気象予報士と他業種との関係

職業:気象予報士

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「天気予報」は貴重な情報商材

 まずは産業面で、気象予報士が他の職種と関わる局面を見てみます。今や天気予報は、出かける際に傘が必要か、今日は布団を外に干していいのかといった身近な状況を大きく超えて活用されています。

 

 農業や漁業などの一次産業において天気がとても重要なのは今さら言うまでもないことですが、コンビニやスーパーマーケットなど流通の現場では翌日以降の仕入れのために必要不可欠な存在ですし、また電機メーカーや通信販売会社では、次の夏が猛暑になるのか、冬が寒くなるのかなど長期の気候予測が、冷暖房機の生産・販売にどの程度の資力を投入するかを見極める重要な指標となります。今や、あらゆる産業において天気予報は非常に重要な情報商材となっているのです。

 

 気象情報会社では、これまで天気予報とあまり縁がないと思われていた産業に対して「こんな天気予報の活用法があります」と売り込む活動を積極的に展開しているところもあり、そうした会社では営業職の気象予報士たちが「天気のエキスパート」としてアイデアを手に企業廻りをしています。

 

 今後も産業の分野において天気予報は活用先を次々に広げながら、一層大きな位置を占めることになり、気象予報士と他の業種や職種の人々との接点もさらに増えていくことが予想されます。

 

  • 農業や漁業はもちろんのこと、流通やメーカー、通販会社などでも気象予報の存在が重要視され、今後もあらゆる産業において気象予報士の活躍が期待される。

 

多くの業種にまたがる巨大プロジェクト「防災」

 近年は、かつてない規模の水害や超大型台風など、大規模な気象災害が頻繁に発生するようになりました。そこで、災害を未然に防ぐ「防災」が一層重要視されるようになり、多くの自治体では独自に気象予報士を採用したり、職員に気象予報士資格を取得することを推奨して、防災活動に力を入れるようになってきました。

 

 ただし、防災は単に気象予報士個人が頑張ればいいというレベルの話ではありません。災害が発生するような気象状況についての知識を子供たちに知ってもらう活動には教育機関との連携が欠かせませんし、災害発生時にどのような行動をとれば命を守れるかを住民に知ってもらうためには、自治会などと密接に協力する必要があります。

 

 災害を未然に防ぐ対策工事をどこに優先的に施すかの予算配分作業には、河川や道路を管理する機関(国土交通省地方整備局など)や、地質等の調査研究機関との共同作業が必要となるでしょう。

 

 また、ひとたび大規模な災害が発生したことを想定して、綿密なシミュレーションを作成しておくことも「防災」の一環ですが、組みあがったシミュレーションをもとに訓練を行う際には、自治体職員や警察、消防の関係者を一堂に集め、実際の災害発生時と同じ体制で行わないと意味がありません。このように、防災とは非常に多様な職種・関係機関にまたがる巨大プロジェクトなのです。

 

  • 防災意識の高まりに伴い、各自治体は気象予報士の採用や資格取得の推奨に力を入れている。ただし、「防災」は、気象予報士のみならず様々な関係各所との連携が必要となる。

 

最後には「コミュニケーション能力」がものをいう

 天気予報を情報商材として売り込む産業活動、そして災害による被害をできるだけ小さくおさめるための防災活動、どちらの分野でも気象予報士が主役として活躍しているわけですが、どちらも気象予報士だけが頑張って成り立つものではありません。他業種・職種との連携が欠かせないのです。

 

 また、それぞれに成功しているところと、残念ながらそうでないところがあります。それらを見比べた際に大きなカギとなっているのは、主軸となる気象予報士の「コミュニケーション能力」です。関係する他職種の人たちをいかにうまく結びつけることができるか、それこそが重要なことなのです。

 

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本記事は2017/09/03の情報で、内容は気象予報士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

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