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カメラマンの求人事情
カメラマンで多いのはフリーランス
カメラマンという職業において、従事している人が多い働き方はフリーランスです。
案件や規模は様々な上、カメラマンによって能力や備えているセンス、技術など多種多様であるため、案件ごとに適切なフリーランスに発注するというのが有効的であると考えられています。そういった意味ではタレントやミュージシャンなどと同様に、個性や能力重視の商売とも言えるのです。
その為、フリーランスにおいては求人という形で企業の募集にカメラマンが応募するというより、プロジェクトごとに企業や制作会社等から最適なカメラマンに発注をするという形がほとんどです。電話一本で発注が成立することも少なくありませんし、特に公式の契約書などを交わすということもないケースが多いです。
フリーランスカメラマンに大切なこと
カメラマンの案件と言ってもファッション、広告、風景、プロダクト等多種多様なジャンルが存在します。
また、それぞれのカテゴリの中でも、ファッションであれば雑誌・カタログ・キャンペーン等、広告であれば世の中にある業種の数だけ異なる被写体が存在します。風景一つとってもそれが広告になるのか、雑誌やウェブサイトに掲載されるのか、数限りなく案件が細分化できます。
どういった案件でも発注者が存在し、そこから制作会社やディレクターを経由して最終的にカメラマンに回ってくるというケースがほとんどです。 よって発注を受けるという立場上、クライアントに「選ばれる」ということへの努力は欠かせません。
前提としてポートフォリオと呼ばれる作品集やウェブサイト等を用いた営業活動は不可欠ですし、アシスタントやスタジオ勤務を経ている人は、そこで培った人脈を生かすということも重要です。各ジャンルにおいて求められる作風が違いますので、まずは自分がどういったカテゴリーの仕事に携わりたいかを明確にして、そこをターゲットにした作品を作り適切な相手に営業をする必要があります。
近年では自身のプロモーション方法も多様化しており、従来の営業方法だけではなくソーシャルメディアを使って作品を発表し続けたり、個展をひらいたり写真集を自費出版したりそれぞれに工夫が必要になってきています。
企業カメラマンの求人
企業に雇用され、その企業の案件のみを引き受けるという、企業カメラマンという選択肢も存在します。カメラマンを社内に雇用するという企業で考えられるのは、雑誌などの出版社や大小様々な案件が発生する大手広告代理店です。
近年プリントだけではなく、オンラインなど媒体が多様化しています。そういったことから案件の予算が縮小していることもあり、企業がカメラマンを雇用するということも少なくありません。
ただカメラマンは技術職である為、未経験者は不可であるか、アシスタントから開始という場合がほとんどです。その為、スタジオ勤務経験者やフリーランス歴があるということが前提となりますが、当然給与制ですので経済的には安定します。
逆に広告代理店などの勤務を経験したのち、その人脈や技術を生かしてフリーランスとして独立するという選択肢も将来的には考えられます。 このように、どこでどのように技術や人脈を培うかが今後の活動に非常に重要になってくるかがわかります。
そういった意味で、将来を長期的に見据えたキャリアプランをあらかじめ練るということが必要です。
カメラマンの年収相場
カメラマンの年収は様々
カメラマンと一口に言ってもフリーランスや企業カメラマン、写真館などの民間向けサービス等その業態は幅広く存在します。
特にフリーランスは、案件ごとにそれぞれ違った額の報酬が発生するため、タレントや漫画家などと同様に個人差がかなり大きな幅であります。企業においても、その分野によって給与に開きがあります。規模の大きな広告を扱う代理店と、小規模の撮影が多い出版社ではそのプロジェクト自体に動く金額も違いますし、その企業自体が生み出す利益も大きく異なります。
フリーランスカメラマンの収入
フリーランスカメラマンの収入額は個人差が大きく、仕事が一本も発生しなければ年収は0円ですし、上は1億円を超える収入を得る人も実際に存在します。
フリーランスカメラマンの収入は、報酬といういわゆるギャランティの形で発生しますので、年収を算出するにはそれぞれの案件の単価×一年で撮影した本数ということになります。
単価に関して、一番大きな額が発生するのは一般的に広告案件です。 広告といっても規模は大小様々ですが、全国規模のビルボート等に掲示されるような大きな案件では、100万円を超える報酬が発生することも少なくありませんし、雑誌広告やオンライン広告等比較的小規模な案件でも20~30万円程度の報酬が発生します。
次に、アーティスト等のタレント向けの案件では、CDジャケットなどの製作物が一般的に高単価でアーティストのランクが上位になってくるとそれに伴い金額も上がります。
雑誌の撮影は前述した案件と比べるとやや単価が下がります。一般的に日本の雑誌は1ページごとに単価が設定されていることが多く、ファッション雑誌でいうと2~3万円という設定が多いです。ただ、企画によっては撮影するページ数もかなり多くなりますので、ページ数をこなせばそれなりに報酬額も上がります。
また、雑誌に関しては報酬以外でのメリットも大きいので、単価に関わらずそこを目指して活動しているカメラマンも数多く存在します。 雑誌のメリットはクレジットがある点です。自身の名前が雑誌の写真と一緒に掲載=クレジットされることがプロモーションツールとなるのです。
例えば、駅のビルボードに大きな広告が掲載されたとして、そこにカメラマンの名前が掲載されることはまずありません。つまり一般的には調べられない限りその名前が浸透するということはありませんので、その点では雑誌はもっともプロモーションとして明確なものであると言えます。 当然広告等の写真も自身のポートフォリオに入れば強力な営業ツールになります。
カメラマンの単価を上げる為には
カメラマンは、案件の種類や規模によって単価が大きく変動するというのは前述の通りですが、同種の案件でも個人によって単価設定がまた大きく異なります。
それを大きく左右する要素はそのカメラマンのキャリアです。タレント等と同様にカメラマンも一種の人気商売ですから、その人が過去にどの様な案件を撮影していて、どれほど業界で名前が浸透しているかということも、重要な判断要素になります。
人気のカメラマンであればあるほど、その撮影日に競合して依頼がある確率も上がるので、好条件の案件をそのカメラマンが選択するというのが自然の流れです。
当然フリーランスですので報酬額の基本設定は自身で行いますが、キャリアや実力と釣り合わない額を提示していればその仕事を受注できる確率は極めて低くなります。その為、キャリア初期は多少低単価でも数多くこなして実績を積み、その後に自然と単価が上がっていくというのが一般的な流れです。
カメラマンの求人まとめ
- カメラマンという職業で一番多い働き方はフリーランス。
- 企業カメラマンの求人で多いのは、雑誌などの出版社や大手広告代理店。
- フリーランスカメラマンの収入額は個人差が大きい。単価で一番大きな額が発生するのは一般的に広告案件と言われている。
本記事は2018/02/19の情報で、内容はカメラマンとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。