目次
スタイリストの実態
地味な仕事も多いスタイリスト
華やかな仕事というイメージのあるスタイリストですが、実際は地味な作業も多いですし、制作側からの無茶な要望も日常茶飯事だったりもします。もちろん衣装が決まらなければ、何度でも探しに行きます。中には、制作側から用意するのが確実に困難だったりするものを要望され、夜通し探すというケースもあります。
洋服をコーディネートをすると言えば聞こえはいいかもしれませんが、パンツの丈詰めをやったり、演者のご機嫌を取ったり、重い荷物を持って長距離移動したりと、そういった仕事も含めてスタイリストの仕事なのです。
スタイリストの厳しい収入面
フリーランスのスタイリストが直面するのは、大体が収入面の問題です。
売れっ子になれば当然違いますが、月に1~2本の仕事の入り方では食べていけないというのが実情です。 1本のギャランティが8万~10万だったとするなら、仮に2本入ったとしても、ギリギリの生活ですし、一人暮らしとなるとかなり大変です。
1本のギャランティが8万~10万と聞くと良く聞こえるかもしれませんが、1つの案件について打ち合わせから返却までの日程を数えると、大体が1週間以上はあります。日給で換算すると、1日8000円~10000円となり、普通の会社に勤めと変わらないくらいの日給になります。
売れっ子になれば当然もっと収入はありますが、それは一握りのスタイリストであるというのが現実です。
スタイリストをしながらアルバイト
収入が厳しいスタイリストの大半が、並行してアルバイトをしています。さらにスタイリストの仕事は突然入ってくることが多いので、シフトに融通がきくアルバイトしか出来ません。こういった収入面の問題は、華やかに思えるスタイリストの世界での理想と現実のギャップです。
スタイリストの年収と相場
スタイリストの年収はどれくらい?
前述したように、スタイリストの収入は、スタイリストの力量によって大きく違います。
それこそ、人気スタイリストで指名がどんどん来る人だったり、スタイリスト業界でもかなり名が通っていれば、年収1000万越えという人もいます。
ですが、そういった人気スタイリストはほんの一握りです。一般的なスタイリストであれば年収300万程が大半で、少し売れている場合のスタイリストで年収500万程です。 反対にあまり仕事がないスタイリストであれば、月収10万にもならなかったりします。
スタイリストは個人の力量と信用がダイレクトに直結していきます。 安定した収入はレギュラーでテレビ番組などを担当していれば1クール、2クールとその間は収入が入って来ます。でも、そのレギュラーが終わってしまえば、また安定的な仕事を受注していかなければいけません。
事務所所属の社員スタイリスト
月給制の事務所所属のスタイリストは、大きく稼ぐ事は出来ませんが、月収20万~30万程の安定した収入が入ってきます。
さらに、事務所所属の社員スタイリストであっても、売れっ子になっていけば話は別です。 売れっ子になれば、ギャランティが上がりますので、事務所所属でも月収50万程になることもあります。 仕事を受注した分だけのギャランティが欲しい人には社員スタイリストは不向きですが、安定を求めているのであれば事務所の社員スタイリストになるのも良い道と言えます。
スタイリスト案件の相場
スタイリストの案件相場は、CM1本10万~20万円程(衣装代は別)が大体の相場になります。 スタイリスト本人の力量によってはCM1本30万~40万円くらいになる人もいます。さらに、売れっ子になれば、それこそ100万円単位にもなっていきます。
1コーディネートの相場ですが、最低ラインで1ポーズ3万円程です。 テレビ番組のタレントのスタイリングの場合、1番組で1ポーズとなりますので、3万円が最低ラインです。さらに、売れっ子になっていけば5~10万と上がっていきます。
スタイリスト業界でどれだけ長くやっているか、本人の力量がかなり問われるので、収入にもダイレクトに反映されます。
スタイリストの勤務時間と休日
勤務時間はまちまち
スタイリストの出勤時間は、撮影が入っている日であれば、早朝からということが多いです。衣装の用意は前日の夜にやるとしても、朝が早いのでそのまま眠らずに現場に来るというスタイリストもいますし、撮影日は睡眠時間2~3時間という事もザラです。現場では、ほぼ立ちっぱなしですし、周りにも常に気を遣っていなければならないので心身ともにタフさが求められます。
このような撮影が毎日のように続けば、疲労困憊ではありますがそこまで毎日続いたりはしません。大変なのは衣装探しと撮影日です。撮影が終わり、衣装返却だけという日もあったりしますので、気を抜ける時もあります。
スタイリストに休日ってあるの?
売れっ子になってしまえば、お休みなどとは言っていられない状況になります。
売れっ子タレント付きのスタイリストであれば、そのタレントが出る番組には必ず同行して衣装を担当しますし、一日に何個か現場を回ったりもします。そのタレントが売れていれば必然的にスタイリストも忙しくなるということです。
でも、そこまで仕事が入っていなかったりすれば、もちろんスタイリストにもお休みはあります。フリーランスのスタイリストは休みがある方が恐怖に感じたりもするので、休日が少なくても文句を言う人はいません。
全然仕事が入らず、毎日休みという方がスタイリストは怖いのです。
スタイリストの実態のまとめ
- フリーランスのスタイリストが直面するのは、大体が収入面の問題。中にはアルバイトをしているスタイリストも。
- スタイリストの収入はスタイリストの力量によって大きく違う。安定的な仕事を求めるなら事務所の社員スタイリストがおすすめ。
- スタイリストが大変なのは衣装探しと撮影日。睡眠時間が2~3時間とう場合も。
本記事は2018/01/22の情報で、内容はスタイリストとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。