診療放射線技師の仕事内容について
診療放射線技師は、法律では「医師、歯科医師の指示の下に放射線を人体に対して照射することを業とする者をいう」と記されています。人体に対して、エックス線を照射することが許されているのは、医師・歯科医師・診療放射線技師のみです。
仕事は多岐にわたり、一般病院、クリニック、検診施設などで主に行われる診断業務。放射性同位元素を使用した核医学検査、がんの3大療法の一つである放射線療法を担う放射線治療、医療機器メーカーで働くアプリケーション業務などが挙げられます。ここでは、それらの業務について詳しく見ていきましょう。
■診断業務
エックス線を使用する一般撮影、マンモグラフィ、胃バリウム検査、CTスキャン、エックス線を使用しない超音波検査、MRI検査などが主に携わる業務になります。最近では、ただ検査をするところから業務を拡大し、医師をサポートする画像の読影も行います。また、診断機器のめざましい進歩から術前のシミュレーション画像を3D、4Dにて描出する画像解析もあります。
認定制度の充実により、各種疾患を専門的に学んでいける環境も整っています。「自分がどんなモダリティを専門にしたいのか」「どんな疾患を勉強したいのか」をはっきりしておくことも大切です。
■核医学検査
放射線を発する物質(RI)を体内に投与し、体内から出てくる放射線を利用して画像として記録します。これにより、臓器の形や働き、腫瘍の有無を調べることができます。
がん検診で注目されているPETもこちらの枠に入ることになります。スキルアップには「核医学専門技師」を取得し、より専門的な知識・技術を高め、核医学における診断、治療、予防、機器などの品質管理を行うことが重要です。国家資格である「放射線取扱主任者」の取得をしていると、転職に有利になる。
■放射線治療
放射線治療での重要な因子は、病巣範囲に正確な線量を負荷できるかです。これには、コンピュータを駆使した治療計画、照射精度の検証が重要な役割になります。
また、正確な治療ができるよう措置の精度管理、定期点検を実施し装置が正常に稼働していることを確認していくことも必要です。放射線治療専門放射線技師の認定制度もあります。
放射線治療機器があるのは「大学病院」「がんセンター」などの施設になります。放射線治療について勉強したい場合は、面接時などにその旨を伝えることが必要です。
■アプリケーション
アプリケーション職として働く場合は、装置メーカーへの就職・転職という形になります。業務は、医療機関がCT、MRIを選定・購入した際に、取扱い説明・製品説明を行うことが主です。最新の医療機器を学べること、シーケンスを細かく設定する能力が身に付くこと、一般病院などでは体験できない最先端医療に携わることが可能です。
外資系企業に努める際には英会話能力も求められます。出張も多く、臨床経験が求められます。
本記事は2017/08/15の情報で、内容は診療放射線技師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。