働く先により仕事内容も変わる
土地家屋調査士としてキャリアを積み重ねる方法にはどんなものがあるのでしょうか。個人事務所で働くか中規模以上の事務所で働くかでもキャリアは違ってきますのでいくつかそれぞれ取り上げてみます。
- 個人事務所
土地家屋調査士の個人事務所の補助者として雇用されることは最も短期的に一通りの実務経験を積むことが可能になります。小さな個人事務所ではチームで業務を行うことはあまりなく、案件ごとに業務をこなしていくからです。測量のみ、建物の登記担当のみ、土地の境界確定担当のみといったある程度のチーム分けがなく、本職と数人の補助者との共同で業務を行います。
ただし、小規模な事務所では一般的な建物の登記や、200㎡規模の土地の測量や分合筆などが主な業務で、分譲地や商業施設の開発が関係する案件や、マンションなどの大規模建築物を扱うような業務は受任していないことが多いので、その規模の経験は積めません。
- 中規模以上の事務所
中規模以上の事務所でキャリアを積む場合はある分野の業務を専門に任されることが多くなります。大きく分けて土地部隊、建物部隊に分かれることが多く、測量士や建築士の資格も持っている場合は土地担当になるでしょう。
土地家屋調査士の業務についてすべての実務経験を積みたいときには雇用主側に要望を伝えなければなかなか担当替えがないかもしれません。しかし開発や公共嘱託登記、大規模建築物の登記などに携われるチャンスもあります。
- 土地家屋調査士事務所以外
土地家屋調査士業務を行ってない、測量会社や開発設計会社で測量の技術を積む人もいます。しかし土地家屋調査士に必要な表示の登記に関する業務の実務には就けません。キャリアメイクのためには、どこかで登記業務に係る必要がでてくるでしょう。
また不動産関連会社や不動産コンサルタントの会社では不動産の登記調査の実務経験を積むことが可能です。不動産取引の流れの中でどのような登記調査が必要になってくるのかがわかります。しかしそこから先の登記申請を行うこともないですし、測量の技術も磨くことはできません。土地家屋調査士としてのキャリアを得るためには別の雇用先で業務に就くことが必要になります。
本記事は2017/10/24の情報で、内容は土地家屋調査士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。