目次
カメラマンになるには
写真技術を磨く
カメラマンとして活動するにあたり、最低限必要なものが写真技術です。
近年ではデジタルカメラやスマートフォンの普及により、写真を撮るという行為がとても身近なものとなりました。つまり、誰もがデジタル技術によって、それなりに質の高い写真を容易に撮ることができる時代になったのです。
一方でプロというのはアマチュアや一般人に比べて、圧倒的高水準の成果を提供することによって報酬を得るという存在です。この「差」をつけることが難しくなってしまったこの時代に、少しでも成果に説得力を持たせるには、圧倒的な技術を習得することしかありません。
写真学校に通ってもいいですし、スタジオに見習いとして入社するという選択肢もあります。何より現在はインターネットや書籍、動画などにより独学で写真を学ぶことも以前より容易になりました。
写真の知識や技術の習得は非常に奥が深く、最前線で活躍しているカメラマンでも常に勉強を続けるほど、生涯にわたって終わりがないものだと言えます。理論や歴史について学び、その成果を自らの作品を撮影することによって形にするというインプットとアウトプットを繰り返すことによって技術は磨かれ、写真家としての深みが増していきます。
カメラマンから学ぶ方法も
独学でひたすら技術を深めていくタイプのカメラマンもいれば、他者との関わりによってそれらを身につけていくカメラマンも多く存在します。
スタジオに勤務すれば、日々数多くのプロカメラマンのサポートをすることになりますし、カメラマン直属のアシスタントになれば数年かけてその人の技術や感覚を習得するといったことが可能です。
真剣に取り組めばプロフェッショナルとしての技術を習得する為の近道になると言えますが、最終的には個性がものを言う世界ですので前述の通りアウトプットを重ねるということも忘れてはいけません。他者から学ぶということはそれだけ早く物事が身につきますが、意識をしていないと自身の個性を消してしまうということにもなりかねません。
カメラマンには複数の道筋がある
技術や感覚を身につけたという前提で、プロフェッショナルのカメラマンとして活動を開始するには複数の道筋があります。
カメラマンのアシスタント職を経て、その人脈やスタイルを生かして独立するというのが、この世界では王道と言えます。また、直属のアシスタントにはならずに、スタジオ勤務を数年続けてカメラマンとして独立するというルートもあります。この場合は自らの作品や技術力を頼りに地道に営業活動をするというところからスタートするというのが一般的です。
近年ではアシスタントやスタジオ勤務を経由せずに独学で写真を学び、ひたすらに作品を作り個展を開いたり、インターネット上で注目を集めて頭角を表すという若手のカメラマンも多く見受けられるようになりました。自らのセンスや個性に自身があればこのような道筋を辿るという選択肢も一つです。
それなりに経験や技術を習得した場合に、企業にカメラマンとして雇用されるということも可能です。その場合もその企業でのアシスタントとしてキャリアをスタートさせるか、カメラマンとして最初から雇用されるというケースもあります。
どの道筋を通るにしても、技術や個性に加え、人間性というのも一つの重要な要素になるということも忘れてはいけません。 カメラマンは専門職ですが、その総合力が問われるということを念頭に置いて努力を続けるのが非常に大切だということがわかります。
カメラマンの適性
技術や感性と精神的なタフさが求められる
プロフェッショナルのカメラマンとして活動するにあたって、必要な資格は存在しません。
成果物の対価として報酬を受け取るというのがプロフェッショナルの定義の一つですから、絶えず周囲からの評価を受けつつそれに対して最大限のサービスを提供し続ける必要があります。そしてそれらの評価には明確な指標はなく基準は人それぞれであり、技術力や感性もさることながら運も必要になり、行き先が不透明な中常に努力を重ねるといったことが求められます。
フリーランスは当然のこと、企業カメラマンも一部を除いて完全に実力と運の世界ですから、経済的にも保証されている人は存在しません。 そういったことからカメラマンは繊細な技術や感性の裏で精神的なタフさが求められるので、逆に安定やルーティーンワークを求める人には適性がないと言えます。
写真に対する情熱は大前提
カメラマンの仕事は精神的、肉体的なタフさが求められ、さらに一つの作品や案件を完結するために、多くの地味な仕事をこなす必要があります。
人々が目にするのは一枚の写真ですが、その裏には非常に多くの工程があり、プロフェッショナルとして活躍しているカメラマンは基本的にこれら全ての工程に没頭します。
写真への愛情ゆえこれらの地道な作業に苦痛を感じることは当然なく、それは写真を生業とする上での最低条件と言っても過言ではありません。ゆえに仕事に対して何か華やかで劇的なものを求める人には不向きと言え、情熱に従い黙々と作品を生み出し続けることのできる人には適性があります。
孤独に黙々と事を運ぶ
プロジェクト単位で見ればそこに関わる人は多数存在しますが、写真を撮るという行為に限定すればそれは非常に孤独なものです。
風景写真や報道写真等、物理的に完全に孤独な状態で撮影する局面もあれば、多くの人が関わる中でその責任を一手に背負い被写体と向き合うというのもまた孤独であると言えます。
撮影後の工程も孤独そのもので、ひたすらにモニター上の写真と向き合ったり暗室にこもってプリントをしたりと、多くの仲間に囲まれ賑やかに仕事をしたいという人には非常に厳しい状況が続きます。 重圧を背負いながら孤独に黙々と事を運ぶ、ここにもカメラマンの適性の一つが見て取れます。
カメラマンになるにはのまとめ
- カメラマンに最低限必要なものが写真技術。
- カメラマンのアシスタントを経て、独立するというのがこの世界では王道。
- カメラマンは繊細な技術や感性の裏で精神的なタフさが求められる。
本記事は2018/02/20の情報で、内容はカメラマンとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。