未経験者の場合
IT系の資格には「国家資格」と「ベンダー資格」があります。より実務に役立つのはベンダー資格ですが、未経験の場合は最初に国家資格を取得するのが良いでしょう。
残念ながら、情報系国家試験で一番難易度の低い「ITパスポート」ではシステムエンジニアへの転職としては役に立ちません。ITパスポートは情報社会における職業人であれば知っておくべきこと、といった程度のレベルであるためです。
情報系国家試験の中で、ITパスポートの一つ上の資格にあたる「基本情報技術者」を取得していると、大きなアピール材料とすることができます。この試験は、新卒のシステムエンジニアが取得を目指すことが多い資格です。新卒~2年目あたりで取得することが多く、システムエンジニアの入門資格という位置づけのものになります。
経験者の場合
システムエンジニアからシステムエンジニアに転職する場合は、ベンダー資格の方が圧倒的に有利です。というのも、国家資格は一度取得すると更新の必要がなく、最新の技術を理解している指標にはならないためです。ベンダー資格では取得後に定期的に更新が必要となり、最新の技術を理解している証になります。有効期限の管理や、更新の度に試験料が必要といったデメリットもありますが、やはり実務に役立つのはベンダー資格です。
ベンダー資格には非常に多くの種類があります。もちろん、転職先の企業で役立つ資格の方が武器となりますので、事前にどのような業務を行っているかを調査し、より有効な資格を取得しておくと大きな武器となります。
国家資格でも上位のものは大きなアピール材料となります。基本情報技術者の一つ上にあたる「応用情報技術者」でも充分アピールできますし、さらに上のランクである各種スペシャリスト系の資格は、取得難易度が高いため所有している人が少なく、大きな武器となります。
「システムエンジニアの経験者採用では即戦力が求めらるので、どちらかというと実務に役立つベンダー資格の方が有利となりますが、難易度の高い国家資格であればベンダー資格に劣らないアピール材料とできる」というのが一般的な解釈かもしれません。
資格を持っていれば良いというわけではない
システムエンジニアの資格について上述しましたが、実際は「あくまで転職の際に資格を持っていた方が有利ではある」ということです。
転職後は資格を所有しているかどうか、ではなく、実際にどれだけの実務がこなせるかが重要となります。資格を取得したことに満足せず、常に最新の技術を取得する姿勢が大切です。
本記事は2017/09/15の情報で、内容はシステムエンジニア(SE)としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。