「マンション管理士」と「管理業務主任者」保有者の転職時のポイント

職業:マンション管理士

67views

imasia_7389811_M

 

マンション管理士と管理業務主任者の違い

 

・資格取得方法・難易度や取得人口数などを比較

 マンション管理士と管理業務主任者は、試験内容としてはかなり近いものになります。また、試験時期も年に1度、例年11月末から12月頭にかけて、1週間違いで連続して行われています。そのため、マンション管理会社などに入社後に新入社員が資格取得を目指す場合は、基本的には会社からダブル受験をさせられるということがほとんどです。

 

 ただし、管理業務主任者の合格率が20~23%程度なのに対し、マンション管理士は8~9%程度と難易度が高くなっています。

 

 資格制度創設の歴史としては管理業務主任者もマンション管理士も平成13年からで、現在15回の試験が行われており、取得人口は管理業務主任者で10万人程度、マンション管理士で2万人程度となっています(平成28年度試験までの累計)。

 

・就職後の仕事内容などを比較

 両資格の差を権限の面から見ると、マンション管理士は「名称独占資格」、つまり「マンション管理士」であると名乗れる権利があるというだけで、何らかの業務に必須となるものではありません。これに対し管理業務主任者は、

 

①、(マンション管理会社とマンション管理組合の)管理委託契約に関する重要事項の説明および重要事項説明書(いわゆる72条書面)への記名押印
②、管理委託契約書(いわゆる73条書面)への記名押印
③、(マンション管理組合への)管理事務の報告

 

 という業務について「管理業務主任者しか行ってはいけない」と法律に明記されており(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)、またマンション管理組合との管理事務委託契約を30組合受けるごとに1人の「専任の管理業務主任者」を置くことも、マンション管理会社に義務付けられています(管理事務の委託であるため、通常マンション管理事務所のようなコンサルタントだけを行うところは関係ありません)。

 

 このことから、マンション管理会社においては直接業務に必要となる「管理業務主任者」のほうが、実は求められる資格であるということになります。しかしながら、「マンション管理士」も対マンション管理組合のお客様に対してマンション管理のエキスパートであるということがアピ―ルできますし、週刊経済誌などでは「マンション管理会社に在籍している社員のマンション管理士資格保有者数」という項目があることも多いため、十分にマンション管理会社へのアピールとなるでしょう。

 

 そもそも、前述のとおり試験難易度はマンション管理士の方が管理業務主任者よりも難しく、またマンション管理士試験合格者は管理業務主任者試験の問題のうち 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること」5問が免除されることから、仮にマンション管理士しか保有していない方でも、会社側から見れば「新たに管理業務主任者資格を取得してもらいたいが、マンション管理士資格を保有しているのであればさほど労せず取得できるだろう」という印象を持ってもらえる可能性は高いでしょう。

 

・平均年収や待遇を比較

 年収についてはもちろん会社や諸条件によって異なるので一概には言えませんが、イメージとしては30歳くらいで400万円~600万円程度が平均的なところ、大手かつ役職によってはもう少し高い会社もある、というところです。

 

 管理業務主任者とマンション管理士の間で基本給に直接的に差がつくというよりも、マンション管理会社では各資格に手当を設けている会社が多く、高ければマンション管理士手当が3万円ほどつくこともあります。ただしマンション管理会社の場合は管理業務主任者資格が重要であるため、保有していない場合に昇進に影響する可能性も十分にあります。

 

参考マンション管理士の年収を調査!

マンション管理士のリアルな給与明細調査

マンション管理士とは、専門知識を持ちマンション管理組合のコンサルタントを行うために必要な国家資格です。マンション管理士のリアルな給与明細をご紹介します。

 

どちらの資格を活かして転職活動をするべき?

 

・マンション管理士の資格を全面に出して転職活動

 マンション管理士資格が管理業務主任者と比較して有利な点は、「マンション管理士」という名称が一般の方にも分かりやすく「マンション管理のプロフェッショナルである」と伝わりやすいところです。

 

 試験内容は同じくマンション管理に関わることばかりでも、管理業務主任者は一言も「マンション」という言葉が資格名称に入っていないため、資格名を出してもまず一般の方には何の資格か伝わりません。

 

 直接的な管理業務を行うマンション管理会社ではなく、不動産・建築・設備関係の会社などで働く場合には、管理業務主任者にのみ認められている重要事項説明などの各種業務は関係ありませんので、マンション管理士のように分かりやすくプロフェッショナルであることがお客様に伝わることは信頼を得やすいことにつながり、会社側から見ても強みとなります。

 

 従って、マンション管理会社以外の間接的なマンション・不動産が関係するような業種の会社に転職活動をする場合は、マンション管理士の資格を前面に出した方が有利にはたらく可能性が高いでしょう。

 

・管理業務主任者の資格を全面に出して転職活動

 名称からは何の資格か分かりにくい管理業務主任者ですが、「マンション管理会社」へ転職活動を行う場合には大きな強みとなります。前述のとおり、マンション管理会社が管理組合から管理業務の委託を受ける場合、契約の重要事項説明、管理事務報告、契約書への記名押印という3つの重要業務は管理業務主任者の資格を持った者にしか認められていません。

 

 そのため、基本的にはマンション管理会社が即戦力を求める場合には、マンション管理士よりも管理業務主任者の資格を保有しているかどうかが重要になってきます。新卒採用ではなく中途採用を目指す場合であれば、その傾向はより強いでしょう。

 

 したがって、マンション管理に間接的に関わる業種というよりも直接的にマンション管理会社への転職を目指す場合には、管理業務主任者の資格を保有していることを前面に出した方が有利に働きますし、先方も必ず保有しているかどうかの確認は行います。

 

・両資格を全面に出して転職活動(ダブルライセンスのメリットなど)

 両資格を保有しているメリットがあるかどうかは、転職を検討する先の業種によって異なります。不動産・建築・設備などの業種でも直接マンション管理の業務を管理組合から受託しない会社の場合、管理業務主任者の資格を必要とする業務はありませんので、資格を持っていても会社側にあまりメリットはありません。マンション管理士である、というわかりやすい知識の証明以上に、ダブルライセンスだからというプラス面は薄いでしょう。

 

 一方で、マンション管理会社の場合は、逆に管理業主任者の資格を持っている社員が絶対的に必要になります。保有していなければ重要事項説明や監理事務報告を管理組合に行う度に別の資格保有社員に同行してもらう必要がありますので、非常に無駄が多くなってしまいます。

 

 さらに、管理組合の理事会役員に直接相対する部署の場合、「マンション管理士も持っています」と言えることは信頼を得やすくなるため、ダブルライセンスであることは「管理組合対応に必要以上の人数を割かなくて済み、お客様からの担当者に対する信頼も得やすい」というメリットがあるため大きくプラスになります。

 

 実際に、マンション管理会社では入社時点で片方あるいは両方資格を保有していない社員については、最終的にダブルライセンスとなるように研修制度を設けたり手当などのインセンティブ制度があったりする会社がほとんどです。

 

管理業務主任者の方が求人は見つかりやすい?

 上でも述べましたが、管理業務主任者の資格を活かして転職活動を行うとなると、マンション管理会社が中心になります。マンション管理会社の人員事情ですが、一般に管理組合10マンション程度ごとに1名、数百戸規模の大規模なマンションだとさらに少ない組合数に1人、フロント(マンション管理組合との窓口、コンサルタント役)が担当につくことになります。

 

 また、業務内容上「ICT技術の発達によって大幅に効率化して人数を減らせる」というような類のものでもありません。そのため、他のマンションからの管理委託契約先の切り替えや親会社のデベロッパーが新たにマンションを建てるなど、順調に会社が管理するマンションが拡大した場合、すぐに人員不足に陥ります。マンション管理会社はかなり高い頻度で管理業務主任者の保有者を求めている、と言っても過言ではないでしょう。

 

 マンション管理士の場合、マンション管理士事務所を除いてマンション管理士資格に限定して募集したり優遇するようなケースは滅多にないため(あるとすれば管理業主任者とセット)、転職先の業種にあまりこだわりがないのであれば、「管理業主任者の資格を取得して(または活かして)マンション管理会社に就職する」というルートが、採用される成功確率が高いです。

 

 ただし、逆にマンション管理会社以外の業種の会社に関しては管理業務主任者の資格を求める求人は稀であるため注意が必要です。

 

  • マンション管理士事務所に管理業務主任者資格は必要か

 求人の絶対数は少ないもののマンション管理事務所にマンション管理士として転職活動を行う場合、管理業務主任者の資格は必須となるのでしょうか。

 

 マンション管理士事務所の業務の立ち位置は、一般的には「既にマンション管理会社に管理業務を委託しているマンション管理組合に対し、管理会社の業務が適正かチェックしたり、マンション管理について管理会社とは別の視点からコンサルタントする」といった監査あるいはセカンドオピニオン的なものです。つまり直接的にマンション管理組合から管理業務の委託を受けるということは通常行わないため、管理業務主任者の資格が必要となるような管理業務委託の重要事項説明などの業務は発生しません。

 

 よって、もちろんダブルライセンスであるに越したことはないものの、管理業務主任者の資格が必要となる場面がなく、資格難易度的にもマンション管理士の方が高い以上、管理業主任者を必須あるいは重視するというような場合はほとんどありません。

 

本記事は2017/07/25の情報で、内容はマンション管理士としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。

転職エージェント!最新ランキング!

全て無料!情報収集にも転職相談にもまずは以下の大手エージェントを味方につける!

  1. 「転職」と言えばもちろん「リクルート」!求人件数の多さはもちろんカバーする業種・職種の幅も業界トップ級!まずは1サイト登録するならここ!

  2. 転職業界大手で国民的な企業の「マイナビ」!リクルートエージェントと併用する人も多い!2サイト利用でほぼ全ての業界をカバーできる!

  3. パーソルキャリアが運営する「DODA」もランキング上位!非公開求人が多いことや地方都市の求人に強みがあることが特徴のサイト!

  4. 女性の転職に特に定評と実績がある「パソナキャリア」!女性向けのセミナーやコンテンツ配信の質と量は業界随一!

  5. 年収アップに自信あり!スキルや年収を適正に評価し年収を最大限アップできるように担当者が徹底サポート!

ページ上部へ移動する