ツアープランナーとして働くメリット
近年はどの業界もコスト削減により大規模なパーティーや食事接待など見直しがされていますが、それでも旅行会社の他の仕事に比べるとツアープランナーにはその恩恵を受けるチャンスがあります。
例えば、セールスに訪れるホテルからオリジナルグッズをプレゼントされたり、サプライヤーからのお中元・お歳暮ではホテルのクッキーやご当地名物の食品が届くことはとても一般的です。国際的なホテルチェーンが海外の新しくホテルをオープンさせることに伴い、日本国内の系列ホテルで開催されるオープニングパーティーへ招待されたり、現地視察の際には個人ではなかなか行けないような高級レストランでの接待を受けることもあります。更には、プライベートで行く休暇のときにもお部屋をアップグレードしてもらったり、スパや食事のサービスを提供されることさえあります。
また、テーマパークや観光施設、ホテルなどのオープン前に、そこで勤務をするスタッフが研修をするために一部のお客さまやメディアをご招待する「プレビュー」に、ツアープランナーも招待を受けることがあります。もちろん入場や視察は無料ですし、特別なお土産をいただくこともあります。このようなプレビューへの出席により人気があるテーマパークなどをいち早く体験できることは、一般の人にはない、自慢をしたくなるようなメリットだといえます。
また最近では減ってきたものの、会社の経費で出張ができ、様々な観光地を見学したり、ホテルや食事を楽しむことは嬉しいメリットでしょう。当然この出張は、新しいツアーやパンフレット造成のために活用するための勉強ですが、お客さまが楽しめる内容かどうか自ら体験することがこの視察旅行では重要なのです。自分の得意な方面への視察でなかったとしても、旅先では何らかの魅力を発見し楽しく勉強して帰ってくることができます。ただ全ての旅行会社がそうということではないので期待しすぎは禁物です。
ツアープランナーとして働くデメリット
旅行業界では、運輸機関のダイヤ・運賃の影響や旅先の季節などが理由で、4~9月の上期と10~3月の下期に大きく分けて商品を発売することが通常でした。しかし、いかに他社よりお客さまを多く取り込めるかという戦略により、ダイヤや運賃が決定していない時期に予測で代金や行程を作成し、パンフレットを発売することが多くなっています。そのためパンフレット発売後には、予期せぬ大幅なダイヤ改定や運賃の変更、競合他社の値付けに泣かされることが多くあります。パンフレットの造成には当然費用がかかっていますから、今回は失敗しましたでは済まされません。パンフレット差し替えや修正ページの差し込み、ツアーそのものの売り止めなど、手間や損害を生み出してしまうのです。こういった点に悩むツアープランナーも多いです。
また、ツアープランナーの仕事は、ほとんどの場合でツアーの旅程を企画するだけではありません。そのツアーに値付けをし、パンフレットを造成するまでに携わるケースが一般的です。ツアーの値付け計算や、代金カレンダー作り、金額入力は非常に地味で手間がかかる作業です。パンフレット制作会社からゲラ(校正刷り)が届けば、その内容のてにをはまでチェックをしなくてはなりません。華やかと思われるツアープランナーの仕事内容の中で、最も時間がかかり、デスクに張り付いてコツコツと忍耐強く正確な作業を要求される業務です。パンフレット最終稿が出来上がるまでは、当然有給休暇の取得も難しいほどの仕事量になるでしょう。こういった地味さというのが嫌になる人も多いものです。
そして、最大のデメリットは、いつまでもツアープランナーでいれるわけではない、ということではないでしょうか。ツアープランナーは資格が必要な専門職ではなく旅行会社に所属する会社員ですから、いつかは人事異動の対象となります。また、ツアープランナーになりたくて旅行会社に入社をしても、なかなかその機会に恵まれない場合もあります。どちらの場合でも気落ちせず、与えられた職務を精一杯務めることで好機が巡ってくるでしょう。
本記事は2017/11/30の情報で、内容はツアープランナーとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。