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病棟クラークとしてスキルアップするには?
医療の進歩と共に知識を高める
医療は目まぐるしく発展を遂げている中、医師・看護師といった医療従事者は常に研究や勉強をしなければなりませんが、病棟クラークも例外ではありません。診療報酬は2年に1度改定がありますし、保険制度も頻繁に変更があります。つまり病棟クラークは現状の知識だけで満足せずに、日々スキルアップをしなければならない職業でもあります。
例えば、厚生労働省が定める特定疾患が追加されると、新たに医療券が発行され、負担割合が変更になる患者さんがいます。特に入院費には大きく影響を及ぼすので、病棟クラークは常に対応できるようにしなければなりません。
勉強会への参加や資格取得を目指す
病院に勤務していると、そういった変更情報はすぐ入手ができます。大きな病院では、医療スタッフ全員が把握できているように、勉強会を定期的に開催しているところもありますし、民間の団体などでも参加自由型の勉強会を実施していたりしています。
また、病棟クラークのスキルにより磨きをかけたいのであれば、資格取得は有効です。医療事務の資格は大いに病棟クラークの基礎知識に役立ちますので、転職活動中に取得しておくことがお勧めですが、もちろん仕事を始めてから合間に取得する人も多くいます。ほかにも関連する資格は10種類以上にも及びますので、自身に足りない知識が学べる資格を選んで勉強すると、さらにステップアップが望めます。
参考医療事務の資格に関する参考記事
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経験を積むのが一番のスキルアップ
ですが、あくまでも病棟クラークは実務経験こそが何よりのスキルを磨く術です。資格はあくまで「自分の知識の証明」と捉えてください。患者さんはもちろん、医師や看護師の医療スタッフたちからの要望にいち早く応えられる能力や、コミュニケーション力を高めることが、最も大切なことなのです。
病棟クラークに必要なパソコンスキル・事務スキルは?
電子カルテの導入に伴うパソコン操作
今や医療機関では、多くが電子カルテを導入しています。ですので、パソコン能力が全く備わっていないと、病棟クラークとして勤務する上では大変不利になります。電子カルテは一般事務が使用するようなワードやエクセルといったソフトとは全く異なり、操作方法が特殊ですが、普段からパソコンを使用している人にとってはすぐ慣れることができるでしょう。最低限タイピングさえできれば、問題ありません。
電子カルテ操作に関する資格も有効
また、実際に電子カルテ使用のスキルを身に着けるために、「メディカルオペレータ」という資格もあります。ワードやエクセルは個人で勉強してもスキルアップが望めますが、電子カルテは実際に仕事をしてみないと使うことすらできません。しかしメディカルオペレータの資格取得を目指す講座を受講すれば、就業前に電子カルテの操作スキルを磨くことができます。
事務スキルの必要性
IT化が進む医療業界ですが、紙媒体の書類が一切ないわけではありません。同意書、介護意見書、紹介状など、一人の患者さんでも複数の書類が必要な場合があります。それらを見分け、適切に処理する能力が必要です。
医療現場では、迅速に業務を遂行することが重要ですが、患者さんの治療に携わる医師や看護師に限らず、病棟クラークにも求められています。
例えば、緊急手術を要する患者さんの手術同意書を早急に用意しなければなりません。病棟クラークの仕事ひとつで、その後の処置が遅れてしまうことも考えられるのです。時間をかけて丁寧に仕事をすることも大切ですが、状況に応じて早急に準備できるような事務能力も必要不可欠です。さらに病棟クラークは常に個人情報を取り扱う書類を目の前にしていますので、慎重かつ丁寧な作業が肝心です。
病棟クラークのスキルアップに関するまとめ
- 勉強会の参加や医療事務関連の資格取得が有効だが、実務経験こそが最大の武器。
- 電子カルテに関するパソコン操作や関連資格があるとよいが、書類の処理能力や、状況に応じた臨機応変な対応力も必須。
本記事は2018/01/30の情報で、内容は病棟クラークとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。