必須資格は存在しない
例えば医者になるためには、医師免許という国家資格を持っていなければなりません。IT関連の国家資格は複数存在しますが、システムエンジニアになるために必須となる資格は存在しません。
システムエンジニアというと情報工学を専攻していた人がなるイメージがあるかもしれませんが、新卒採用では学部を問わないどころか文系・理系の割合が凡そ半々になるという現実があります。もちろん情報工学を専攻していた方が有利な点はありますが、世の中のシステムエンジニアの約半数は就職してから初めてIT関連の勉強をしたことになるのです。
システムエンジニアに求められるスキルは幅広い
システムエンジニアにはIT技術力以外にも様々なスキルが求められます。例えば新規顧客の獲得及び既存顧客の継続案件を獲得するための営業力、顧客折衝を行うためのコミュニケーション能力、プログラマの作業状態を把握して適切な調整を行うための進捗管理能力、各種情報収集に必要となる英語力など、実に多種多様な能力が求められます。
そのためシステム開発の経験が無い場合でも、前職の経験がなんらかの形で活かせる場面が存在します。既に所持しているスキルをどのように活かせるかを把握し、不足しているスキルを補う努力を行うことができればシステムエンジニアになることができます。
他職からの転職ではIT技術力が壁となる
システム開発の経験がない人にとって、一番の壁となるのはやはりIT技術力です。IT技術力はシステムエンジニアとして業務を遂行する上でなくてはならないものであり、特に専門性が高いため何から手をつけて良いか分からないという人も多いでしょう。
まずは何でも良いので、実際にプログラムを書いてみることから始めることがお勧めです。ちょっとしたプログラムであっても、自分の書いたプログラムが動いたことに喜びを感じることができたのであれば素質があります。はじめは思うように動かずに大変ですが、ここを乗り切ることができるかどうかが重要です。システムエンジニアになったあと、多くの場合はプログラマと同じような仕事から始まりますので、プログラムを書くことに抵抗がある人は、無事に就職できたとしてもその後が続かない可能性があるためです。
未経験からの転身で、プログラムを書くことに抵抗がないのであれば、次に国家資格である基本情報技術者の取得も検討しましょう。必須資格ではありませんが、その名の通りシステムエンジニアとして基本的な内容が学べるため持っておいて損はありません。新卒者~2年目といった若手社員が取得を目指すシステムエンジニアの入門資格であり、難易度もそこまで高くはありません。システムエンジニアにとして採用されるには資格取得も有利になる要素の1つです。
本記事は2017/09/26の情報で、内容はシステムエンジニア(SE)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。