが、着物レンタルショップの着付け師スタッフです。場所によっては未経験者も歓迎している場合があります。ブランクがあっても大丈夫です。

 

 着付け技術に自信は無いけれども着付け師としての実務経験を積みたいという人、少しでも着付け仕事に携わりたいという人、時間が取れないのでパートの着付け仕事しか出来ないという人でも気負いせずに応募出来るところなので、少しでも着付けの仕事をしたいという方は一度応募してみることをお勧めします。

 

採用先別の着付け師の求人に関するまとめ

  • 美容室ではヘアメイク兼務で美容師などの資格も併せ持つ必要があったり、ブライダル関連では着付けの上級資格を求められることもある。一方でアシスタントから始める選択肢もある。
  • 写真館や呉服店では簡易的な着付けプラスその他の業務であったり、ホテルで「自分で着物を着られる意味」での募集もあるので、求人を吟味する。

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本記事は2018/03/01の情報で、内容は着付け師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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