最も一般的なのは高齢者施設
現在、日本で最も音楽療法が実施されていると言われるのが、特別養護老人ホームやショートステイ等の高齢者施設です
高齢化に伴い、高齢者の要支援や要介護の状態により、様々なタイプの高齢者施設がどんどん建てられていて、高齢者には歌が好きな方も多いですし、介護予防的な意味合いからも高齢者施設での音楽療法の需要は多いです。
児童関連の施設(放課後等デイサービスや特別支援学校等)
高齢者施設の次に音楽療法の実施が多いと言われるのが、児童関連の施設です。近年は放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)の急増に伴い、放課後デイで音楽療法を実施している療法士もとても増えています。多くの場合は常勤ではなく、決まった曜日に訪問するような非常勤という形態が多いです。
しかし、放課後デイ自体の体制を見直すような国の方針もあり、今後それが放課後デイでの音楽療法の実施にどのように影響していくか、療法士側でも情報を収集し、対応していく必要があります。また、決して多くはありませんが、特別支援学校や未就学児向けの施設に勤務する療法士もいます。
医療機関や障がい者施設でも
医療機関の中では、精神科病院やホスピス、リハビリ系の病院等での音楽療法の実施は一般的です。リハビリ系の病院では、例えば、脳梗塞の後遺症等で歩行や発語が困難になった方を対象にすることもあり、そのような場合にはより専門的な知識が必要になることもあります。医療機関では、正社員として勤務するケースも見られます。また、こころや身体に障がいを持つ方々のための施設で音楽療法を実施する療法士もいます。
- 日本ではまだまだ音楽療法の認知度が低いことと、財政的な理由で、音楽療法士を雇う施設は決して多くはありません。また、施設によって抱える事情も様々ですので、雇用形態や報酬などに関して「どの種類の施設で、どのような傾向がある」等ということも言いにくいのが現状です。
本記事は2017/12/11の情報で、内容は音楽療法士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。