クライアントの状態やセッションの形態は様々
「医療機関」と言っても、音楽療法が実施される診療科やクライアントは様々です。一般的に、医療機関で音楽療法を実施する場合は、ALS等の神経難病患者、統合失調症等の精神疾患患者、失語や身体の麻痺等を伴う脳梗塞等後遺症患者、積極的な治療を行わないステージにある終末期患者等を対象とする場合が多いです。それぞれ音楽療法の目的が異なるので、仕事内容も様々です。
異なるのは音楽療法の目的だけではありません。どこでどのぐらいの人数を対象に、というようなセッションの形態も様々です。外来で行うこともあれば、院内の広めのスペースで入院患者やその家族等を対象に行う場合もありますし、様々な事情により移動が難しいクライアントの場合はベッドサイドでセッションを行うこともあります。
高度な知識とスキルが求められることも
対象にするクライアントによっては、発語や歩行を促すために音楽療法が実施されること等もあります。そのような場合には、音楽療法の中でもより専門的な知識と技術(神経学的音楽療法等)が必要とされる場合もあります。
どのようなクライアントを対象にする場合でも、「クライアントの大切な時間をいただいている」という認識は必要ですが、医療機関で音楽療法を実施する場合はシビアな場面に遭遇することも多く、療法士自身のメンタルケアも大切な仕事の一つと言えるでしょう。
- 音楽療法は、現在の日本では保険適応が認められておらず、それ故、医療機関での音楽療法の導入がなかなか進んでいないという課題があるのですが、少ないながらも、医療機関での募集は常勤が多いというのが特徴です。もちろん、非常勤での募集もあります。病院のホームページ等に音楽療法に関するページが設けられていることもあり、そこで募集を呼びかけている場合もあります。
本記事は2017/12/11の情報で、内容は音楽療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。