前職が司法書士に関連のない職務の場合
前職が司法書士に関連のない場合でも、担当した仕事や業務、役職、身に付けたこと、業務上感じたやりがいや喜びなどを職務経歴書に詳しく書きましょう。司法書士の資格を保有していることで、司法書士業務の基本的な知識はあると評価されます。ですから、それ以外の社会人として汎用性がある経験や能力をしっかりとアピールして、採用側が求める人材への適合を図ることが重要です。
司法書士業務では、コミュニケーション能力や、正確で迅速な事務処理能力などが要求されます。例えば、前職が営業や接客業であれば、コミュニケーション能力を重点的にアピールすることができますし、内勤事務であれば事務処理能力を重点的にアピールすることができます。
また、前職である程度の役職についていたのであれば、その業務実績をアピールすることでマネージメント能力が評価されるので、業務を任せられる人物であるということを伝えることができます。
また、司法書士以外の保有している免許・資格ももれなく記載しましょう。応募する側が求人募集案内などでその必要性を読み取れなくとも、思いがけず採用する側がそれを評価する場合があります。ただし、職務経歴書に記載するのはあくまでビジネスに関するものに限ります。趣味や遊びに関する免許や資格は、履歴書の趣味、特技の欄に記載すべきものです。
- 前職が司法書士と無関係の職務であっても、業務経験を詳しく書き、社会人としての経験や知識をアピールする。
前職でも司法書士をしていた場合
特に採用する側が司法書士としての実務経験を求めている場合には、司法書士業務の各分野を、どのような割合で、どの程度経験してきたのかということが最大の関心事になります。
そして、例えば「不動産登記手続全般」などと書くよりは、「顧客との調整の経験、登記申請書の作成の経験、不動産取引時の立合いの経験、書面による登記申請やオンラインによる登記申請の経験、使用していた場合は司法書士業務専用ソフト名(記載例:「権」を使用していました。)」など、それぞれをどのくらい経験したことがあるのかを詳しく記載した方が採用する側の利便に適い、その結果、書類選考における評価が上がります。
なお、この場合でも、社会人としての汎用性ある経験や能力、保有している全ての免許・資格の記載は大切なことです。
- 司法書士業務の各分野をどの程度経験したのかを詳しく記載した方が、書類選考の高評価につながりやすい。
前職が非正規雇用、無職の期間が長かった場合
アルバイト・パート、契約社員、派遣社員の待遇で、司法書士事務所・司法書士法人や他の企業のオフィスワークをしていた場合には、その待遇の別を記載し、他は正社員と同じことを記載すれば問題ありません。オフィスワーク以外であってもその職務について記載することになりますが、なぜそのような仕事をしていたのかという正当な理由を付け加える必要があります。
次に、無職の期間が長かった場合について述べます。例えば、学校卒業後、一般企業に勤務し、結婚時に退職。主婦をしながら司法書士試験の勉強をして合格し、それを契機に仕事へ復帰する、という場合などには、その経過と前職の経歴を記載すれば問題ありません。
しかし、例えば長らく主夫をやっていた男性の場合は、司法書士の資格を保有しているからといって、採用に前向きになる企業は、司法書士事務所・司法書士法人を含めて、現実としてあまりありません。
なお、転職には当てはまりませんが、学校卒業後、無職で試験勉強をし、合格したので就職を希望するという場合は、職務経歴書の提出の要否を事前に応募先へ問い合わせましょう。
- 司法書士業務やその他オフィスワークに非正規雇用として従事していたケースや、正当な理由で無職期間を経て資格を取得した場合は、前職の業務内容を詳しく記入すれば問題ない。
本記事は2017/09/29の情報で、内容は司法書士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。