音響スタッフの分類と求人事情
音響スタッフとして働きたいと思った時、どのようにして音響スタッフの世界に入っていけばよいのでしょうか。音響スタッフは、音を作る仕事、音を残す仕事、音を届ける仕事、音を企画する仕事に分けることができます。それぞれの仕事と、その求人の事情について解説していきます。
音を作る仕事
演奏者の音のバランスを整えたり、エフェクトをかけたり、会場へ流したり、演奏者へ音を返したり、こういった仕事をPA(ピーエー)と言います。PAの求人はあまり普段目にすることがありません。どちらかというと、求人を見て募集するというよりも、PAの人に直接面接を依頼するというような流れがスムーズです。
もちろん、各PA屋のHPには時々、求人のページもあります。なかなか見つけづらいかもしれませんが、一般の職業に近い求職の方法になります。
求人事情としては、ほぼ飽和状態にありますが、弟子入りするような形でアルバイト的な働き方から始め、実績を積んでいき収入を増やしていくという流れが最も多いです。
音を残す仕事
音を残す仕事はエジソンの蓄音機から始まり、その歴史は古くからあります。レコーディング・エンジニアの仕事です。レコーディング・エンジニアにはミキシング・エンジニアやマスタリング・エンジニアなども含まれますが、ここでは一括りに「レコーディング・スタジオで勤務している人」と定義します。
スタジオに勤務したい場合、音楽をやっている知り合いがいればその知り合いに声を掛けてもらう方法や、ホームページから求人が出ているところを探すなどの方法があります。
求人事情は、やはり飽和状態にあり、弟子入りするような形で入職するのがスムーズです。また、PAやライブハウスなど他の音響スタッフとしての経験があれば、その実績をもとに、レコーディング・スタジオに顔を出してみるのも良いでしょう。
レコーディング・エンジニアは、昔は大きな部屋で大きな機材を積んで行うというような勤務形態が多かったですが、現在は個人の自宅での働き方もあります。自営業的にレコーディング・エンジニアになってみるという方法もあります。
音を届ける仕事
演奏家が演奏をし、PAが音を整え、聴いてくれる人に音を届ける仕事です。ライブハウスや文化ホールのスタッフがそれにあたります。
ライブハウスや文化ホールのスタッフは演奏者を呼んで演奏をしてもらい、チケットを販売しているだけではなく、演奏家との音響的なやりとりがあります。文化ホールごとに音響特性があり、その音響特性をPAや演奏家に説明したり、文化ホール常設の什器の貸し出しを行ったりします。またライブハウスで特に多くなりますが、PA機器の貸し出しも行います。
ライブハウスのスタッフはイベントの時だけ呼ばれるアルバイトが不足している傾向があります。アルバイトから入り実績を積みながらステップアップしていくのが最も自然な流れです。
文化ホールは地方公共団体などの官公庁が運営している場合がほとんどですので、公務員や準公務員といった採用の形になります。正規の公務員であれば採用試験を受ける必要があります。その後希望により配属されます。準公務員は人員不足による臨時的な採用が多いので、2月~4月頃の求人を広く目を通しておくと良いです。
音を企画する仕事
音楽のイベントは町のお祭りのような小さな物から大規模なフェスまで幅広くあります。これらを企画するイベント関連会社への転職・就職になりますが、一般企業への転職と同じように求人紙やハローワークにも求人が出ています。また、楽器演奏経験不問ですので、音楽が好きで転職をする人も多くいます。
- PAやレコーディングエンジニアの求人は飽和状態にあり、弟子入りのような形が多い。公務員として文化ホールに配属、音楽イベントを手掛ける会社に入るといった方法も。
本記事は2017/11/16の情報で、内容は音響スタッフとしての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。