男性保健師は増加傾向も現状1割以下
男性にも保健師免許が与えられるようになったのは1993年になってからです(1994年3月の国家試験で男性保健士が誕生)。それ以降、徐々に男性保健師は増えてきているものの、まだ1割にも届きません。
保健師が数十人勤務するような大きな自治体であっても、男性保健師が1人いれば良い方です。男性保健師が勤務する職場は、「保健師そのものが多い自治体」か「企業」であることがほとんどです。
性別によって業務に差はない
保健師は男性だから、女性だからということで担当する業務に違いはありません。
ここでは、ある自治体で働く20代の男性保健師(Aさん)を例に挙げます。Aさんは採用後、母子保健業務を主に任されました。他の保健師と同様に、乳幼児健康診査で問診を行ったり、家庭訪問で新生児や乳児とその母親の状態を確認するという業務があります。
こうした日々の業務の中で、住民から「男性だから」というクレームが来ることがありませんでした。Aさん自身にも、「お宅を訪問することに抵抗はなかった」とのことです。一人の保健師として、専門職として業務を行っています。
Aさんはその後、他の保健師と同様に感染症分野、精神保健分野、老年保健分野などに異動となり、経験を積んでいます。
- 母親の希望があれば、女性保健師が家庭訪問を行うことも
ただし、初めての出産を終えた母親と新生児の家庭訪問の場合、ケースによっては乳首の含ませ方、乳房マッサージの方法などを指導することもあります。「男性保健師に指導されるのは、ちょっと」と抵抗がある方の場合は、事前に調整をして女性保健師が対応することもあります。
本記事は2017/07/21の情報で、内容は保健師としての勤務経験を持つ専門ライターが執筆しております。記事の利用は安全性を考慮しご自身で責任を持って行って下さい。